黒木渚初めての青春×音楽小説は「青春の落とし前」

渡辺麻耶が木曜日のDJを担当するFM FUJIの番組『Bumpy』(毎週月曜~木曜、13:00~18:50)。毎週木曜日の午後4時台はアーティストゲストを迎えていますが、6月30日のオンエアに音楽家・小説家の黒木渚さんが登場。新作の小説「予測不能の1秒先も濁流みたいに愛してる」と新曲「さかさまの雨」について語りました。

麻耶:今回の本が初めての音楽と青春の長編小説ということで、私、今回このゲスト出演していただくのが決まる前に「この小説めちゃくちゃいいから」って言って、友達から借りて全部読んでて。「話を聞いてみたいな」と思ってたので、すごいいいタイミングで。「音楽と青春」ってテーマを初めて書いたっていうのは何か自分の中でイメージがあったんですか? 

黒木:実は私、音楽家をやってるくせに、「小説に音楽を書こう」って思いつかなかったんですよ。あまりにも音楽が近いものすぎて。担当編集の方に「黒木さんって実は音楽のはなし一回も書いたことないよね」っていうことを言われて、「確かに」って思って。プラス、「黒木さんにきちんと青い小説を書いてもらいたい」って依頼があって。「きちんと青い」って言われたら、「たしかにまあ『青春の落とし前』みたいなものを今36歳の女として一度つけておくべきかな」ということで、「よし、じゃあ青春×音楽だ」っていうことで初めて書きました。 

麻耶:「青春の落とし前」ってめちゃくちゃいい言葉ですね。 

黒木:いま落とし前つけとかないと、このあと一生、青春を書き続けることにきっとなるんでしょうけど、やっぱり早いうちに落とし前つけておかないとちょっと難しくなるのかな?と。 

麻耶:この作品、もちろん青春が詰まってるんですけど、その青春の中で、人間の渦巻くような感情だったりとか、いろんな心模様っていうのも、ぐっと詰まっていますよね。 

黒木:確かに「イケてる青春生活」っていうのは、無縁の人生だったので……。でも大半のかたが「イケてない青春」を送ってると思ってて、そういう面では共感していただけるのかなと。 

麻耶:そうですよ(笑)それこそ「落とし前」つけ忘れてたんで私。 

黒木:そうですか?(笑) 

麻耶:(笑)全く私の感情の中に忘れてた、なかった、人を最初にこんなに好きになって、何を見ても何を聞いても感受性が豊かになってたっていうのを思い出したり。 

黒木:十代の初恋とか初めてのお付き合いってちょっと狂気をはらんでますよね。 

麻耶:わかるわー!(笑) 

黒木:やっぱ愛情の加減が分かんないですよね。 

麻耶:「すべて全力」じゃないですけど。 

黒木:「常に視界の中に入れときたい」みたいな。けっこうギリギリのラインで、みんな初恋ってやってるんじゃないかなって思いますね。 

麻耶:一部として欲しいみたいな。 

黒木:収集癖というか。 

麻耶:その中でも、負の感情の部分だったりとか、「不幸だ」とか「辛い」って思った時に、学生時代とかって、「いやいや。だけど、もっと大人は我慢してる」って言われたりとか、大人になったら大人になったで「いやいや、もっと大変な人いるし」って言われたりとかしたけど、今回、小説の中で「絶対的な自分の感覚で不幸だ」っていうワードが出てきて「本当そう!」と思って。 

黒木:本当に未だにちょっと思ってますけど、「お前より辛いやつたくさんいる」っていう慰めって何の慰めにもなってないっていう。 

麻耶:そうなの!(笑)だからこそ、この主人公のように、自分なりに、経験を重ねて、感じて、周りを見てって、そこで乗り越えたりとか、「新しい光を感じる」っていうのがすごく大事なんじゃないかなって思わせてくれますよね。 

黒木:そうだと思います。 

麻耶:そして音楽が今回、小説の中に入っていて、例えばスポットライト浴びた感覚とか、こういうのって黒木さんの経験が生かされてるんですか? 

