売上の4割が海外へ 1本1万円でも世界で売れる「熊野筆」が貫く妥協なき「晃祐堂」の職人技

株式会社ジャパンエフエムネットワークが制作する全国JFN系列22局ネットで放送中のラジオ番組「となりのカイシャに聞いてみた!supported by オリックスグループ」。意外とあなたの近くにある、地元で活躍するカイシャ。「そこに辿り着くまでの話」や「事業への想い」など、明日へのヒントになる話から、地域のお気に入りスポットまで、地域に密着してお届けする企業応援ビジネスバラエティプログラムです。パーソナリティは小堺翔太が務めます。今回は、広島FM「GOOD JOG」のパーソナリティの俊山真美がパートナーを担当。

10月31日(土)の放送では、株式会社晃祐堂 取締役社長の土屋武美(つちや・たけみ)さんをゲストにお招きして、熊野筆の歴史や伝統技術、時代に合わせたものづくりについて話を伺いました。


(左から)アシスタントの俊山真美(広島FM)、株式会社晃祐堂 取締役社長 土屋武美さん、パーソナリティの小堺翔太



◆職人の技が生み出す熊野筆の書き心地

晃祐堂は、書道や絵画用としてだけではなく、近年では化粧筆としても愛用されている伝統的工芸品「熊野筆」の製造・販売を手がける広島県熊野町のメーカーです。伝統を大切にしながら時代に即した新商品を生み出し、自社ブランド「KOYUDO Collection」は世界中で愛されるブランドへと成長しています。

小堺は、約11年前に出演していたNHK朝の番組で、熊野筆(化粧筆)の生中継を通じて土屋さんとの共演経験があると振り返りました。当時の筆の肌触りを今でも覚えていると語る小堺さんに対し、土屋さんも「本番でリハーサルとは違う質問をされて驚いた」と当時の思い出を懐かしそうに明かしました。なお、土屋さんは現在、広島FMの「H-Junk Factoryのものづくりラジオ」にもレギュラー出演しています。

土屋さんによると、熊野筆の強みは書道筆づくりで培われてきた技術にあるといいます。もともと筆は中国から伝来し、漢字を書く道具として普及しましたが、日本では仮名文字(ひらがな等)の誕生とともに、用途に合わせて独自の進化を遂げてきました。そうした歴史の中で「心地よい書き味」を追求し、素材を厳選してきた伝統技術が、現在の化粧筆の極上の使い心地にもそのまま息づいています。

熊野筆の歴史は江戸時代後期にさかのぼり、約190年にわたって受け継がれてきました。土屋さんによると、発祥のきっかけは当時の広島藩(浅野家)による産業振興だったといいます。山あいの盆地に位置する熊野町は、当時これといった産業に乏しい地域でした。そこで「地域に新たな産業を興そう」と筆づくりを学ぶことが推奨され、今日まで続く伝統の礎が築かれました。

番組では、土屋さんが持参した筆を使って実際に試し書きをおこなう場面もありました。良い筆の特徴について、土屋さんは「毛先が割れずにスッとまとまる点にあります。だからこそ、払いもハネも思い通りに決まるんです」と、その書き味の魅力を解説しました。

実際に筆を試した俊山も、紙の上を滑らかに走る感触を実感。小堺も、筆を止めた際の線の質感の良さに感嘆の声をあげました。これに対し土屋さんは、一本の線のなかで太さを自在に変えられる点こそが熊野筆の大きな魅力だと解説。筆圧に応じた豊かな線の表情が、印象深い文字の表現を可能にしています。

◆海外でも評価される熊野のものづくり

晃祐堂は1978年、土屋さんの義父である現会長によって創業されました。当初は書道筆の穂首(毛先部分)の製造を手がけていましたが、約20年前から化粧筆の製造にも着手。現在では化粧筆が事業の約8割を占め、売上の3〜4割を海外市場が占めるまでに成長しました。土屋さんによると、日本では1本1万円ほどの筆に「高い」という印象を持たれがちな一方、海外ではものづくりの背景や技術を伝えると、その価値をすんなり理解してもらえることが多いといいます。

化粧筆づくりには、長年書道筆で培ってきた繊細な毛先の技術が生かされています。土屋さんによると、職人の間では人間の産毛のように細くしなやかな毛を「命毛(いのちげ)」と呼び、筆の命として大切に扱っているとのこと。この命毛を損なわずに仕立てる職人技こそが、肌に触れた瞬間の極上の柔らかさを生み出しています。

