何も考えないようにすればするほどなんか考えちゃうのはなぜ?

TBSラジオで長年親しまれた名物企画「全国こども電話相談室」(1964年~2008年)のコンセプトを受け継いだコーナーです。パンサーの向井慧が「電話のおにいさん」となって、毎回、様々な質問に合わせた頼もしい先生をお呼びしています。今回の質問は・・・

Q. 人って、何も考えないようにすればするほどなんか考えちゃうのはなぜですか?(栃木県 たえちゃん 10歳 小学5年生)

(回答した先生)恩蔵絢子さん/脳科学者

向井おにいさん:たえちゃん、どんなときにこの質問を思いついたんですか?

― 気づいたらぼーっとしていて、もう一回ぼーっとしようとしてみたらできなくて、不思議になったからです。

向井おにいさん:そうか(笑)。何も考えずにぼーっとしたいなあって、すごく考えちゃったんだ。

― はい、そうです。お母さんもそうだよね?

向井おにいさん:えっ、近くにお母さんもいるの?

― はい。

向井おにいさん:お母さんもやっぱり「わかる」って言ってた?

― 言ってます、言ってます。

恩蔵先生:たえちゃん、大発見したねえ。本当に面白い質問ありがとう。

― どういたしまして。

恩蔵先生:うふふふ(笑)。なんかぼーっとしなきゃしなきゃって考えちゃった・・・すっごく面白すぎて(笑)。私が考えたことを伝えてみるね。

― はーい。

恩蔵先生:例えば、向井さんのことだけは考えてはいけませんって言われたら、向井さんの顔が浮かんじゃう?

― うーん、なんか意識しちゃいます。

恩蔵先生:意識しちゃうよね。これだけは考えちゃいけないって禁止されるとかえってそれをもっと求めちゃうっていうのは、実は心理学者の偉い人が最近発見したの。だから、その偉い心理学者と同じことをたえちゃんは小学5年生で発見してる。

― ヘへーっ!

恩蔵先生:ははは! すごいね(笑)。その人の説明では、何か考えないようにしなきゃいけないって思うと、頭が「今、向井さんのことを考えていないよね」って頭の中の隅々まで点検するんだって。

― へええ。

恩蔵先生:そうすると「向井さんのことを考えてるところはないか?」って、ずっと呼びかけられちゃうの。

― へえ。じゃあ最終的に気にしちゃう?

恩蔵先生:そうそう。だから結局、禁止されるとずっと向井さんを気にするようになっちゃうんだって。

― ええー。

向井おにいさん:なるほどえ。

恩蔵先生:それが、ぼーっとするっていうことにも当てはまるかどうか、ちょっと今考えてみてるんだけど・・・。たえちゃんはなんでぼーっとしたいの?

― 何も考えなくてちょっと楽。

向井おにいさん:そうだよね。普段いろいろ考えて生活しているからこそ、ちょっと疲れちゃったときとかは頭を真っ白に・・・。

恩蔵先生:休みたいなあって思うんだ?

― そうです。

恩蔵先生:なんかね、学校に行って何かに集中していると、そればっかりやるじゃない。それで、家に帰ってきて休もうとすると、脳はそこで初めて今日学んだことを整理し始めるんだって。

― ええーっ、知らなかった!

恩蔵先生:だから休んでいるときは、実は脳って忙しく働いちゃうものなの。

― へえっ?! そうなんだ!

恩蔵先生:だから脳が休んでるときってないんだって。

― えー、大変!

向井おにいさん:大変だねえ(笑)。じゃあ我々がぼーっとして何もしてないって思っていても、脳は働き続けてはいるんですか。

恩蔵先生:そうなんです。整理している。

― そうだったんだあ!

恩蔵先生:そうなの。だから寝てるときでさえ、本当に何も考えないってことはないのよ。

― ええぇっ!

向井おにいさん:はははは(笑)。ちょっとびっくりだね。

― すごい。

恩蔵先生:そうなの。だからいちばんいいのは、たえちゃんがリラックスしているかどうか。気持ちいいかどうか。本当に休んでるってときも脳はいっぱい働いていろんなことを考えているんだけど、お風呂に入って「あぁ気持ちいいなあ」とか「今日は何があったっけ」って考えてるような状況が、脳にとってはお休みしているっていう状態。

― へええーっ。じゃあ今度はお風呂入ってるときにぼーっとしてみます。

向井・恩蔵:あはははは!

