【ラジオな人】熊本地震の第一報と、放送現場のリアル エフエム熊本(FMK)編成技術部・池上大介さんが語る

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エフエム熊本、通称「FMK」では、FMラジオが大事にしてきた音楽番組と、エンターテイメント性の強い番組が、バランス良く放送されています。そこで、編成技術部主任の池上大介さんに、局全体のことや担当されている番組のこと、2016年の熊本地震当時のようすについて、詳しく伺ってきました。

――現在、池上さんが担当されている番組を教えてください。

FMK パンゲア!』(月~木 11:30~14:34)、『千客万来!「安井笑店」』(月 15:30~15:55)、『ディアライフグループ presents CANDY POP』(金 15:00~15:20)などですね。

――『FMK パンゲア!』の番組作りには、どこまで携わっているのですか?

現番組プロデューサーとして、生放送中の作業というよりは、営業案件、放送内容の大筋の決定が主です。メッセージテーマ決めなどはみんなでやるのですが、それを前の週とかに皆さんに連絡して、放送中に不測の事態が起きたら対応しています。

――他に、自社制作の生番組はありますか?

月曜から木曜日の朝は『FMK Morning Glory』(月~木 7:30~10:34)。昼が『FMK パンゲア!』で夕方が『FMK RADIO BUSTERS』(月~木 16:00~18:55)。金曜日が朝は『FMK charmy×2 』(7:30~10:29)、昼が『FMK BEAT MAX』(12:00~14:34)、夕方が『FMK Feel the Voice』(16:00~18:55)の6つが大きなところですね。

――「パンゲア!」の前に担当した番組は?

僕は、入社してから8年間は営業だったんです。5年前に制作に異動してきたので、『パンゲア!』がメインですね。2007年4年から始まった番組なので、今年で12年目です。

――オンエアを聴いて、リスナーの参加率がとても高いなと感じました。

『パンゲア!』も毎日出演者が違うので、テイストも少し違うんですね。特に水曜日は参加率が高いです。担当の黒木よしひろさんが、『お昼もGAMADAS』(※1)という帯番組の担当だったので、黒木さんのファンが多いのでしょうね。黒木さんは、FMKの看板パーソナリティの1人で、他にも『パンゲア!』でいうと、月曜日のMEGさんと英太郎さんも、とても人気のあるコンビです(※2)。あと、夕方の番組でいうと、かなぶんや(※3)さんですね。「ザ・ラジオDJ」という感じの方で、うちでしゃべってもらえてありがたいです。

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――なるほど。営業と制作では、全く違ったお仕事になりそうですね。 

僕は現場の人たちに比べると年も若いし、元々は営業畑だったので、いきなり制作に来て「プロデューサーです」といっても、かなわないですよね(笑)。だから、コミュニケーションを取りながら、円滑に番組を放送するのが仕事だと思っていて。うまくいえないのですが、「皆さんが作って育ててきた番組の担当になります。一緒に良くしていきましょう」といったスタンスでいます。

営業をやっていたときは、スポンサーから「この番組にこの情報を入れてくれ」とオーダーがあって、制作の人から「入らない」といわれたときに、「何で入らないんだろう?曲を削ればいいじゃん」とか、「トークを削ればいいじゃん」とか思っていました。でも、制作に来てみてわかるのが、無理に要求に応えると、番組のバランスが崩れて面白くなくなってしまうんです。すると、番組自体が聴かれなくなって、本末転倒なのかなと考えるようになりました。とはいえ民放なので、何らかのかたちで対応するのですが(笑)。

――営業の経験が役立っていますね。

営業のときは、「お金を稼がなきゃいけない」と思っていたんです。もちろん今もお金は稼がなければいけないのですが、良い番組を作らなきゃいけないとか、「FMK」というラジオ局のブランドを、ラジオを聴かない人たちにどうアピールしていくのかとか、考えていかなければと思っていて。

それはラジオの中だけでやっても仕方ないでしょうから、例えば不定期でライブハウスと組んで、ライブイベントをやらせてもらっています。放送とはまた別に来て頂いて、「FMKってこういう音楽イベントもやっているんだ」というところから知ってもらうのも、大事なのかなと思っていますね。

――今までライブに出たミュージシャンには、どんな方がいますか?

fumikaさんや関取花さん、中村千尋さん、浜端ヨウヘイさんとか、MOSHIMOとかですね。熊本出身のミュージシャンでいうとWANIMA、あとはBLUE ENCOUNTや、忘れらんねえよ、KEYTALKにも熊本出身のメンバーがいます。4年前、FMKが30周年を記念して「HI-GO MANIA」(※4)というライブイベントをやったときに、出てくれたりしました。

ブースには天井までずらりとCDが並んでいる ©radiko news

災害の記憶を風化させないために

――この取材の前に熊本城へ行ってきたのですが、2016年の熊本地震で壊れた箇所が、まだ全然直っていないことに愕然としました。

何百か所と壊れていますから。今はまず本丸を直そうとしていますね。

――地震のときは、FMKさんの周辺も揺れたわけですよね?