化粧筆の製造に乗り出した背景には、少子化に伴う書道筆の需要減少という危機がありました。そこで晃祐堂は、ハート型やフラワー型といった愛らしいデザインの化粧筆を独自開発。その華やかさから、ブライダルの引き出物としても人気を集めるようになりました。

一方で、土屋さんが決して妥協しないと心に決めているのが「毛先へのこだわり」です。「どんなに肌触りが柔らかく、上質な素材を使っていても、道具として機能しなければ意味がない」と語る土屋さん。使い心地や肌当たりの良さを左右する本質的な品質だけは、時代が変わっても頑なに守り続けています。

ハート型の筆を開発した当初は、「伝統ある熊野筆で何をやっているんだ」といった批判の声も上がったといいます。それでも土屋さんは、伝統を守るためこそ新しい挑戦が不可欠だと信じていました。「やらなければ、熊野の産地そのものが沈んでしまうという危機感がありました。熊野筆を未来へ生き残らせるために、私たちは新しいことに挑み続けています」と語り、伝統に甘んじることなく時代を切り拓く強い意志を示しました。

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音声版「となりのカイシャに聞いてみた!」
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<番組情報>
番組名:となりのカイシャに聞いてみた!supported by オリックスグループ
放送エリア:TOKYO FMをのぞくJFN全国22局ネット
パーソナリティ:小堺翔太
番組Webサイト:https://jfn.co.jp/lp/tonarinokaisha/
番組公式X:@tonarinokaisha
番組公式Instagram:@tonarinokaisya


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11月2日の「防災庁」発足で何が変わる?災害時の救援物資の“目詰まり”を解消する取り組みとは?

杉浦太陽と松井玲奈がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・松井玲奈 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。

11月1日(日)の放送テーマは、「防災庁発足! みんなでつくる、災害に強い社会」。内閣官房 防災庁設置準備室の大山璃久(おおやま・りく)さんから、11月2日(月)から新たに発足される防災庁について伺いました。


(左から)松井玲奈、大山璃久さん、杉浦太陽


◆11月2日に「防災庁」が発足!

毎年11月5日は「津波防災の日」です。1854年11月5日、安政南海地震というマグニチュード8クラスの大地震が発生し、和歌山県にも大きな津波が押し寄せました。その際、稲の束に火をつけて津波の到来を知らせ、村人を高台へ避難させたという出来事がありました。こうした教訓を後世に伝えるため、2011年に津波対策の法律が制定された際、11月5日を津波防災の日と定めました。

今年も地震や大雨など、さまざまな災害が発生しています。今後も南海トラフ地震や首都直下地震、富士山の噴火など、国を揺るがすような大規模災害がいつ起きてもおかしくありません。国も、そのような災害に備えるため、日頃からさまざまな対策を進めています。そして明日11月2日(月)に、国の防災体制を強化する新たな組織として「防災庁」が発足します。

大山さんは、防災庁が設置される経緯とその役割について、「今後、迫りくる南海トラフ地震といった、国難級ともいわれる大規模災害などに対する防災対策をさらに強化するためです。また、これまで内閣府がおこなっていた防災対策を引き継ぐだけでなく、新たに防災大臣を置き、平時から災害発生時の復旧・復興に至るまで、各省庁や関係機関をつなぐ“司令塔”としての役割を担います。つまり、これまで以上に各省庁や関係機関が連携し、スピード感をもって防災に取り組めるようになります」と説明します。

◆防災庁の大きな役割とは?

そもそも、実際に大きな災害が発生した際、政府はどのように対策を講じていたのでしょうか。大山さんは、今年7月28日に発生した「令和8年熊本地震」を例に挙げ、「政府は、発生直後に総理大臣を本部長とする非常災害対策本部を設置し、その日のうちに内閣府の調査チーム7人を熊本県庁へ派遣。発災1時間後には、調査チームは職場を出発していました」と解説します。さらに、翌日には副大臣を団長とする政府調査団も熊本県に派遣され、被災状況の確認や県知事らとの意見交換がおこなわれました。

では、防災庁の発足によって何が変わるのでしょうか。大山さんは、「防災庁発足後は人員が約3倍となります。これによって、災害が起きたとき、その対応に当たる職員と、平時から防災対策を進める職員を分けることができ、災害が起きても、事前防災対策の検討を止めることなく進められます」と紹介します。

