GOTOトラベル、そもそも名称も変ですよ。

新型コロナの感染拡大が急激に進み、なにかと問題のGOTOトラベル。この状況での運用に疑問を感じるなど、多くの方がモヤモヤしていますよね。今日は、そのGOTOトラベルに、政策としてのモヤモヤとは別のモヤモヤを抱いている人がいる、ということで、お話を伺いました。

「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!11月30日(月)は、『GOTOトラベル、そもそも名称も変ですよ。』というテーマで取材をしました。

★Go "to"travelとは言わないんです

いったいどんなモヤモヤなのか?「日本の英語を考える会」会長で、東京女子大学・国際英語学科教授の鶴田知佳子さんに聞きました。

鶴田知佳子さん
「「Go on a trip」か「Go traveling」はまだ許せるけど、「Go『to』travel」とは言わないです。というのは、Go toのあとは、例えば京都とか名詞で場所が来ますよね。名古屋とか、普通は地名ですね。だから、GoToトラベルが変な感じがするっていうのは、「トラベル」っていう目的地があって、そこに行くっていう印象になるわけですよ。(トラベルに行く?)そうなの。日本語だとそれで理解ができるんですが、そうはならないんですよね、英語的に考えると。付けた人の意図は分からなくはないです。GOもTOも短いし、リズミカルだし、覚えやすいから。そういった日本語の造語能力っていうのは結構高いものがあって、で、自由自在に作っている、と。でもカタカナ語って日本語が分かる外国人だったらまだしも、全然日本語が分からない人は、もう理解度非常に低いですよね。」

GOTOトラベルとは言わない・・・そもそも、キャンペーンの名称もモヤモヤさせるものだったのですね。鶴田さんは「この名称をつけた人も英語を使おうと思って使ってないんでしょうけど」と言いつつ、私としてはちょっとどうかな?通じるのかな?、と心配、と。

例えば、英字新聞などの記事では、「」付きで「so-called『GOTO~』」と、「いわゆる、世間で言うところの、GOTO~」と書いているそうです。so-called・・・、辞書によっては「(軽蔑の意味を込めて・本当は違うが)いわゆる」と訳がついているものもあり、なんとなく悲しくなってきます・・・。

★日本の英語での情報発信のレベルアップを!

しかし、英語ではないと割り切れば、気にならない・・・のは日本語が分かる人だけ。日本で報道されるニュースを英語に通訳している鶴田さんは、このコロナの状況下では、問題は深刻だ、と話します。

鶴田知佳子さん
「日本で生活をすでにされている外国の方々が、日本で、英語で情報を取りたいと思った場合に、自治体のHPなどで書かれている情報発信、その英語が果たして大丈夫なんだろうかと、コロナだからに限らないんですが、ただコロナの状況下で困るのは、やはりコロナ関連のニュースあるいは情報というのは、正確に外国の方に伝えなくてはならないものですので。問題になったのは「オーバーシュート」本来「overshoot」っていう言葉の意味は感染の急拡大という意味ではないわけですよ。それから「ライブハウス」ですね。そのまま訳しちゃったら「生きてる家」になってしまいますけれども、それじゃあ、用は成してませんよね。だから、そういうものを、まずはみんなで声を上げて、あのやはり、こういうところは日本にとっても、日本に暮らしている外国の方々に対して尊重しない、ということになってしまうんじゃないかと。」

確かに、日本で暮らす外国人への情報としては問題ですよね。そこで、鶴田さんたち「日本の英語を考える会」は、コロナ禍のいま外国の方がまず頼りにする自治体のHPから確認を始めました。

すると、コロナ対策「本部長」が「book manager=本・部長」、「暮らし」が「dark=暗し」、「住まい」が「I’m sorry=すまない」と、機械翻訳によるものと思われる変な英語を放置している例もたくさん。

また、「withコロナ」は「コロナウイルスを持っている」と取れるなど、本質的な間違いも、次々に見つかった。

コロナ禍ではもちろん、地震や台風などの災害時にも正確な情報は命綱。鶴田さん達の指摘を受け、千葉県の浦安市は、早速改訂に動き始めたそうです。

★コロナの影響で言葉も変わる!