恩蔵先生:またプレッシャーになってる(笑)。

向井おにさん:お風呂入ってるときにぼーっとしなきゃって思うとまた脳が「頑張って働かなきゃ」ってなっちゃうんですね(笑)。

恩蔵先生:そう。だから「シャンプーの匂い気持ちいい~」とか「お湯が温かくて気持ちいい~」とか、そういう目の前のことを「気持ちいい」って思ってみるといいかもね。

― 確かに。やってみます。

恩蔵先生:うふふ。そう、緊張しない時間かな。思いつめない時間がほしいね。

向井おにいさん:たえちゃん、そんな時間を作ってみてください。

― わかりました!

向井おにいさん:たえちゃん、ありがとう!

― ありがとうございました。

向井おにいさん:脳みそっていうのは、完全に働いてない時間というのはないんですね。

恩蔵先生:ないですね。耳を塞いでも目を閉じても、何しても動いているっていう自発的な組織だから、そこが脳の驚きポイントなんです。

向井おにいさん:たえちゃんからの「ぼーっとできました」っていう報告を待ちましょう(笑)。

恩蔵先生:そうですね(笑)。

(回答者プロフィール)恩蔵絢子さん。脳科学者。人間の意識や気持ちの動きと脳の働きについて研究しています。著書に『なぜ、認知症の人は家に帰りたがるのか 脳科学でわかる、ご本人の思いと接し方』(中央法規出版。共著)、『脳科学者の母が、認知症になる』(河出書房新社)など。

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【西武】松井稼頭央監督インタビュー 開幕戦の1-0勝利は「非常に大きな1勝になった」


4月2日放送のライオンズナイターでは、ベルーナドームで行われた西武ーオリックス1回戦の試合前に、埼玉西武ライオンズの松井稼頭央監督にインタビューした模様を放送した。開幕戦について訊いた。

――監督として2年目のシーズンが始まりました。開幕戦(3月29日、楽天―西武1回戦)で1-0の逃げ切りを狙ったという意味では、9回ツーアウトランナーなしという状況まで去年も今年も一緒だったのですが、今年は勝てました。チームは大きな成長を遂げたのではないですか?
松井「今井(達也のピッチング)が全てだったと思うし、本当にいい準備をして開幕に挑んでくれた中、1-0で勝ち切れたということは非常に大きな1勝になったと思います。それはチームにとってもそうでしょうし、また今井にとってもそうだと思います。ちょうどあそこ(7回を投げ終えた時点)で代える予定だったので、あそこで(8回表に)1点取れてよかったなと思いました」

――8回甲斐野(央)、抑えは(アルバート)アブレイユという継投が勝ちパターンの軸になる?
松井「そうですね。連投などで多少変わってくるときはあると思いますが、軸としてはその形になってくるのかなと思っています」

――仙台での開幕シリーズ楽天3連戦は2勝1敗としっかり勝ち越すことができましたね?
松井「1戦目は投手、守備も含めて接戦で勝ち切れた中、2戦目はよく打線が繋がったと思う。隅田(知一郎)も決して状態は良くなかったと思うのですが、その中でよく試合を作ってくれたなと感じましたし、打線が隅田をカバーしてくれました。今後の隅田にとってもいい勝ちがついたと思うし、打つ方でも(フランチー)コルデロが2番ということも含めて、初回からいい形で繋がってくれたのかなと思いました」

――金子侑司の1番起用がうまく機能していますね?
松井「相手へのプレッシャーもそうですけど、出塁ということも考えると侑司は非常に開幕3連戦よかったと思いますし、9番の源田(壮亮)もそうですが、下位から上位に繋がっていくという意味では非常に(打線のつながりは)よく感じますね」

――2番コルデロというのは面白い打順ですね?
松井「これでいろんな打順を打つ可能性ももちろん出てくると思いますが、2番も一つ面白いのかなと思えましたね」

――3番外崎(修汰)が大当たりですね?
松井「内容もそうですけど、結果としても素晴らしいスタートを切れたのではないかなと思っています」

――ホーム開幕戦を平良海馬に託しました。期待のほどをお聞かせ願います。
松井「海馬も初登板であるし、ホーム開幕というところで相手ピッチャーもいいですからね。接戦になっていく中で、海馬には1イニングでも多く投げてもらいたいと思うし、オープン戦からの準備、調整も含めて本人にしっかりと任せていますので、今日は自分のピッチングをしてもらえばいいのかなと思っています」

――王者オリックスとの今シーズン初対戦。去年は結構やられましたね?
松井「去年(8勝17敗と)結構負け越しましたので、そういう意味でも今日の初戦というのが非常に大事になってきますし、全員でしっかりとこの初戦を勝てるように頑張っていきたいと思います」

※インタビュアー:斉藤一美アナウンサー

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