芝居に「楽しい・面白い」はない? 吉村界人が明かした意外すぎる自己評価
俳優の吉村界人が、芝居に対する率直な思いや、仕事に向き合う際の緊張感について語った。
吉村が登場したのは、10月23日(金)放送のJ-WAVE『BEFORE DAWN』(ナビゲーター:燃え殻)。作家・エッセイストの燃え殻による深夜のトークラジオプログラムだ。
芝居は「どんな役でも難しい」
吉村界人と燃え殻は、かつて偶然にも同じマンションに住んでいたことが判明し、それ以来、交流が続いているという。
そんな吉村に、燃え殻は俳優業についてこんな質問をした。
燃え殻:大変ご活躍で、僕はNetflixとかで拝見する機会が増えてうれしいんですけど、どんな役をしているときが面白いですか?
吉村:いやあ、お芝居に関しては「楽しい」とか「面白い」ってあんまりなくてですね。
燃え殻:ない?
吉村:ないですよ。
燃え殻:仕事だから?
吉村:そこまで大人になれないんですけど。お芝居自体にやっぱり全然緊張感がありますし、慣れないですし、下手ですし、正直。どんな役でもですよ。『ひらやすみ』みたいな役でも、不良みたいなのも、自分にはどんな役でも難しくて。だから、「うーん」って感じですかね。
燃え殻:じゃあ、楽しむとかの余裕もなく、やっている。
吉村:まったくないですね。こういうラジオ番組とかをやりたいんですよ。
燃え殻:役者だけじゃなくて、今の日常とか思っていることをしゃべる。
吉村:そうです、パッと誰かとしゃべって、「あ、そうだよね」とか言って。そういうのやりたいな、と思うんですけどね。
燃え殻:そうすると、また吉村さんの全然違うイメージを垣間見ることができていいですよね。強烈な役が多かったりしたから。
芝居に向き合う余裕のなさという話を受けて、燃え殻も作家として原稿を書くときの心境を明かした。
燃え殻:ギリギリまであんまり余裕なくやっているっていうのはすごくわかるし、僕自身、書いていても毎週のように「うわーどうしよう」とか言いながらやっているので。で、あとからふと思ったら「あ、こんなことやっていたんだ」って忘れちゃっていることすらある。もしかしたら、自分が出たドラマとかをあとから振り返ったときに、「こんな感じだったんだ」って自分から離れちゃっているように感じるときってありますか? 僕はあるんですけど。
吉村:ああ、わかります。たしかに、けっこう特殊な役が多いので、それこそ友だちとお酒を飲みながら、この何年間の仕事とかをゆっくりしゃべっているときに、自分でびっくりしてますもん。
燃え殻:すごい人生ですね。
吉村:すごくないですか? だから全部、難しくて。
燃え殻:いやあ、大変だ。
吉村は2027年1月8日(金)公開の『映画 九条の大罪』に出演する。
吉村界人の最新情報は公式サイトまで。
作家・エッセイストの燃え殻による、東京の真夜中に綴るトークラジオ『BEFORE DAWN』の放送は毎週金曜の26時から。Spotifyなどのポッドキャストでも配信中。
村上春樹「それはAIが持ち合わせてはいないものです」“小説家脳”について語る
作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00~19:55)。9月27日(日)の放送は「村上RADIO~くたばれ、アカデミー賞~」をオンエア。今回の放送では、「アカデミー主題歌賞にノミネートされながら、惜しくも受賞を逃した名曲」を特集。受賞作の影に隠れながらも今なお世界中で愛され続ける1960年代の名曲を中心に、村上さんこだわりのアナログ盤音源でお届けしました。ヘンリー・マンシーニやバート・バカラックといった巨匠たちの楽曲をはじめ、賞の裏側にあるドラマや村上さん自身の思い出、さらには昨今話題の「AIと創作活動」についての貴重なトークまで、時代を超えて愛される音楽の魅力にあふれたひとときとなりました。
この記事では、クロージング曲と「今日の言葉」について語ったパートを紹介します。
「村上RADIO」
<クロージング曲>
「My Foolish Heart」
今日のクロージング音楽はリッチー・バイラークの演奏する「マイ・フーリッシュ・ハート」です。名曲中の名曲ですが、タイトルを同じくする映画の方はひどい出来だったですね。原作者のサリンジャーが激怒したのも無理ないです。それ以来、サリンジャーは自作の映画化をいっさい拒否するようになりました。
今夜の特集「くたばれ、芥川賞」じゃなくて、えーと、なんだっけ、「くたばれ、アカデミー賞」……お楽しみいただけましたでしょうか?
表舞台で華やかに賞を受けたものだけが、素晴らしいわけじゃありません。裏通りにも美しい花がこっそりと咲いています。
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さて、今月の言葉はマルティン・ブーバーというオーストリアの哲学者の言葉です。1878年に生まれた人ですから、かなり昔の発言になりますが、彼はテクノロジーと人間の関係について、このように語っています。
「テクノロジーが私たちを非人間化する前に、私たちがテクノロジーを人間化する必要がある」
うーん、つい数年前までであれば、この言葉、たしかにその通りだよな、と思えたんだろうけど、AIなんてのが出てきた今となっては、「テクノロジーを人間化する」と言われても、なんか薄気味悪ささえ感じてしまいますよね。そんなことしたら、世界はえらいことになっちまうんじゃないか、とね。
僕も最近「AIが上手に小説を書くようになったら、小説家にとっては脅威になるんじゃありませんか」みたいな質問をよく受けるようになりました。
でも簡単にいえば、AIって人間の基本的な思考パターンをベースに、これまで蓄積された膨大な量の情報を手早く組み立て直しているだけなんですよね。でも本物の小説を書くのって、それだけじゃ足りないんです。そこには論理を超えた予感やら妄想やら、矛盾した感情やら、突然の飛躍やら、そういうものがなくてはなりません。僕はそれを「小説家脳(小説家の脳みそ)」と呼んでいるんですが、でもそれはAIが持ち合わせてはいないものですよね。
だから僕としては今のところ、AIをとくに脅威だとは感じていません。逆にAIが僕らのことを脅威と見なしてくれたりすると嬉しいんですけどね。
それではまた来月。
<番組概要>
番組名:村上RADIO~くたばれ、アカデミー賞~
放送日時:9月27日(日)19:00~19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/