【ラジオな人】宮城県民の心のオアシス!TBCラジオ(東北放送)編成業務部・小笠原 悠さんが語る、親しみをもたれる番組作り。

宮城県を中心として放送されている TBCラジオ(東北放送)。65年以上の歴史を誇り、地元のリスナーに愛され続けています。幅広い年代に親しまれ、「家族のような」リスナーが多いという、TBCラジオの番組。同局の編成業務部・小笠原 悠(おがさわら はるか) さんに、その関係性作りの秘訣を伺いました。

番組の自社制作率を上げて自局の色を出す

――お若いですよね。ラジオの編成に来てどれぐらいですか?

3年目です。編成が主な仕事になったのは去年の4月からですね。

――編成面から見た TBC ラジオさんの特徴は?

平日は自社番組を朝から夕方までやっているので、自社制作率が50%を超えるところです。なおかつJRN系列もNRN系列(※1)もネットしているので、幅広く楽しめます。いろんな世代の方に楽しんでもらうのを目標にしているのですが、特に若い世代へのPRが課題ですね。その点を踏まえ、月曜日は夜までを自社制作番組にし、TBC色を出しています。

――「色々な世代に」とおっしゃっていましたが、具体的にはどの年代層をイメージしていますか?

昔からのリスナーの方……50~60代の方がずっと聴いてくださっています。皆さんおっしゃるのが、「長くパーソナリティを務めている方の声は、安心する」と。その安心感を大事にしながらも、30~40代の方へ向けてアピールするためにはどうしたらいいか、頭を悩ませています。

例えば『COLORS』(※2)ならば、名久井アナウンサー(※3)が子育て中なので、同じ環境の方々にも共感してもらって、生活の一部になっていきたいです。「ながら聴き」でも聴いてもらって、お子さんに「ラジオ面白いから夏休みに聴いてみたら」とか、「勉強の合間に聴いてみたら」と勧めてもらえるように、親子で楽しんでくれるファンを増やしていきたいですね。

しゃべり手とリスナーが触れ合う機会も多い

――別の媒体で「TBC夏まつり」(※4)の取材をさせてもらったとき、小学生がマイクの前に座って CM(※5)を読む企画をしていて、「これいいな」と思いました。

「子ども録音スタジオ」という、長く続いている企画です。DJ気分を味わいつつ、お名前のあとに「TBCラジオ」と言ってもらいます。その「TBCラジオ」のひと言でも、夏の思い出として残ってほしいですね。録音した直後に「○月×日の何時何分何秒にあなたの声が流れますよ」と伝えるので、それを楽しみに聴いてくれるんです。

――小学生だと1人で「TBC夏まつり」には来ていないので、ご両親にもアピールできますし(笑)。

ご両親とおじいちゃん、おばあちゃんもいて、それこそ家族みんなで聴いてくれています。もちろん、普段から聴いている番組の後に流れるのが楽しみ、という方もいるでしょうし、ピンポイントでそこだけでもいいので聴いてもらって、「ラジオって面白いな」とか、自分の声が流れる「ワクワク感」を体験してもらいたいという企画です。今年も実施します。

――「同じクラスの○○君の声がラジオで流れるんだって!」という話になれば、読んだ子の家族だけでなく、隣近所で聴いている人もいるんだろうなと想像できますね。

それでいうと、会社見学で来た生徒の皆さんにも『COLORS』に出演してもらっています。ちょっとでもラジオに触れてもらうことを大事にしていますね。それと、冬には「TBCラジオファン感謝祭」も行っています。

――今年は2月にやっていましたよね?

そうです。例年は年末にやっていたのですが、今年は2月の屋外で開催しました。

――寒そうだなと思っていました(笑)。

我々も天候がどうなるかヒヤヒヤしていたのですが、当日は晴れて風もなく安心しました。メインイベントが鍋の振る舞いだったのですが、予想以上に来場して頂いてビックリしたんですよ。「鍋があるから行ってみようか」とか、うちの番組をそんなに知らなくても、来て頂くきっかけになったのかなと、手応えは感じています。そういった面でも、リスナーさんとの触れ合い……距離の近さは大事にしていきたいですね。

機動性とPR力の高いラジオカーをフル活用

――近さという意味では、ラジオカーも大活躍していますよね。

ラジオは、街の方のお話が聴きやすいんです。皆さん「声だけなら」と、気軽に応対してくださいますから。ラジオカーの機動力を活かして、いろんな場所へ行っています。毎日のレギュラー番組での中継は、基本的に突撃なんですよ。アナウンサーが経験を積める場でもありますし、いろんな方とフランクに触れ合っています。そこから TBCラジオを聴いて頂けるかもしれないので、“TBCといえばラジオカー”というぐらい活用していますね。あと、「ラジオカーが今日、走っていたね」というように、何気ない会話の中で、話題に挙がったらいいなぁと。

――「宮城県」とひと言でいっても、広いですよね。よりラジオカーが有効なのでは?

