【ラジオな人】FM802取締役 岩尾知明さんに訊く、FM802/FMCOCOLOリスナーとの向き合い方、ニーズに応える番組作り

音楽通も唸る音楽番組が多く、9月22日(土)に開催した「平安神宮月夜の宴 ROOTS66 京の二人会 斉藤和義×立川談春」をはじめ、靱公園での「風のハミング」など、さまざまなライブイベントを主催しているFM COCOLO。

大阪の人気ラジオ局・FM COCOLOが設立された経緯から、番組の環境づくり、ラジオを聴くことの醍醐味など、FM802取締役・岩尾知明さんの考えに迫ります。

FM COCOLOとFM802で、幅広い年齢層をカバー

――FM COCOLOが設立した経緯について伺います。

岩尾:FM COCOLOは1995年の阪神大震災の発生を機に、災害時に多言語で情報を発信する“外国語FMラジオ局”として設立されました。ところが、経済環境も変化してきたことからFM802に経営の譲渡に関する打診がありました。当時はFM802が開局して20年を過ぎた頃で、開局当時20代だったリスナーも40代になり、FM802は「一つの放送局で幅広い年齢のラジオリスナーのニーズに答えられるだろうか」という課題と向き合っていました。

開局以来、例えば30代であろうと、18歳の感性を持ってスポンジのように何でも吸収する、好奇心旺盛な人に向けて編成することを打ち出してきましたが、人によって聴いてきた音楽歴も違いますし、限界があることは否めません。

そのような経緯もあり、2012年に、FM COCOLOは元の運営会社からFM802に事業譲渡されることになり、日本で唯一の同一エリアで1社2波運営となりました。

“デュアルステーション”という位置づけ

――FM802は主に10~30代をターゲットにしていて、FM COCOLOは上の世代がターゲットになっているのかと思います。

岩尾:FM COCOLOは、FM802を聴いて年齢を重ねてきた人に向けたステーションという位置付けです。FM802の開局当初から活躍していたDJは、現在はFM COCOLOで活躍しています。

FM802は10代から30代、FM COCOLOは40代以上がターゲットになります。これは1つの会社が2波をもっている強みです。1波だけで幅広い世代をカバーするのは難しいし、ぼやけてくる可能性があると思うんです。ただし、FM COCOLOも、懐かしい曲ばかりを流しているわけではありません。例えば、Suchmosの曲のように20代だけでなく、40〜50代の心にも響く曲もオンエアしています。

MARK'E MUSIC MODE』(月曜日〜木曜日 17時〜19時43分)、『SUNDAY MARK'E 765』(毎週日曜日 11時〜14時)のDJを務めるマーキー(※1) は66歳ですが、アーティストとのお付き合いが幅広く、比較的若いミュージシャンもゲストに登場します。つまり、必ずしも年齢で区切っているわけではないということです。

今の親子関係は我々の頃とは違っていて、昔はあまりなかったと思いますが、親子で一緒にライブに行くことも多くなっている気がします。

自由な選曲と環境づくり

――岩尾さんが思う、理想のDJ像をお訊かせください。

岩尾:やはり、自らが聴いた音楽や見たもの、食べたものを自分の言葉で伝えられる力を持っている人

リスナーは耳が肥えているので、DJが発した言葉が自発的なものなのか、誰かに言わされていることなのか、といったことに非常に敏感です。なので、我々まわりのスタッフがDJ本人の言葉で伝えられる環境を整えることが大事だなと。

ステーションのブランドが確立していて、聴取率もある程度キープされていると自由な番組作りができるようになりますが、ほかのラジオ局との聴取率競争に陥ってしまうと、幅広い人に人気のアーティストの曲ばかり流してしまう可能性もあります。今のマーケットでいえば、邦楽をかけた方が聴取率が取れますから。

――実際にそうなってしまうと、どのラジオ局も同じような内容になってしまいますよね。

岩尾:そうなんです。その点、ラジオ局のブランドが確立されていると攻めた番組作りができます。

DJが薦めたい曲を自由にオンエアできる。それが理想です。聴取率が良くないと、「そんなマニアックな曲をかけても、誰も聴かないよ」という話になっちゃいます。やはりDJや番組ディレクターが自分で選曲して、自ら感じたことを話す方がリスナーには伝わりますよね。

DJは行きつけのお店の大将やママ

――岩尾さんからみて、ラジオの醍醐味はどういったところにあると思いますか?

