村上春樹「地震で傷ついた地域が1日も早く立ち直って、元のようになることを祈っています」能登半島地震・被災地への思いを語る

作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00~19:55)。4月28日(日)の放送は「村上RADIO~村上の世間話4~」をオンエア。好評の「村上の世間話」シリーズ第4弾は、クスッと笑える“世間話”を、村上DJが選曲したグッドミュージックとともにお届けしました。
この記事では、能登半島地震・被災地への思いを語ったパートを紹介します。



◆Guy Sebastian「Respect Yourself」

ガイ・セバスチャンはオーストラリアの人気歌手ですが、ワニとは関係ありません。彼はアメリカのソウル・ミュージックが大好きで、好きが高じて、メンフィスまで行って現地のミュージシャンと一緒にアルバムを作っちゃいました。ブッカー・T&ザ・MG'sのオリジナル・メンバーである、ギターのスティーヴ・クロッパーと、ベースのドナルド・ダック・ダンが参加していて、素敵な味を出しています。この2人が入るだけで、往年のスタックス・サウンドがありありと再現されます。

曲はステイプル・シンガーズの歌でヒットした「Respect Yourself」です。このアルバムの中ではベスト・トラックだと僕は思います。しっかり気持ちが入っています。



元日の能登半島の地震から、もう4ヵ月ほど経とうとしていますが、いまだに災害の傷跡に苦しんでいらっしゃいます。僕も能登半島はこれまで何度か旅していますので、テレビのニュースなんかで地震の傷跡を目にするたびに胸が痛みます。

学生時代の夏休み、1人でリュックと寝袋を背負って、能登半島を歩いて回ったことがあります。とても暑い夏で、歩くのは大変だったけど、でも道々でいろんな楽しい思いをしました。出会った人もみんな本当に親切でした。ある日の午後、田舎道を歩いていたら、畑で働いていたおじさんに呼び止められて、「おにいさん、これ食べていきな」と、もぎたてのトマトをいくつか手渡されました。「ありがとうございます」と言って、その場でトマトをひとつ丸かじりで食べたのですが、その美味しかったこと。暑さのせいもあるし、喉が渇いていたこともあるし、もぎたてだったこともあるんでしょうが、そんな美味しいトマトを食べたのは生まれて初めてのことでした。ジューシーで、甘くって……。能登半島というと、今でもその素敵なトマトの味を思い出します。

地震で傷ついた地域が1日も早く立ち直って、元のようになることを祈っています。おいしいトマトを作り続けてください。



番組では他にも、ほとんど夢を見ないという村上さんが鮮明に覚えているという“夢の話”、近所をジョギングしているときにある動物に遭遇したときのエピソードなどについて語る場面もありました。


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4月28日(日)放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 5月6日(月・祝)AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:村上RADIO~村上の世間話4~
放送日時:4月28日(日)19:00~19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/
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「“相手を緊張させる”それがスターだから」秋元康の言葉に二宮和也も納得「やっぱり木村拓哉さんはすごかった」

TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。今回のお客様は、秋元康さんと二宮和也さん。二宮さんが人知れず抱えていた“不安”とは?

▶▶この日の放送内容を「AuDee(オーディー)」でチェック!


(左から)秋元康さん、二宮和也さん



◆秋元康「相手を緊張させるのがスター」

二宮:僕、共演者の人やスタッフの人たちとの出会いの運がすごくあると思っていて、そこまで気まずくなった撮影現場ってないんですよ。誰かが突出して怒っているとか、(現場から突然)いなくなるみたいなことがなくて。

秋元:だって、ニノのキャラクターは絶対に受け入れられるから(笑)。

二宮:(笑)。だから、例えば、ダブル主演みたいな形だけど“2人がまったく話さないほど仲が悪い”みたいな設定だとしたら、「現場でも話さないようにしたい」って相手に言われたら俺、どうしようと思って(笑)。

秋元:まぁ、そういう人もいるよね(笑)。でも、ニノは今年で41歳になるけど、これが50歳、60歳のベテランになっていったときに、このキャラクターでいけるかだよ。

二宮:(笑)。

秋元:例えば(樹木)希林さんの例を挙げると、同じシーンのリハーサルを3回やったとして、3回とも芝居を変えるわけよ。それで、監督を呼んで「どれが良かった?」って聞くんだって。希林さんは1番目がいいと思っているけど、わざと2つ目、3つ目は芝居を変えて、それを聞いて監督の実力を測るという……そういう伝説があってさ。

二宮:へぇ~。

秋元:そういうので俺が好きなのは、これも本当かどうかはわからないけど、松任谷由実さんが女性アーティストとの対談で、(女性アーティストから)「ユーミンさんの大ファンで、すごく緊張しました」って言われたときに、「緊張させるために何年かけていると思う?」って(言ったらしい)。美空ひばりさんもそうだけど、“相手を緊張させる”それがスターだからね。

二宮:でも本当にいますよね。「あれ?(会っただけで)汗が止まんない?」みたいな人。

秋元:美空ひばりさんなんて、コンサートとかでセンターピンがちょっとずれただけで、その照明の人が次の日から外されるぐらい厳しい方だったんだって。俺もプロデュースしたときに「10曲全部(レコーディングする)2週間前にください」って言われて。

その頃は(納期に)遅れまくっていたけれど、ちゃんと2週間前にそろえた。なぜかというと、あれだけ歌がうまい人が、その10曲を自宅で2週間かけて練習してくるわけ。だから、レコーディングのときはみんなピリピリなのよ。

二宮:それはありますよね。

秋元:わざとピリピリな空間をつくるわけ。つまり、相手を追い込むことによって、自分も追い込まれて良い仕事ができると。

◆木村拓哉のアドリブに「ドキドキしたなぁ」

二宮:それでいうと、やっぱり木村拓哉さんはすごかったですね。ご本人はそんなつもりはないんでしょうけど、例えば、“ここだけ撮れれば前後の余白は使わないだろうな”っていうところのお尻で、木村さんが「あいつどこ行った?」みたいな、今しゃべっている2人とは違う登場人物を指して「どこに行った?」っていう台詞を(アドリブで)足すんですよ、それにもう焦っちゃって、どこにいるかなんて知らないから。

だけど“二宮は「あの人が今どこにいるか知っている」ことまでバックボーンとして描いている”って、木村さんのなかのイメージにあるんですよね。だから“そこまで考えているのか”って、うすーく問われていたのかなって。

秋元:それもすごいね(笑)。

二宮:とはいえ、試しているわけではないんですよね。いやぁ、ドキドキしたなぁ。

秋元:木村拓哉さんもそうですけど、黙っているときにピリピリ感を出せる人、スタッフも視聴者も含めて“え、なんだろう?”って、深読みしてくれるのがスターだなと思うよね。だから……ニノは、しゃべりすぎなんじゃない(笑)?

二宮:そう! 俺、しゃべりすぎているんですよ(笑)。

秋元:でも、そういう新しい形のスターがニノかもしれないよな。

二宮:ずっとしゃべっていますもんね。

秋元:それで、バラエティからYouTubeからSNSまで“すべてをやる”っていうさ。

二宮:今は本当に“全部やってみる”っていう状況ですよね。

秋元:そこから何かが決まってくるかもしれないしね。

▶▶秋元も絶賛する“二宮のバラエティセンス” 続きは「AuDee(オーディー)」で!

<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜 25:00~26:00

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