大規模な災害が発生すると、現地に職員を派遣したり、被災した自治体との調整に当たったりするなど、多くの人員が必要となります。そうした状況でも、その後に起こるかもしれない“まだ見ぬ災害”への備えを継続できるようにすることが、防災庁の大きなポイントです。

ただし、防災は国や行政に任せるだけで十分というわけではありません。防災庁では「共に考え、共に備え、共に守り、共に未来を築いていく」という考えのもと、国が率先して事前防災を進めるとともに、企業やNPO、NGO、大学、そして地域社会など、産官学民がそれぞれ知恵や技術、経験を持ち寄って連携し、国民とともに災害に強い社会を目指しています。あわせて、国民一人ひとりが「自分の命を守るために、今できること」を考え、実際の行動につなげていただけるよう、積極的な情報発信や呼びかけをおこなっていきます。

◆地域の備えを支える「ふるさと防災職員」

災害時の物資支援では、被災地の輸送拠点まで物資が届いても、そこから先の避難所まで十分に届けられない「ラストワンマイル」が課題になることがあります。令和8年熊本地震でも、国が被災地からの要請を待たずに物資を送った一方、輸送拠点から避難所まで物資が十分に届かない地域がありました。

大山さんは、その大きな理由の1つとして自治体の人手不足を挙げます。どの避難所で、何がどれだけ必要なのかを把握し、物資を分配するのは自治体の役割になっています。また、内閣府では、2025年4月から物資の調達や輸送状況を一元的に管理できる新物資システムを運用しています。しかし、令和8年熊本地震の発生直後は、必要な情報を入力できる人員がおらず、システムを活用した物資の要請がうまくできませんでした。

災害時は自治体の職員の方々も被災者ですし、他にもさまざまな対応に追われています。せっかくシステムがあっても、それを運用する人手が足りなければ支援につなげることが難しくなります。

そこで、物資支援の目詰まりを解消するために活躍したのが「ふるさと防災職員」です。この制度は防災庁の発足に先駆けて2025年4月に導入され、47都道府県にそれぞれ1人ずつ担当者が置かれています。担当者は国と自治体をつなぐ役割を担っています。「日常的に自治体とコミュニケーションをとりながら連携を図り、顔の見える関係を築いています。また、ふるさと防災職員は、担当する都道府県が抱えている防災上の課題を都道府県とともに見つけ、その対策が進むように支援もしています」と大山さんは紹介します。

令和8年熊本地震でも、最大時には20人以上のふるさと防災職員が各地の避難所に入り、必要な物資を直接聞き取って手配したり、新物資システムへの入力を支援したりして、物資支援の目詰まりを解消しました。

ふるさと防災職員の役割はそれだけではありません。大規模地震や津波の恐れがある地域では、災害が発生した際に、どのような対応がどの程度不足するのか、地域のどこに防災上の弱点があるのかを、具体的な数字で把握しておくことも重要です。

そこで、ふるさと防災職員が窓口となり、国と自治体が協力して、被害想定や地域の防災対策の状況などをもとにシミュレーションをおこないます。これにより、どこにどの程度の不足が生じる恐れがあるのかなど、防災上の弱点を数字で見える化し、自治体の職員とふるさと防災職員が具体的なアイデアを出し合い、より効果的な対策を検討できます。

ふるさと防災職員は、地域の弱点を見つけるだけではなく、どうすれば解決できるのかを自治体とともに考え、被害想定から具体的な対策へとつなげていく役割を担っています。なお、発足後は防災庁の職員として活動します。

最後に大山さんは、「防災庁は、ふるさと防災職員などを通じ、災害が起きてからの対応はもちろんのこと、災害が起きる前から地域の弱点を洗い出し、具体的な備えにつなげ、みんなが安心して暮らせる社会を目指していきます。皆さんも、災害を自分事として捉え、我が家ではどんな防災対策が必要なのかを考え、今日からできることを実行していただければと思います」と呼びかけました。

番組のエンディングでは、杉浦と松井が今回学んだ「防災庁」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。まず松井は“共に考え、共に備え、共に守り、共に未来を築いていく”とスケッチブックに書きました。続いて、杉浦は“11月2日 防災庁発足”と注目ポイントを挙げ、「防災庁について詳しく知りたい方は、明日11月2日から公開される防災庁のWebサイト、または内閣府の防災情報のページをご覧ください」とコメントしました。


(左から)松井玲奈、杉浦太陽



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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・松井玲奈 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、松井玲奈
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm

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