「八木山(※6)のスタジオは若干曇っていますけど、そちらはどうですか?」とスタジオから問いかけて、ラジオカーからは「雨が降っています」という返答があったり。「県内でもこんなに天気が違うんだ」ということも分かるので、「今」を伝えるにはラジオカーが有効だと思っていますね。

――先ほど、「リスナーさんとの距離が近い」という話がありましたが、TBCラジオファンはどんな方々ですか?

家族みたいな距離の近さですね。若いアナウンサーが初鳴き(※7)したら、「初めてだよね」と反応してくださる方もいますし、ベテランのDJ・パーソナリティには悩みを打ち明けられたり、そんな距離感を持って頂いているのかなと。ある意味で、「リスナー」と「パーソナリティ」という距離感から、ひとつ踏み込んだところにいるのかもしれません。「TBCラジオのあの人だったら話せる」と思って頂けているのではないでしょうか。

――ワイドFMが始まりましたが、番組編成に与えた影響はありますか?

今まさに、ワイドFMをどう強みにしていくか、試行錯誤しているところです。よりクリアな音質なので、AMのしゃべりに特化した部分を大事にしつつも、そこに音楽を加えようとしています。音楽番組も自社制作しているんですけど、さらに良い音で聴いて楽しんでもらえるものは何か、音楽に特化したコーナーを作るのか、他に方法があるのか、日々考えています。課題でもあり、チャレンジでもあるので、音へのこだわりを今後どう組み込んでいくのか、期待してほしい部分でもありますね。

長寿番組にも若いリスナーが参加

――TBCラジオさんは長寿番組も多いですが、リスナーさんの反響は?

親近感が湧く、安心感があるといった声が多いですね。「いったん宮城を離れたけど、戻って来てまた聞いています」とか。「こっちに転勤で来てずっと聴いていて、また別の土地に行くんですけど、今日で聴けなくなるのが寂しいです」というリスナーの方もいるので、生活の中に取り入れて頂いているんだな、日常に番組が寄り添っているんだな、と実感しています。

あと、昔から聴いて頂いているリスナーだけではなく、中学生や小学生からもお便りが来ます。「お父さんが聴いていて」とか、「親子で聴いていて、自分もメールを送ってみようと思った」とか、そういうお子さんが増えてきているようなので、すごく嬉しいですね。しゃべり手も「10代の方ですか。へぇ~」と、親戚の子に話しかけるようにトークをするので、皆さんが近くに感じるのかなと思っています。

新しい番組ではSNSを使ったやり取りも

――では、新しい番組の『NEW NEWS』(※8)と『スベル兄弟』(※9)はどんな反響でしょうか。

夕方の生ワイド番組(※10)を自社制作することは、TBCラジオにとってチャレンジしたいことであったので、やっと実現できた、という感じですね。いざやってみると、パーソナリティを務めるお笑いコンビの「ニードル」 がずっと宮城で活動を続けているので、知っているリスナーも多いですし、2人の地元の訛りも出るので、「近所のお兄ちゃんたちがしゃべっている」と親近感を持っている方も多いようです。主婦の方が意外に聴いてくださっているんですよ。「かわいいじゃないの」という感じで(笑)。 先日イベントを開催したとき、会場に「番組聴いています」という主婦の方が結構いらしていて。「家事の合間に聴いているよ」と嬉しい声を頂きました。

朝から午前中の番組では、ニュースや情報を扱っていますが、『NEW NEWS』(月曜日~金曜日 16時~17時59分)ではニッチなニュースを選んでいます。もちろんその日の芸能・政治ニュースも扱いますが、クスッと笑ってしまう世界のニュースとか、(ニードルの)2人が気になっているニュースもあるので、他の番組とツッコミポイントが違うところが好評で、最近は中学生も聴いてくださっているようですね。「中学2年生で、初めて投稿します」というお便りがあったり。

――番組 LINE@もありますよね。

そうです。LINEのアンケート機能を使った双方向のやり取りにも、力を入れていきたいと考えています。『NEW NEWS』は「LINE アンケートでニュースを斬る」のが大きな軸としてあって、ニードルの2人の独自視点と、リスナーの意見をあわせて、世の中のありとあらゆることを斬っていこう、という意図です。

――『スベル兄弟』はいかがですか?