相当揺れました。前震といわれている地震が、2016年4月14日、木曜日の夜に起きたんですよね。9時26分だったのですが、ちょうど僕が1人でこのフロアにいたんですよ。「そろそろ帰ろうかな」と思っていたらガタガタガタと揺れて、「ものすごく揺れている」と思ったらアラートが鳴りだして、そこから災害報道態勢に入りました。

――第一報は、池上さんが入れたのですか?

はい。速報を入れる機会はそうそうないので、かなり動揺しました。FMKでの最初の速報は僕が入れて、それからは他の社員も出社してきて、東京(※5)も夜通し特番態勢を組んでくれたので、電話で中継を入れて……余震もずっとあったので、速報も入れ続けていました。
翌日の朝方、県庁の災害対策本部に行って、そこからはずっと状況をリポートしていましたね。前震のときは局としても対応できたのですが、本震(※6)からが……。

――といいますと…?

前震の直後から、みんな徹夜で作業してたので、全員が疲れ果てていたんです。丸1日が経ったし、土・日になるので(※7)、「いったん帰ろう。また明日、朝から出てきて対策を考えよう」と、金曜日の深夜に災害報道態勢を解除しました。その後に……。

――あんな大きな地震の後に、さらに大きな地震が来るとは誰も思わないですからね。

東京が特番を組んでくれたのは助かりましたね。その後はうちも、1~2週間ぐらいは交代で夜勤をして。もちろん夜中も揺れるので、速報を入れていました。

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――2018年は大阪北部地震に西日本豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震、台風25号と、自然災害の多い年でした。

西日本豪雨の前の日が、福岡の北部豪雨(※8)から1年の日だったんですよ。たまたま僕は福岡に出張していたのですが、ものすごく雨が降っていて。地元の放送が気になってラジコで聴いていたら、「雨に注意してください。福岡の豪雨から1年ですね」という話をしていました。

その後、川の被害とか、交通の被害が出て、翌日は広島・岡山・愛媛で大きな被害が出ます。熊本地震も東日本大震災も含め、語って風化させないことが大事なんだなとつくづく感じました。どこか、過去のものや被害が少なかったものから、風化している気がしています。

 

【脚注】

(※1)1997年4月にスタートした昼ワイド番組。月~木曜日のパーソナリティを黒木よしひろが担当
(※2)
パンゲアのパーソナリティは、月曜がMEG&英太郎、火曜がマッキー&中華首藤、水曜が黒木よしひろ&松田結花、木曜が永松ケンシ&樫山結
(※3)
FMK開局の頃から番組を持っているパーソナリティ・タレント。熊本のテレビ、ラジオで活躍中
(※4)
公式イベントページ http://fmk.fm/30th/higomania/
(※5)
ジャパンエフエムネットワーク(通称JFNC)が災害特番を制作していた
(※6)
2016年4月16日、土曜日の1:25に発生。金曜日から日が替わってすぐだった
(※7)
JFN(ネットワークの名前。JFNCとは別)加盟局は、土曜・日曜は東京から送られてくる番組をネットしているため、自社制作番組が少ない。結果、局にいる人も少なくなる
(※8)
平成29年7月九州北部豪雨のこと。福岡県と大分県で死者37人、行方不明者41人

yamaがZIP-FM『SWEET VOX』に登場!『くびったけ』レコーディング秘話を語る

ZIP-FMが平日のお昼にお届けしている『SWEET VOX』(毎週月曜から木曜、14時~17時放送)。8月17日(水)の放送では、ゲストにyamaをお迎えしました。2020年4月にリリースした「春を告げる」が大ヒット!しかし、プライベートは謎に包まれたyamaに、番組ナビゲーターの高木マーガレットがインタビュー。

この日の番組テーマ『山派?海派?』という質問には「山派!」と即答。この夏、アルバムリリースの祈願も込めて、富士登山を計画しているそうです。

さらに、先月より配信されている『』のレコーディング裏話も披露。同楽曲のプロデューサーVaundy独特の語尾で下がる"フォール"に苦労したとのこと。カラオケでなりきって"フォール"するには?という質問にも快く回答。レコーディングでディレクションもしてくれたVaundyから様々なことを吸収できたと話してくれました。

また、8/31リリースのアルバム『Versus the night』に収録される『それでもぼくは』について、自身が初めて作詞作曲をした楽曲で、自信がなかったが、つたないけど自分の言葉を表現する等身大を意識した楽曲と語りました。

素顔を明かさないyamaですが、真摯な受け答えに人柄が垣間見え、アルバムがますます楽しみになったインタビューでした。

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