声優界の最長老・羽佐間道夫が、初めて自著を朗読 「90歳現役声優 元気をつくる『声』のはなし」 いま語られる、羽佐間流・元気のヒケツ!
1月18日は元気バリバリの羽佐間道夫をお届け!
声優界の最長老・羽佐間道夫が、初めて自著を朗読
90歳現役声優 元気をつくる『声』のはなし」
いま語られる、羽佐間流・元気のヒケツ!
何を食べてるの? 体力づくりはどうしてる? なんでそんなに元気なの???
そんな疑問に答えます……
去年11月に90歳の誕生日を迎えた声優界の大物・羽佐間道夫。卒寿を迎えてますます元気! 連日、舞台、テレビ、ラジオと仕事に駆け回る日々を過ごしている。元気の源はどこにあるのか? その謎が明かされる初の著書「90歳現役声優 元気をつくる『声』のはなし」(イマジカインフォス刊)を、「わたしの図書室」で羽佐間自らが朗読する。
この本は、キーワードが四字熟語で表されている。
「生涯現役」「千変万化」「一病息災」……いえいえ、もっとやさしく言えば、「ユーモアを忘れず、日々の変化を受け入れながら若い人とも交わって、ものごとを楽しんで追求する…」と、そんなようなことなのだ。だが、それを実践して、イキイキと仕事をこなしていく羽佐間道夫が語ると、もちろん説得力がある。
番組プロデューサーは、「この本を読んでいると、まるで羽佐間さんがそばで語りかけてくるように思った。ぜひご本人の“声”で、ラジオをお聴きのみなさんに、このメッセージをお届けしたかった」と話している。
それに対し、羽佐間は自分の著書の朗読にしきりとテレながら、「こうして声に出して読んでみると、たいしたことないな」と頭をかいた。いえいえ、ご謙遜、ご謙遜。「特別なことはしていない」と言いながら、日々積み重ね、心がけてていることがなんと多いことか。90歳で現役バリバリの羽佐間道夫の言葉には、さすがの重みがある。また、病弱だった幼い頃の思い出、“朗読の名手”だった父の声、感動の再会を果たしたお手伝いの梅子さんのことなど心あたたまるエピソードも聞きどころ。
1月25日は、草葉の陰から覗いてみれば…
打って変わって……翌週は、正岡子規の「墓」を羽佐間道夫が朗読する。
「たいして面白いこともないからちょっと死んでみて、地獄漫遊でもしてくるか…」と言って死んじゃった主人公が、自分の死後の出来事を墓の中から覗き見て、あーだ、こーだと実況中継する。ブラックユーモアあふれる短編だ。羽佐間のマジメな口調がかえってひょうきんに聞こえ、思わず吹き出す場面続出。この“明るさ”は何なのだ?!
明治を代表する俳人・歌人の正岡子規。口語を使った新しい表現方法を模索し、俳句と短歌に革新をおこす一方、詩や評論、小説、随筆まで幅広い創作で近代日本文学に大きな影響を与えた。そんな子規は、落語や野球が好きな快活で親分肌。ユーモアもあって、夏目漱石ら友人たちから愛された。しかし、若くして結核を患い、病床で随筆「病牀六尺」などを残したことからもわかる通り、死と直面した日々の中で、この短編「墓」も生まれた。1899年(明治32年)、子規が亡くなる約3年前に書かれたもの。
この世に飽きた主人公は、まるで物見遊山のように“地獄”へ出かけていく。臨終から葬式、土葬、そして1周忌、5年目…と、主人公が草葉の陰から墓の周りのあれこれを覗き見ては独りごちる。葬式から間もないころは、盛られた饅頭が盗まれて憤慨するものの、友人たちの厚情に感謝して日を過ごす主人公。昔馴染みの芸者の意外な弔問に、地獄でご法度のノロケが飛び出す。また、自分が若気の至りで傷つけてしまった女の姿には、まさに“墓場まで持って行った”甘酸っぱい秘密を思い出す……。
ちなみに正岡子規が生前、知人に送った手紙には、自分が死んだときの墓碑銘として「明治三十□年□月□日没ス 享年三十□ 月給四十円」と書いてほしいとあったという。現在、正岡子規の墓は東京・北区の大龍寺にあり、墓石には「子規居士之墓」と彫られている。のちに、その傍にくだんの「月給四十圓」の墓碑銘も建てられ現在に至っている。
※該当回の聴取期間は終了しました。
勅使川原真衣が懸念を抱く!「大手商社の『自分史採用』は吉報なのか!?」
フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝の生ワイド「武田砂鉄ラジオマガジン」(文化放送)。11月12日(水)8時台のコーナー「ラジマガコラム」では、水曜前半レギュラーの組織開発コンサルタント・勅使川原真衣が大手商社の人事の採用基準についての記事に懸念を示した。