LINE LIVEで生配信しているので、スタジオの様子が観られるのが特徴ですね。あとはTwitterを使って「しりとり」をやるなど、リスナーが簡単に参加できるコーナーもあります。LINE LIVEだとコメントやスタンプも送れるので、パーソナリティもリアクションをすぐに返せますから。

パーソナリティが週替わりで、芸人さんとアイドルの組み合わせなので。マンネリ化せず楽しんで頂けると思います。若い子も出演していて、一番下の律月ひかるさんは16 歳(※11) です。初回の出演は、芸人のゴー☆ジャスさんとの組み合わせだったんですけど、ゴー☆ジャスさんが「どう接しようかなぁ……」と探り探りなところは、面白い化学反応でしたね。

地元に密着した放送が一番の強み

――他に、TBCラジオさんの特徴はありますか?

東日本大震災を「伝え続ける」ことを常に意識しています。『3・11 みやぎホットライン』(毎週月曜日 20時~20時30分)(※12)は、震災から間もなく始まった番組で、「何があっても被災地の今を伝え続ける」という強い意志のもとに立ち上げた番組です。

夕方に生ワイド番組を編成したのも、宮城で自然災害や大きな事件・事故が起きたとき、すぐに伝えられるという意図がありました。リスナーの方にも、何かあったときに「TBCラジオだったら地元の情報を伝えてくれる」と信頼してもらえるように。

東日本大震災の当時、私は学生でした。停電でテレビが見られない中、地元の情報はどこで得られるかと考えたとき、やっぱりTBCラジオだったんです。当時、制作に携わっていたアナウンサーやディレクターに聞くと、「地元の情報を伝えてほしい」というみなさんの要望に応えて、休みなく放送を続けたそうです。「ラジオしか頼れないんです」という声があったので、細かく細かく、同じ情報でも何回も何回も繰り返し伝えて、新しい情報が入ったらそれもすぐに伝えて。

ですから、リスナーとの近さと、県内で何かあったときにすぐ情報を伝える……つまり、「地域に密着している点」は強みだと思っています。

――以前から、「少ない人数でよくそこまでフォローされているな」と感じていました。

よくいわれます(苦笑)。何かあったときは報道と連携して、どこで放送できるか判断します。テレビの生放送がある朝の自社制作番組か、それが終わっていたら、じゃあラジオで放送しようか、といったように。テレビとラジオの連携は、昔から伝統としてありますね。

――お1人の仕事量がたいへん多いと思いますが、お体に気をつけて頑張ってください。

※1:民放AMラジオのネットワーク。TBSラジオをキー局とした「Japan Radio Network」と、文化放送とニッポン放送をキー局とした「National Radio Network」がある。両方のネットワークに属していることを「クロスネット」という

※2※3:名久井麻利アナウンサーインタビューを参照

※4:毎年 7 月下旬に、東北放送が局を挙げて行う祭り。仙台市役所前にある勾当台公園全域を使い、ラジオの公開生放送、公開収録、テレビの公開収録、関連イベント、ミュージシャンのライブなどが行われる。2018 年は 7 月 21 日・22 日に開催。
「TBC 夏祭り 2018」公式ページ:http://tbcfes.jp/

※5:厳密には「ステーションブレイク」

※6:東北放送本社・スタジオのある場所

※7:初めて声が放送に乗ること

※8:2017 年 10 月に始まった情報バラエティ。月~金曜日の 16:00~17:59 に生放送。真面目なニュースから不思議なニュースまで幅広く伝えている

※9:2017 年 1 月に始まったバラエティ番組。月曜日の 20:30~22:00 に生放送。出演者はゴー☆ジャス、爆笑コメディアンズ、佐藤佳奈、callme(早坂香美、秋元瑠海、富永美杜)、渡邉幸愛(SUPER☆GiRLS)、律月ひかる(いぎなり東北産)

※10:時間帯ごとに複数のスポンサーがついている番組を「ワイド番組」という

※11:2001 年 7 月 31 日生まれ

※12:TBCラジオ東日本大震災報道番組『3・11 みやぎホットライン』。2011年4月スタート。東日本大震災で被災した人、街などを取材し、その様子を伝え続けている