岩尾:まさに、DJの言葉を乗せて楽曲を紹介できる点だと思います。

ラジオは習慣性の高いメディアで、例えるなら“行きつけの店”みたいなもの。味はもちろんだけど、大将やママの人柄に惚れてその店に行くイメージです。たまに、信頼している大将から「今日は、こういうのが入ったから、食べてみない?」って言われたら食べますよね。ラジオって、これに近いと思うんです。

知っている人に音楽を紹介されると、心が動く。相手が“自分の好み“を知ってくれているという関係性の中で、ラジオができるのは非常に大きいのです。 “あなたにおすすめの曲”がアルゴリズムで表示されるのも良いかもしれませんが、曲に言葉を添えるだけで伝わり方は変わってきます。そういう関係性を、いかにたくさん作っていけるかどうか。

FM COCOLOのタイムテーブルに、あなたの“好きな店”が、たくさん並んでいたらいいなと思います。

トータス松本さんの番組『Got You OSAKA』、生放送がスタート

――ここからは、数あるFM COCOLOのおすすめの番組の中から、一部をご紹介いただきます。

結成30周年を迎え、幅広い年齢層に支持されているウルフルズ。2018年4月にはトータス松本さんがDJを務める番組『Got You OSAKA』がスタートしました。毎回、FM COCOLOのスタジオから生放送でお届けしています。

岩尾:トータスさんは96年から1年間、FM802の夜の番組『MUSIC GUMBO』(※2) のDJを務めていたことや、2018年はウルフルズが結成30周年イヤーということもあり、「2018年は、結成の地・大阪で何かやりたい」とおっしゃっていたんです。そこで「毎週、大阪に来て番組をやりませんか?」と提案してみたところ、「行くよ!」というお返事をいただき実現しました。

アーティストの番組は収録したものを夜帯に放送することが多いのですが、私としてはどうしても生放送にしたいという思いもあり、トータスさんと相談して日曜の午後に編成しました。

――トータス松本さんのトークは、非常に面白いですよね!

岩尾:番組が始まって半年が経ちまして、非常に大きな反響をいただいています。関西弁で話し、ラジオを愛していて、ラジオの面白さも分かっているトータスさんならではの番組です。

――幅広い人気……といえば、近藤真彦さんの番組『COME ON! ROCKIN' ROAD』も放送されていますね。近藤さんの飾らないトークと素敵な選曲が人気で、こちらの番組もFM COCOLOでしか聴くことができません。ほかにも『RADIO SHANGRI-LA』、『おとといラジオ』など、音楽ファンにはたまらない番組が揃っていますね。

岩尾:『RADIO SHANGRI-LA』は立川直樹さ(※3) と森永博志さん(※4) の経験と知識を裏付ける選曲とトークをお届けしています。知的好奇心を引き出してくれて、リスナーに好評です。

『おとといラジオ』のDJの森田恭子さん(※5) も、長年、音楽ライターとして日本のミュージックシーンと向き合ってきた彼女だから可能な深掘りの番組作りをしています。ぜひ、聴いてみてください。

――貴重なお話ありがとうございました。

(※1)1991年からFM802に、2010年からFM COCOLOに登場。さまざまなゲストが登場する『MARK'E MUSIC MODE』は、梅田タワースタジオ(タワーレコード梅田大阪マルビル店内)から公開生放送。

(※2)1989年から98年まで、22時から24時に放送された。長い歴史の中で、吉田美和、谷村有美、草野マサムネ(スピッツ)、槇原敬之、桜井和寿(Mr.Children)など、錚々たるメンバーがDJを務めた。

(※3)(グループサウンズシーンでのプレイヤー、ロックバー経営、舞台美術制作、ロック評論家などさまざまな職業を経て)70年代の始まりからメディアの交流をテーマに音楽、映画、美術、舞台など幅広いジャンルで活躍するプロデューサー、ディレクター。

