ラジオ界の”レジェンド”が活躍しているラジオ番組【前編】

ラジオには「この番組(ラジオ局)に、この人あり! 」と言いたくなるほど、長く愛され続けているパーソナリティーがいます。今回は、そんな”レジェンド”達を前編、後編に分けてご紹介します。

伊奈かっぺいさん

RAB青森放送『伊奈かっぺい・旅の空うわの空』毎週月曜日 19時〜20時30分
RAB青森放送『伊奈かっぺい ことわざのわざ』毎週土曜日 12時30分〜13時 (※ABS秋田放送、MROラジオでも放送)

シンガーソングライターやエッセイスト、方言詩人など、青森を中心にマルチに活躍している伊奈かっペいさんが森羅万象を語ります。

放送回数は既に1000回超え。番組後半は若手の長澤瑠璃子アナウンサーが登場し、最近の話題をかっぺいさんに話すのですが、人生経験豊富なかっぺいさんならではの本音が飛び出すことも。

『伊奈かっペい ことわざのわざ』では、「なるほど!」と目からウロコの話が満載!

かっぺいさんは2017年10月7日にはレコードデビュー40周年を記念して、『腹這いのララバイ ~40年目の落書き~』を発売。なんと、企画・構成・演出・出演・詩・詞・絵・文字など、全てかっぺいさんが担当しています。

久米宏さん

TBSラジオ『久米宏 ラジオなんですけど』毎週土曜日 13時〜14時55分

久米さんは、TBSの局アナ時代から『永六輔の土曜ワイドラジオTokyo』の中継レポーターや『土曜ワイドラジオTOKYO』などのパーソナリティを務めていました。

テレビ朝日「ニュースステーション」を終えた後、2006年に『久米宏 ラジオなんですけど』がスタート。番組開始当初は、同じ時間帯で文化放送『みのもんたのウィークエンドをつかまえろ』やニッポン放送『小倉智昭のラジオサーキット』など、大物アナウンサーの番組がひしめく中で放送していました。

リスナー参加のユニークな試みも行われ、中でも印象的なのが「あなたもラジオドラマをやってみませんか」という企画。2011年に放送された「スーパークールビズドラマ・番町皿屋敷」では、出演希望のリスナー6人に事前に台本を送り、当日決まった1名を含めて7名で、ぶっつけ生放送でドラマが作られました。また、8月12日(土)の放送では「お盆リスナー中継 ~ 帰省先から、行楽先から、今の様子をレポートしてください」ということで、帰省先や行楽先のリスナーの方々が、現地の様子を実況中継する企画が行われました。

大沢悠里さん

TBSラジオ『大沢悠里のゆうゆうワイド 土曜日版』毎週土曜日 15時〜16時50分

1986年4月7日にスタートした『大沢悠里のゆうゆうワイド』。放送30周年を迎えた2016年4月で幕を閉じることが告げられると、なんらかの形で続けて欲しいという手紙が多数届いたそうで、前身の番組が終了してすぐに「土曜日版」としてスタートしました。

終戦記念日には、秋山ちえ子さん(ジャーナリスト・評論家)による、童話「かわいそうなぞう」の朗読を放送していましたが、秋山さん亡き今も「かわいそうなぞう」の朗読は放送されています。

余談なのですが、番組のオリジナルグッズとして番組のロゴが印刷されたハガキがあり、このハガキを使ってNHK『今夜は生でさだまさし』に投稿するリスナーもいて、たまに画面にロゴが映ることがあります。

美輪明宏さん

TBSラジオ『美輪明宏・薔薇色の日曜日』毎週日曜日 『笹川友里  プレシャスサンデー』内で7時2分〜7時12分頃 (※ほか各地で放送)

近況や懐かしい話、健康の秘訣、心に響く名曲のほか、「仕事ができる人とできない人の違いは?」「新生活を楽しく過ごす方法は?」といった、リスナーからの質問にもお答えしています。さらに「ポケットモンスター」との意外な関係から、戦前、故郷長崎で食べた思い出のカレーまで、思わず聞き入ってしまうエピソードも。