出演者プロフィール

小笠原 悠(おがさわら はるか)

宮城県出身。2012年に東北放送へ入社。テレビの報道部を経て2016年にラジオ局編成業務部へ異動。現在に至る。

■所属放送局:TBC ラジオ(東北放送)
■放送局所在地:宮城県仙台市太白区八木山香澄町 26番1号
http://www.tbc-sendai.co.jp/

インタビュー・カメラマン

豊田拓臣

1979年、埼玉県生まれ。

中学校1年生からラジオを聴き始め、ずっと聴き続けていたら、ラジオ番組の紹介記事やしゃべり手のインタビューをして原稿を書くことが仕事になっていたフリー編集者/ライター。

自称・ラジオ解説者。
著書に『ラジオのすごい人たち~今こそ聴きたい 34 人のパーソナリティ』(2012年、アスペクト)がある。
一般社団法人日本放送作家協会理事
特定非営利活動法人放送批評懇談会正会員

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江原啓之「親以上にお前を愛する人はいない」「人を大事にしながら生きていきなさい」

スピリチュアリストの江原啓之がパーソナリティをつとめ、番組パートナーの奥迫協子とお送りするTOKYO FMのラジオ番組「Dr.Recella presents 江原啓之 おと語り」。
今回の放送では、リスナーから届いたさまざまな相談に、江原がアドバイスを送りました。

江原啓之



<リスナーからのメッセージ >
私の父は、私が15歳のときに50歳で亡くなりました。膵臓がんでした。見つかったときには末期でしたが、僅かな可能性にかけ手術を受けました。その甲斐なく、発見から半年であの世へと旅立ちました。最期のほうは食べることもままならず、氷を口に含んで気を紛らわせていたようです。

看取りのときには、私の手を握り「頑張れよ」と声をかけてくれました。亡くなった直後に父の足をふと見ると、骨と皮だけになっていました。こんなになるまで懸命に生きてくれたのかと、つらい日々を考えると哀しくもありましたが、そんな父が誇らしく感じました。

最期に私にかけてくれた「頑張れよ」の言葉と父が最後まで見せてくれた生きる姿は、私の生きる励みになっています。今は緩和ケアも発達していると聞きますので、どんな病になったとしても、痛みを緩和しながら、私が最期まで生き抜く姿を見せることが、家族や関わる人の励みになると父から教えていただいたと感じています。

<江原からの回答>
江原:私も相談者さんと同じく、15歳のときに母を亡くしているんです。がんでしたから、すごくよく分かります。本当に最期は食べることもままならずで、お水だけ……という状態でしたので、骨と皮だけになってしまってね。一度、先生が「お家に帰らせてあげてください」と言ってくださったことがあったのですが、今でも忘れないのは母をおぶったときの軽さ。段差があるところや階段は私がおぶったのですが、軽くてね。もう骨と皮だったから。私はそこで、すごく悲しかったのですが、でも今思えば、母は息子におんぶされて幸せだったろうなと思います。

奥迫:そう思います。私も母親の立場ですので、子どもにおんぶしてもらうって、どんなに幸せだろうと思います。子どもからしても、そのときのお母さんの軽さというのを、一生忘れないですよね。

江原:忘れない。本当、一生忘れない。

奥迫:私も、14歳のときに父が他界しました。そのときってすごく感情豊かじゃないですか。それが一生の自分の糧となるという、そんな気がしますね。私の父の場合は急死だったので、最期の言葉はなかったんですよ。

江原:それじゃあ、相談者さんがお父さまから「頑張れよ」と言ってもらえたのは、幸せですね。

奥迫:本当にそうですよ。

江原:私は本にも書いているように、「親以上にお前を愛する人はいない」と思います。だから、そう思って、「人を大事にしながら生きていきなさいよ」と伝えています。親になると分かるのは、やっぱり親は何があっても子どもを一番に愛するということ。甘いだ何だと言われても、それでも愛してあげるのが親だと思うんです。そういう意味では、生き様を見せるということ、それが一番うれしい、ありがたいことですよね。いいお話をありがとうございました。


江原啓之、奥迫協子



●江原啓之 今夜の格言
「すべては“愛”です」


<番組概要>
番組名:Dr.Recella presents 江原啓之 おと語り
放送日時:TOKYO FM/FM 大阪 毎週日曜 22:00~22:25、エフエム山陰 毎週土曜 12:30~12:55
出演者:江原啓之、奥迫協子
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/oto/

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