(※4)(エディター。 音楽雑誌、文芸誌、ストリート・マガジン編集長。創刊当時の「POPEYE」「月刊PLAYBOY」「BRUTUS」で特集記事を担当していた編集者としても知られる。

(※5)(音楽ライター。現在は音楽カルチャー誌「LuckyRaccoon」の編集・発行を行なっている。

「平安神宮月夜の宴 ROOTS66 京の二人会 斉藤和義×立川談春」のライブレポート記事はこちら

岩尾さんがオススメする番組情報 

■番組名:『おとといラジオ』
■放送日時:毎週火曜日 21時〜22時
■DJ:森田 恭子
■番組サイト: https://cocolo.jp/service/homepage/index/2210/

■番組名:『Got You OSAKA』
■放送日時:毎週日曜日 14時〜16時
■DJ:トータス松本
■番組サイト: https://cocolo.jp/service/homepage/index/7140

■番組名:『RADIO SHANGRI-LA』
■放送日時:毎週日曜日 16時〜17時
■DJ:立川 直樹 /森永 博志
■番組サイト: https://cocolo.jp/service/homepage/index/7160

■番組名:『COME ON! ROCKIN' ROAD』
■放送日時:毎週日曜日 17時〜18時
■DJ:近藤 真彦 /ちわきまゆみ
■番組サイト: https://cocolo.jp/service/homepage/index/7170

出演者プロフィール

岩尾 知明(いわお としあき)

広告代理店で5年間の営業職勤務を経て、平成7年(1995年)に株式会社FM802へ転職。
20年間にわたり、編成・事業部門を担当。
平成27年(2015年)よりFM COCOLOの編成部長を担い、現在はFM COCOLOおよびFM802の番組、事業部門を統括。平成30年(2018年)5月より、株式会社FM802取締役。

インタビュー

やきそばかおる

小学5年生以来のラジオっ子。ライター・構成作家・コラムニスト。

「BRUTUS」「ケトル」などのラジオ特集の構成・インタビュー・執筆を担当するほか、radiko.jp、シナプス「 I LOVE RADIO」(ビデオリサーチ社)/ J-WAVEコラム「やきそばかおるのEar!Ear!Ear!」/otoCoto「ラジオのかくし味」/水道橋博士のメルマ旬報など連載や、番組出演を通じて、ラジオ番組の楽しさを発信。

ラジコプレミアムを駆使しながら、全国のユニークな番組を紹介するツイキャス番組「ラジオ情報センター」(水曜21時〜22時)も放送。全てを合わせると、年間でのべ800本のラジオ番組を紹介している。

Twitter:@yakisoba_kaoru

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いよいよ今夜コスタリカ戦! 了戒美子 現地カタールより直前レポート

 

 ドイツ戦勝利で日本中が盛り上がってきたFIFAワールドカップカタール大会。日本の第2戦コスタリカ戦は日本時間今夜午後7時から。日本が勝って、スペインドイツ戦の結果次第で決勝トーナメント進出が決まります。

 文化放送では大会期間中、現地カタールで取材するドイツ在住のサッカージャーナリスト了戒美子さんが随時レポート。

 今回は日本に敗戦したドイツ、対戦相手のコスタリカ、そして日本の試合前日記者会見の様子です。

 

 

第2戦コスタリカ戦がまもなくです。初戦でスペインに0-7で敗れているコスタリカですが、W杯北中米カリブ予選を4位ではありますがストレートで勝ち抜け3大会連続でW杯に出場する国ですから決して侮って良い相手ではありません。ただ、1次リーグ最終戦にスペイン戦が控えていることを考えるとやはり勝っておきたいことに間違いはありません。

 

ところで、試合前日というのは「前日記者会見」というものが行われます。各国監督と選手1名以上の登壇がFIFA義務付けられており、30分という枠が設けられています。監督と選手は同時に登壇してもよいし、順番に15分ずつなどでも良いことになっています。初戦で日本に負けたドイツはこの前日会見に選手を登壇させず、フリック監督一人のみで会見を行うといういわば奇行にでました。ドイツの練習場は会見場から100キロほど離れており、選手のコンディションを考えてのことだそう。とはいえ、今大会で試合前日会見をここの会見場で行うということはかなり早い段階から決まっており、どこの国もしっかり義務を果たしていることを考えるとドイツの行動は批判されても仕方ありません。FIFAから何らかの、おそらくは金銭的な、制裁が降ることは間違い無いですがドイツの主要スポーツ雑誌であるキッカー誌(名前はキッカーですがサッカー専門誌ではないのです)では「あまりにも無礼だ」と、対外的な影響の面から批判しています。ドイツ人といえば、生真面目で時間やルールにきちんとした人たちという印象がありますが、こんなこともするのだと現地在住の私ですら思いました。それだけスペイン戦に必死なのでしょうけど、ちょっと行きすぎかなと思います。