吉永小百合さん

TBSラジオ『今晩は 吉永小百合です』毎週日曜日 22時30分〜23時 (※ほか各地で放送)

テーマにまつわる話や、ご自身が出演している映画の撮影秘話まで、吉永さんのお話がじっくりと楽しめる番組。特に映画の撮影秘話は、「よくぞ覚えてらっしゃる」と思ってしまうほど、エピソードを細かく、楽しく話されます。熱心なファンが多く、以前に東京で公開収録が行われた時は沖縄から駆けつけた人もいました。

大竹まことさん

文化放送『大竹まこと ゴールデンラジオ』月曜日〜金曜日 13時〜15時30分

文化放送の平日お昼の顔こと大竹まことさんは、前身の番組『大竹まこと 少年ラジオ』から文化放送に出続けて13年です。

大竹さんの魅力は、オープニングトークで政治・経済に対して怒ったかと思えば、過去の史実や市井の人々の体験談を大竹さんが紹介する「大竹発見伝〜ザ・ゴールデンヒストリー」では聴く人を感動させ、ゲストコーナー「大竹メインディッシュ」では相手から楽しい話を引き出し、はたまた「大竹紳士交遊録」ではきたろうさん(水曜)、みうらじゅんさん(木曜 不定期)らと(良い意味で)役に立たない話を繰り広げる幅の広さ。喜怒哀楽の詰まった150分です。

クリス・ペプラーさん

J-WAVE『SAISON CARD TOKIO HOT 100』毎週日曜日 13時〜16時54分

今年の7月2日(日)の放送で1500回を迎えた『SAISON CARD TOKIO HOT 100』。J-WAVEが開局した1988年10月にスタートして以来、クリス・ペプラーさんがお届けしています。

現在59歳のクリスさんは、今回ご紹介するレジェンドの中では”若手”です。以前、インタビューで「ラジオは懐かしくて良い」と言われがちなことについて「僕は、ラジオは人の興味にもっと密着して、常に攻めていくべきだと思っています。だから『TOKIO HOT 100』は、リスナーの皆さんへの感謝の気持ちを忘れずに、これからも時代と共に進化していきますよ」と話していました。今後の展開も楽しみですね!

ちなみにオープニングでは、ジェームス・ブラウンさんが番組にゲスト出演した時にサンプリングした貴重な声が使われています。

 

——続きは後編で!

この記事を書いた人

YMgrdfKa
やきそばかおる
子どもの頃からのラジオっ子。
「ケトル」「BRUTUS」等ラジオ特集を担当。
ライター・構成作家・動物園愛好家。好きな食べ物は、焼きそば。
ツイッター @yakisoba_kaoru

北海道のど真ん中「新得町」 元テレビADが「第二の故郷にしたい」と語る魅力

それぞれの朝はそれぞれの物語を連れてやってきます。

渡辺晴喜さんの仕事風景(©新得町)

3月14日、東京新聞の朝刊にこんな一面広告が出ていました。「新得町を盛り上げるために“あなたの力”をお貸しください」……地域や住民支援のために活動を行う「地域おこし協力隊」の広告です。

地図で新得町を探すと、まさに北海道のど真ん中にあります。5500人ほどの人口に対し、牛の数は約3万6000頭。「そばのまち」でも知られ、9月の新そば祭りには約2万人が押し寄せます。

町の面積の9割が森林であり、森を育む水が豊富です。町内には6つのダムがあって、7つの水力発電所が稼働。新得町から生み出される電力は、何と約19万世帯分。また「スポーツ合宿のまち」でもあり、陸上競技場などのスポーツ施設をはじめ、大自然を生かした乗馬やラフティング、リゾート施設や温泉施設も充実しています。

ラフティング(©新得町)