しかし、追いかけているのは言葉。これがとても厄介な代物なんです。正確な訳を、と働きかけている鶴田さんなのですが、コロナの影響で変化した言葉に直撃しました。

鶴田知佳子さん
「『テイクアウト』なんですけども、これはですね、言葉ってやっぱりつくづく生き物だな~と思ったんですが、これはNYに住んでいるメンバーが教えてくれたんですけれども、コロナになって『take out』は普通に使う、と。私が昔『take out』って言うと「いや、それは使わない。『for here? Or to go?』、『to go』っていう言い方ですね、持ち帰りは」という風に習いましたけれども、今は『take out』も、普通に使ってる、と。コロナで、自分で注文して持って帰るっていうのが増えたから、ということもあるみたいで。あともう一つ、私ワーケーションっていうのも、ちょっと前にオックスフォード英語辞典にもワーケーションっていうのは載っていたということが、最近分かったんですけれども、今回のコロナ関連で和製英語で使われているのかな~と思って、実は論文にも書いちゃったんですが、和製英語についてっていうので、それにもう書いちゃったんですが、これ訂正を書かなくちゃいけなくなっちゃったわね、なんてさっきも言ってたところなんですけどね。」

コロナの影響で、間違いだった英語が、NYで普通に使われるようになっていたんです。言葉は生き物。言葉は世につれ、と言ったところでしょうか。まさに、このコロナ禍の中に急増した新しい食事の仕方が、新しい言葉を定着させた、ということなのです。しかし、こんな風に通訳のプロの鶴田さんも、見逃す言葉の変化。

自治体のHPなど、日本における英語での情報発信のレベルを上げるのは、どう考えても必要なことですが、とても骨が折れる作業でもあるな、と感じました。

コロナだけでなく、災害の多い国なので、外国人への情報発信も、これを機に改善されれば・・・

近堂かおりの「現場にアタック」

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甲府市でもこの夏開始「部活動の地域移行」とは

渡辺麻耶が木曜日のDJを担当するFM FUJIの番組『Bumpy』(毎週月曜~木曜、13:00~18:50)内のコーナー「CLOSE UP TODAY」(毎週木曜、17:35~)。4月18日のオンエアでは、甲府市教育委員会学校教育課の指導主事、井上透さんに、甲府市でこの夏始まる部活動の地域移行についてインタビューしました。

麻耶:早速ですが「部活動の地域移行」とは、具体的に言うと、部活動がどのように変化していくことなんでしょうか?

井上:これまで「学校部活動」として行ってきた中学生のスポーツ活動・文化芸術活動を、これからは地域の方が指導する「地域クラブ活動」として行っていくというものです。

麻耶:なぜ「部活動の地域移行」を進めることになったのでしょうか?

井上:理由は、主に2つあります。1つは、少子化の影響です。少子化により部員数が減り、学校単独でチームが成り立たず、十分な活動ができなくなったり、休部・廃部になったりする状況が出てきました。現に、数年前から、野球やサッカー・バレーボールなどいくつかの種目において、複数の学校による「合同チーム」で大会参加している状況が増えてきています。

もう1つは、教育問題の複雑化・多様化の影響です。教育問題の複雑化・多様化に伴い、これまで行われてきた指導体制を継続することが、教員にとって大きな負担になっている状況があります。競技経験等もない先生が顧問を務める場合、その負担はさらに大きくなるものと考えられます。

こうした背景から部活動の存続が厳しくなってきたため、国がガイドラインを示し、全国的な動きとして「部活動の地域移行」を進めるに至った、ということです。

麻耶:大会などはどのような枠組みで出場することになるのですか?

井上:国で令和5年度から7年度までの3年間を「改革推進期間」と位置付けています。それに基づいて、甲府市としては令和6・7年度については、一部の種目でこの事業に取り組んでいくことになっているのですが、令和7年度まではこれまで通り、学校単位や合同チームで大会参加する予定でいます。

麻耶:今年度は一部の種目で実施するということですが、その内容を教えてください。

井上:8月から、バスケットボール・バレーボール・剣道の3種目で活動に取り組みます。市内の国公立中学校12校を、3校ずつ4つのブロックに分けて、ブロックごとに月2回程度合同での練習を行う予定です。

麻耶:来年度以降の予定について教えてください。

井上:今年度は3種目ですが、来年度はさらに2種目程度加えることを考えています。令和8年度には、現在休日に活動を行っていて、市内の学校に設置されている種目すべてで、地域移行を行う予定です。いずれは、月2回の活動をさらに増やして、休日の活動を「地域クラブ活動」として行うようにできないか検討しているところです。それを実現させるには、まだまだたくさんのハードルがあるのですが、これまで学校部活動が担ってきたスポーツ活動・文化芸術活動の振興・発展を、いよいよ地域や国全体で考えていかなければならない時期に来ていると考えています。私も元々中学校教員の一人ですが、長らくスポーツに携わってきた者として、中学生たちが末長く関われるスポーツ活動・文化芸術活動の機会の構築に注力していきたいと考えています。ぜひ地域の方々にも、ご理解・ご協力いただきたいと思います。

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