 

 

当然ではありますが日本も会見を行いました。初戦前日は森保一監督と吉田麻也主将、この日のコスタリカ戦前日会見は監督と遠藤航選手が登壇しました。会見は良い雰囲気で穏やかそのもの、穏やか過ぎてやや眠気を誘われてしまいました(申し訳ございません)。

 

森保監督は会見で「明日のベスト(メンバーで)と考えている。1試合目の疲労も考えて組みたい」と話しました。言葉だけ見ると少しわかりにくいですが、要するにメンバーの入れ替えを行う可能性が高い、という意味です。サッカーでは通常、勝った試合の後は極力メンバーを変更しないものです。森保監督も昨年の東京五輪を見てもわかる通り信頼している選手はほとんど変更しません。ですが今回は、酒井宏樹選手が「現実的には難しい」と話しており、冨安健洋選手も「出るかもしれないし出ないかもしれない」とすっきりしません。すっきりしない場合は「出ない、出られない」と解釈して構わないでしょう。出られるのであれば「頑張りたい」などと話すものです。

この守備の実力者二人が不在と考えて先発を予想すると、GK権田、DF右から山根視来、板倉滉、吉田、長友佑都、中盤に遠藤、守田英正、鎌田大地、前線に右から伊東純也、上田綺世、久保健英となるのではないでしょうか。システムは4-2-3-1か4-3-3、どちらでも対応できるメンバーです。試合中に展開次第で3バックに変える可能性はありますが、立ち上がりは4バックでしょう。最終ラインでは長友を右SBにまわし、左に伊藤洋輝という考え方もあります。ただ伊藤は所属チームでは3バックの左でプレーしておりサイドバックとしては6月にテストもしましたが、少し難しそう。中盤には攻撃的なロングパスを得意とする柴崎岳も可能性がありますが、守田を試しておきたいでしょう。前線は好調!堂安律選手をという考え方もできますが、途中からでもいけるでしょう。また、前線中央にはドイツ戦の前田大然の出来不出来の問題ではなく、プレスをかけるタイプよりはボールを収めるタイプのほうがよさそうです。コスタリカは、スペイン戦では4-4-2で最終ラインと中盤は守備的に引いてきました。ですが時間とともに攻めざるを得なくなるはずですから、タイミングを見逃さず攻撃しなくてはなりません。守備的な相手を苦手とする日本ですが、どうにかこじ開け、逆にカウンターを警戒して勝ち点3を手に入れたいところです。

 

前日記者会見ですが、もちろんコスタリカも行いました。こちらは、ケンケンガクガクと言いますが、記者たちからルイス・フェルナンド・スアレス監督とジョエル・キャンベル選手は袋叩き状態。なぜスペインにあんな負け方をしたのか、次の試合は勝てるのかと。興奮気味のキャンベル選手は「勝てるかどうかは先の話なのでしたくない。ベストを尽くす。日本だってそうだろう」と強い口調で返していました。なかなか激しくて面白い記者会見でした。

 

日本としては、一番良いのはスペイン戦の前に決着をつけることで、その次にドイツがスペインを下したとしても勝ち点6同士で突破争いの第3戦を戦うこと。コスタリカ戦は気の抜けない戦いになりそうです。

 

 

 

Text&Photo

了戒美子 Yoshiko Ryokai

映像制作会社勤務からサッカー取材を開始。五輪は2008年北京五輪、W杯は2010南ア大会から現地で取材。2011年からドイツに拠点を移し、ブンデスリーグ、ヨーロッパで活躍する日本人選手を精力的に取材し、雑誌、新聞、WEB、ラジオなど媒体を問わず活躍中。

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