東京から「とかち帯広空港」まで、飛行機で約1時間半。帯広からJRで約30分。高速道路なら帯広から約1時間。JR新得駅には1日22本、特急が全便停車するほどアクセスがいいので、多くのスキーヤーから新得町の「サホロリゾート」が注目され、特に外国人スキー客が押し寄せるほど人気のリゾート地になっています。

まさに新しく得るものがいっぱいの「新得町」ですが、この町も悩ましい問題を抱えています。それは人口減少や少子高齢化……その打開策として、いま大きなプロジェクトを進める新得町に去年(2023年)8月、「地域おこし協力隊」の若き隊員が赴任しました。

駅前現況(空撮) ©新得町

渡辺晴喜さんは、福島県出身の26歳。子どものころから「サラリーマンになるより起業したい」という夢を持っていました。東京の大学に進んで経営学を学びますが、就職活動に悩み、どうにか入った会社も半年で辞めてしまいました。

その後、YouTubeなどの動画撮影や編集が得意だった渡辺さんは、映像に興味があったのでテレビ制作会社に就職。ADとして人気バラエティ番組の制作に携わります。しかし、テレビADの仕事は想像以上に過酷でした。

「3日も寝ずに仕事したり、1週間ほど家に帰れなかったり、それが当たり前の世界でしたね。いまとなってはいい思い出ですが」と笑います。その番組で「人気の移住地ランキング」を取材したとき、渡辺さんは「地域おこし協力隊」の存在を知りました。

「地方に暮らしている人がイキイキして見えたんです。僕も田舎出身なので、自然に触れ合いながら生活してみたいと思って……」

新得駅前(©新得町)

去年1月に渡辺さんは制作会社を退職し、実家のある福島に戻って「何か始めよう」と考えますが、周囲からいろいろと言われて、何だか居心地がよくない。そんなとき、北海道に移住していた友人から「うちの町で協力隊を募集しているから、新得町へ来なよ」と誘われます。初めて聞く町の名前でしたが、逆に「第二の人生を知らない土地に賭けてみたい」と、地域おこし協力隊に応募。採用が決まって去年8月、車に家財道具を乗せて北海道を目指しました。

地元・福島から新潟へ。新潟からフェリーで小樽に上陸します。千歳から釧路へ続く「道東自動車道」に乗ると、どこまでも永遠と続く一本道が東へ東へと伸びていました。そして北に「大雪山」、南に「日高山脈」の雄大な山並みが見えてきます。峠を越えると、圧巻だったのはドドーンと広がる十勝平野でした。その雄大さに、ハンドルを握りながら渡辺さんは思わず叫んだそうです。

「北海道って広いなー、でっかいなー!」

サホロリゾート(©新得町)

十勝平野の西の玄関口に、新得町はあります。新得町に赴任した渡辺さんは現在「まちづくり事業推進員」として、町の顔とも言える新得駅の「駅前の整備活性化事業」に関わっています。来年(2025年)には「複合商業施設」が、2026年には「宿泊・温浴施設」が開業する予定です。

「大きなプロジェクトなので、住民の意見もよく聞いて、地元からも喜ばれる施設をつくることの難しさを感じますね」

「地域おこし協力隊」の任期は3年ですが、その後の渡辺さんの気持ちは決まっていると言います。

「新得町に来て、ここの人たちの優しさに癒される生活を送っています。いままでの経験を活かし、人が集まり笑顔があふれるような魅力的な町づくりを、これからもしていきたいんです。僕にとって新得町は第二の人生のスタート地点。そして新しい故郷にしていきたいですね」

新得駅前(©新得町)

■新得町ホームページ
https://www.shintoku-town.jp

■新得町「地域おこし協力隊」問い合わせ先
https://www.shintoku-town.jp/miryoku/chiikiokoshi/

■新得町観光協会
https://shintoku-town.net

■総務省「地域おこし協力隊」
https://www.chiikiokoshitai.jp/about/

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