黒木:そうですね。スポットライトの光を追いかけて走って行くっていう感覚は私の経験をそのまま使って書いてます。 

麻耶:そうなんですね。 

黒木:小さい時って、大人に「将来何になりたいの?」って聞かれると、大人の望んでいることを答えがちな子供だったんですよ。例えば「弁護士になりたい」とか、「お医者さんになりたい」みたいな。「ああ、優秀だね」って褒められるようなことを答えちゃってたんですけど。実はその時、私はなぜか、ぼんやりと、うすぼんやりと、光のビジョンを見ていたっていう。なんか不思議な……。そしていま私が音楽家になって初めてあの光の正体が「ああ、スポットライトだったのか」って。私は渋谷公会堂で初めてワンマンライブをしたときにそれに気づきました。 

麻耶:だからでしょうね。読んでいて、スポットライトを私はステージで浴びたことはないけれども、その明るさの感覚っていうのが伝わってくるっていう。あと、曲のことに関しても、“すべてが材料になって音楽になっていく”みたいなことも描かれていて、その辺りも黒木さん自身なのかなー、なんて思ったんですが。 

黒木:そうですね。最初は、自分の溢れ出しちゃうところを音楽に変えてストレスを発散してる、みたいなところから始まったんですけど。今では作るために生きているので、日々ネタ集めをしている感覚だから、不幸にすごく強いんですよ。そこに開き直るまでの感覚って、本作に込められているような手順を踏んで、開き直りの最強クリエイターになるっていう。「儲かった儲かった」って不幸を集めてるような。 

黒木渚さんは、7月8日(金)に東京国際フォーラム ホールCで『黒木渚 ONEMAN LIVE 2022『予測不能の1秒先も濁流みたいに愛してる』〜100周年記念ワンマン〜』を開催します。番組では、新曲「さかさまの雨」についてや、ライブについてのお話も伺いました。radikoのタイムフリーでぜひチェックしてみてください。

黒木渚 ONEMAN LIVE 2022「予測不能の1秒先も濁流みたいに愛してる」〜100周年記念ワンマン〜

Bumpy
放送局:FM FUJI
放送日時:毎週月曜~木曜 13時00分~18時50分
出演者:鈴木ダイ(月)、上野智子(火)、石井てる美(水)、渡辺麻耶(木)
番組ホームページ
公式Twitter

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横浜ファン・森永卓郎「私の主治医もベイスターズファン」 垣花正「希望の星は石上!」

プロ野球の開幕にあたり、森永卓郎さんと垣花正アナウンサーが、横浜DeNAベイスターズファンへの応援メッセージを寄せた。

森永卓郎、垣花正

各チームのファンが期待に胸を膨らませる春。ニッポン放送のショウアップナイター応援団“チーム・ショウアップ”の高田文夫さん、三宅裕司さん、森永卓郎さん&垣花正アナウンサー、ナイツ塙さん、春風亭一之輔さんから、今シーズンにかける意気込み、応援メッセージが寄せられました。

今回は、ニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー」出演中で、横浜DeNAベイスターズファンの、森永卓郎さんと垣花正アナウンサーからのメッセージをご紹介。

<横浜DeNAベイスターズファン 森永卓郎さん&垣花正アナウンサー>

森永:今年のベイスターズは、今永が抜けてしまいましたが、希望の星はあります。一番は、ドラフト1位の度会。私の主治医もベイスターズファンで、この間、度会のタオルをくれました。本当はユニフォームの方が良かったですけど。でも、その度会だけではないという重要な情報を、カッキーから聞きました。

垣花:石上!

森永:ドラフト4位の内野手です。オープン戦の打率が高く、HRも出ています。

垣花:足も速い。

森永:攻撃面は大丈夫ですが、心配なのがピッチャー陣。今、放浪の旅に出ているバウアーがどこに行くのかよく分からない。

垣花:バウアーは、本命がメジャー復帰で、完全にベイスターズを2番手扱いしてるんです。

森永:今年のベイスターズは都合の良い存在です。

垣花:それでも我々は構わない。

森永:バウアー、カムバーーック!!!

(2024年3月上旬時点)

 

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