村上春樹「高価なウイスキーの方が比較的悪酔いはしないみたいです」失恋した男性に自身の経験から助言

作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00~19:55)。10月25日(日)の放送は「村上RADIO~マイ・フェイバリット・ソングズ&リスナーメッセージに答えます6~」をオンエア。今回は恒例の人気企画第6弾として、普段はなかなか紹介しきれないリスナーからの多彩なメッセージやお悩みに、村上さんがユーモアと独自の人生観を交えて温かく答えました。息子との関係に悩む父親へのアドバイスや文章を書くコツ、失恋時に飲むべきウィスキー、母校・早稲田大学の校歌にまつわるエピソードまで、等身大の語り口で展開。モダネアーズやブラザーズ・フォー、ウィルコといった村上さんならではのこだわりの選曲とともに、軽妙なトークが響き渡る充実したひとときとなりました。
この記事では、後半2曲とクロージング曲、「今日の言葉」について語ったパートを紹介します。


「村上RADIO」



◆Wilco「Can't Stand It」

「じんた」さん、東京都男性52歳。

「自分にとって100パーセントの異性がいて、でも向こうにとって自分が30パーセントでしかなかったとわかったとき、飲むべきウイスキーはなんですか?」

笑っちゃいけないんだろうけど、思わず笑っちゃうくらいユニークな質問です。お気の毒です。そこでどんなウイスキーを飲むべきか? なんだっていいんじゃないですか。がんがん飲んで酔っ払うしかないでしょう。飲みまくって、世界を呪いまくりましょう。2日酔いに備えてくださいね。僕の経験から申しまして、高価なウイスキーの方が比較的悪酔いはしないみたいです。
ウィルコをかけます。この番組でウィルコがかかるのは、これが初めてじゃないかな。ウイスキーのつまみにどうぞ。曲は「Can't Stand It」。僕は耐えられない。でも耐えきってくださいね。(ニャーオ)

◆Les Surfs「Le Printemps Sur La Colline」

福岡県男性、54歳、「ラルフ・ローレンのブルーのポロシャツ」さんからのお便りです。

「村上さんの本を初めて買ったのは、昭和62年、高校受験が終わった日でした。選んだのは『村上朝日堂』でした。高校に進学し、その冬にダッフルコートを買いました。VANジャケットではなく、グローバーオールでした。気がつけば40年近く村上さんの小説と過ごしてきたことになります。小説だけではなく、音楽や服装、考え方まで影響を受けてきたような気がします」

最近はみんな軽くて温かいダウンジャケットを着るようになりましたが、そんな中であえて重くてかさばって、それほど暖かくもないダッフルコートを着ているのって、ちょっと小粋なものですよね。マフラーがよく似合います。僕は今は、10年くらい前に買った、ポール・スミスのクラシックな紺色のダッフルを着用しています。これからもがんばってダッフルコートを身にまとい、冬を乗り切りましょう。
フランスのグループ「レ・サーフ」が歌います。『花咲く丘に涙して』、カンツォーネの有名曲ですが、フランス語で歌われると、またちょっと違った趣が生まれます。フランス語のタイトルは『丘の上の春』となっています。「ル・プランタン・スール・ラ・コリーヌ(Le Printemps Sur La Colline)」。

<クロージング曲>
本多俊之バーニングウェイブ・カルテット「Kitchen」


今日のクロージング音楽は、本多俊之さんが演奏する映画「キッチン」のテーマです。吉本ばななさん原作、森田芳光さんが監督の映画ですね。本多俊之さん、僕が昔、国分寺で経営していたジャズの店で何度か演奏してくれたことがあります。といっても、彼は当時まだ高校生だったと思うんだけど。とにかく若くして才能あふれるサックス奏者でした。
さて、今月の言葉は伝説的批評家、小林秀雄さんのお言葉です。

「書かねば何もわからぬから、書く」

これは引用の引用、つまり「孫引き」なので、正確な出典は不明です。ご存じの方がいたら教えてください。でも小林先生の言いたいことはよくわかります。文章にして書いてみないことには、ものごとをうまく考えられない人っているんです。そしてこの僕も、もちろんそんな1人です。頭でものを考えようとすると、筋道がぐちゃぐちゃしてきて、わけがわからなくなっちゃうんだけど、手を動かして文章にしてみると、そしてそれを何度か書き直し整理していくと、状況が次第にクリアに見えてきます。
あなたはどちらでしょう? 頭ですっと考えるタイプ、それとも「書かねば何もわからぬ」タイプ?

「書かねば何もわからぬから、書く」小林秀雄

それではまた来月。

<番組概要>
番組名:村上RADIO~マイ・フェイバリット・ソングズ&リスナーメッセージに答えます6~
放送日時:10月25日(日)19:00~19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/
村上RADIO
放送局:TOKYO FM
放送日時:2026年10月25日 日曜日 19時00分~19時55分
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※放送情報は変更となる場合があります。

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台湾発・注目のアーティスト、someshiit(山姆)にインタビュー

ラジオ日本で放送中の『MUSIC DELIGHT』(毎週水曜日24時00分~24時30分)では、11月4日の放送で、台湾・台北を拠点に活動するラッパー、someshiit(山姆)へのインタビューをお届けする。DJは岡村有里子。

日常の風景や人間模様、内面に潜む葛藤を、詩的なリリックと独自のストーリーテリングで描き出し、注目を集めるsomeshiit。2019年に発表した楽曲「那些勸我別抽菸的人都死了 The Fume」が話題となり、2024年には1stアルバム『愚公 A FOOL』をリリース。2025年には、台湾のグラミー賞とも称される金曲奨(Golden Melody Awards)で「最優秀新人賞」、さらに金音創作奨(Golden Indie Music Awards)では「最優秀ヒップホップ・アルバム賞」を受賞した。ヒップホップとバンドサウンドを融合させた音楽性、そしてバンドメンバーとともに繰り広げるライブパフォーマンスでも高い評価を獲得。台湾の音楽シーンを代表する新世代アーティストのひとりとして、存在感を高めている。

2026年9月には、東京・下北沢ADRIFTで開催されたイベント「SIMCITY」に出演。さらに、Jeremy Quartusとのスプリット7インチ『STILLNESS / 那些勸我別抽菸的人都死了』をリリースした。

番組では、デビューアルバムで目指した音楽的な方向性や、金曲奨受賞後の活動を取り巻く変化、今年リリースされたEPやスプリット7インチについて、さらに今後コラボしてみたいアーティストなどについても伺う。

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