山梨県の「第8波」への対策と後遺症に関する調査結果は

渡辺麻耶が木曜日のDJを担当するFM FUJIの番組『Bumpy』(毎週月曜~木曜、13:00~18:50)内のコーナー「CLOSE UP TODAY」(毎週木曜、17:35~)。12月2日のオンエアにフリージャーナリストの松田宗弘さんが出演し、新型コロナウイルスの感染拡大にともなう、山梨県の対応策について解説しました。

インフルエンザと同時流行…「第8波」の対応策

松田:今日のテーマは、第8波ともいわれる新型コロナウイルスの感染拡大にともなう、県の対応策と、「感染後の後遺症」について県が行った調査結果についてお話しします。

麻耶:全国的にインフルエンザとの同時流行も言われており、いつも以上に注意が必要と思われます。県の対応を教えてください。

松田:11月中旬から全国の新規感染者数が10万人前後となり、昨日11月30日の県内の新規感染者数は2日連続で1000人を超えました。「第8波」と見られていて、11月14日の長崎知事の会見では、「インフルとの同時流行への検査・療養の対応策」が発表されました。まず、会見の冒頭、知事は「増加傾向が顕著」とした上で、コロナ対策で県の認証を受けた飲食店などの「グリーン・ゾーン認証施設」の対応を「レベル2」に引き上げ、パーティションの設置、大皿料理・お酌の禁止の協力を求めました。一方、検査・診療体制ですが、患者数の増加想定を前提に構築しました。県の専門家会議によると、同時流行の場合、1日当たりの発熱者患者は4900人を超える可能性がある一方、現在の対応能力は3800人までで、1100人が受診できない恐れがあるといいます。そこで、医療提供体制がひっ迫しないよう、「発熱外来」の受診者を「より必要とする方」に重点的に振り向けます。

麻耶:なるほど。具体的には高齢者のかたなどですか。

松田:はい。65歳以上の高齢者、基礎疾患のある人、妊婦や小学生以下の子どもという「重症化リスクの高い人」は発熱外来を優先的に受診してもらいます。どこの医療機関か分からなければ、県の「受診・相談センター」が問い合わせに対応します。受診後、「コロナ陽性」なら、医師の判断で薬の処方を受け、重点医療機関、宿泊療養施設、自宅のいずれかで療養します。「コロナ陰性」の場合、次はインフルの検査を受け、「インフル陽性」なら医師から治療を受けます。

麻耶:重症化リスクが低い人は、別の対応になるわけですね。

松田:はい。中学生~64歳以下で、かつ、基礎疾患のない「重症化リスクの低い人」は、発熱時には、県の「健康フォローアップセンター」で無料配布している「検査キット」を申し込み、自宅で自分で検査します。「セルフ検査」ですね。「陽性」の場合、県の健康フォローアップセンターに登録すると、自宅療養中でも24時間対応で健康相談が受けられます。「陰性だったが心配だ」として受診を希望する場合、医療機関に「陰性」と伝えた上で、発熱外来を受診します。

麻耶:医療崩壊を回避するためにもリスクの低い人は「セルフ検査」が必要ということなのですね。では、困った時のための「受診・相談センター」の体制は十分なのでしょうか。

松田:実は第7波の時、電話がつながりにくいことがありました。そうならぬよう、県は12月中に回線数を当時の約2倍に増やし、昼間60回線、夜間40回線にします。また、夜間・休日に看護師さんが相談を受け付ける「小児救急相談ダイヤル♯8000」も開設されています。
一方、発熱外来の体制は、現在、305の診療・検査医療機関が指定されていますが、「夜間・休日」対応強化のため、11月28日に山梨大学医学部附属病院に、平日・休日を問わず、19~23時まで発熱患者を夜間診療する「臨時発熱外来」が開設され、さらに、平日17時から翌朝9時まで、休日は24時間、発熱患者を診療する「オンライン診療センター」も12月中に開設します。

麻耶:コロナとインフル同時流行に向け、体制が強化されていくのは心強いですね。

山梨県によるコロナ後遺症の調査結果は?

麻耶:それでは、冒頭お話のあった「コロナ感染後の後遺症」の調査結果について教えて下さい。

松田:県の調査に対し、昨年6月から今年7月にコロナ疾患があった7000人が回答した結果(複数回答)によると、約38%の人に「後遺症を疑う症状があった」そうです。主な症状は「疲労・倦怠感」が55%、咳が38%、「痰が出る」が20%。後遺症が出る割合が高いのは、30~50代の働き盛りの世代でした。また、ウイルス別の症状では、オミクロン株以前は、「息切れ」「脱毛」「味覚障害」「嗅覚障害」が比較的多かったが、オミクロン株では、この割合が下がって、「疲労・倦怠感」「咳」の割合が上昇したそうです。長崎知事は会見で、「感染後、非常に多くの方が、何らかの体調不良を訴えている現状が明らかになった。県内では約20の医療機関で後遺症の診療が可能との回答をいただいた。受診・相談センターで案内できる仕組みを近々、整える」と述べ、12月中に開始されます。

麻耶:この結果からどんな課題が見えてくると松田さんは思われますか。

松田:県の調査で、「山梨県の70歳以上の感染者については、4回目接種を終えている人は、3回目接種の人に比べて重症化リスクが半分程度、2回目接種までの人と比べると9分の1に抑えられている」という結果があります。これは8月の知事会見で示された科学的データです。しかし、この数値をどれだけの人が知っているのか。私自身も今日の放送のために調べていて、8月10日の記者会見録を見て、初めて知りました。その意味で、県内の報道にも問題があります。県のコロナ対策の部署に聞いたところ、「新聞もテレビも、この数字を報じた記憶はない」といいます。県民に知らせなければいけない重要な情報をメディアは伝えていないようです。多くの人が「ワクチン効果」を裏付けるデータを知れば、ワクチンへの信頼性は高まり、接種率が上がり、重症化リスク、後遺症リスクが減るだけでなく、そもそも、他人にうつすリスクが低減されるので感染者数全体の低減につながるはず。ワクチン接種で副反応が強く出た人はその限りではありませんが、そうではない多くの人は、科学的データに基づきワクチンは「正しく怖がる」べきです。私も非オミクロン型を4回打ちました。38・8度の発熱がありましたが、オミクロン対応ワクチンの案内が先日来たので、年内に打とうと思っています。

Bumpy
放送局:FM FUJI
放送日時:毎週月曜~木曜 13時00分~18時50分
出演者:鈴木ダイ(月)、上野智子(火)、石井てる美(水)、渡辺麻耶(木)
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