勅使川原真衣「今日はちょっと就活の話をしたいと思ってます。『志望動機はもう古い? 自分史採用は吉報なのか?』と題したいんですけども、これ元ネタがありまして、先月末に日経新聞を見ていましたらこんな記事が目に飛び込んできました。三井物産の渡辺徹(てつ)執行役員が語る『学生時代に好奇心深める経験を』と書かれた記事ですけども、三井物産、大丈夫ですか?」
武田砂鉄「全然大丈夫ですよ。把握してます」
勅使川原「知ってますね。一応言っといてもいいですか? 日本の五大商社のひとつと言われています。いきなり下世話な話をしますけども、平均年収は1996万円」
武田「え? もう一回言ってもらっていいですか?(笑)」
勅使川原「1996万円が平均年収ということで、『ザ・エリート街道』と言ってもいいのかな? と思いますが、この人事管掌役員である渡辺さんが取材に応じていて、記者にこう聞かれていました。『選考で重視するのは何ですか?』と。これに対してちょっと途中省略しながら読みますと、『コミュニケーション能力などの人柄と、それを支える意味で学生時代の経験です。エントリーシートでは志望動機は聞かず、自分史を書いてもらっています』」
武田「自分史?」
勅使川原「自分の歴史ですね。学生の時にしかできないことを色々経験して、好奇心をどんどん深めていってほしい』。ここちょっとポイントなんですけども『1年生の時から就活のことを考えてアルバイトなどを選ぶ人は嫌ですね』と。『嫌ですね』と言われちゃったんですけども、どうなんですかね、これ地味な記事だと思いますよ。就活業界研究の記事なので。ですが、結構話題になりました。
色々SNSでも反応がありまして、例えばあの西村ひろゆきさんもXでこの記事をリプライする形でこの取り組みをXで肯定していました。『従来型のテストマシーンみたいな人はもういらないですよね』と」
武田「テストマシーン……」
勅使川原「『テストだけが出来るような人はいらない、テストだけに強い人はいらないよね』みたいなコメントです。あと、あるベンチャー経営者の方はこう言ってました。『表面的な就活スキルではなく、本物の好奇心と粘り強さ。それが何十億円のディールを生み出す源泉だと彼らは知っているんです』と、豪語していたんですね」
武田「スケールでかいですね!」
勅使川原「なんかそんな感じしますけども『どうなのかな?』と私は思っています。やっぱり当たり前を一応疑う教育社会学っていうのをやってきて、さらに仕事としても『仕事ってこんなもんだよね』っていうのを疑う仕事をしてきているので、ちょっとこれも疑ってみようかなと思うわけですけども、これ多くの人が『なるほど、新しい潮流だ!』って思ってるかも知れないんですけども、『ほとんどの人にはあんまり吉報にはならないんじゃないかな、なりにくいんじゃないかな』と考えてます。
3つほど懸念があります。1つはですね、これ生まれの影響を多分に受ける選抜方法じゃないかなと思うんですよ。就活対策なんかしてね、『嫌ですね』と言われようがなんだろうが、人生のある時期につけ焼き刃をしてでも評価機関に合わせて自分の将来を切り開くって、普通のことじゃないですか。『そんな悪いことだったのかな?』と思うわけです。
なんか最近やたらと個人が事前に対策できることを『表面的』とか、もっと言うと『実力がこれじゃわからない』みたいな言い方をすることがあるんですけども、いやいや、実力って何なんですか? 何が問われるのかを事前にちゃんと把握した上で、問われたものに対して自分なりの答えを用意していくって、これ機会の平等に近いと思います」
武田「そうね」
勅使川原「なので、ある意味でフェアだったはずなんですけども、果たして自分史採用ってどうなのかな? 評価機関で言うとこれ人生全体ですよね? これまでの生き様みたいな」
武田「全部出さなきゃいけない」
勅使川原「全部出さなきゃいけなくなる。『これで本当に実力が見えるんですか?』っていう問題があると思います。自分史でわかるとされている実力と呼ばれているものも、これ案外『育ち』。『育ち』の話になっていくんじゃないかと懸念してます。ちなみに育ちを決めているのは能力ですか?」
西村志野「違いますよね?」
勅使川原「100万%偶然じゃないですか。どの家庭に生まれ落ちるか、自分じゃどうにもできないです。選んだことある人、いません。この偶然の生まれのことを起点にして、その後の人生っていうのは教育社会学で『水路づけられる』っていう言い方をするんですよ」
武田「水路づけられる?」
勅使川原「完全に決定はしないけども、この学校に行くとこれぐらいの職業について、こういう人と結婚して……みたいなのがある程度あるでしょ、というのは実証研究で示されているので、この選抜対策不能にしようっていう意図はあると思いますけども、そもそも偶然性を引きずってますので、初期値、最初の生まれの影響がかなり大きいんじゃないかなと思うんです。生まれの影響が大きいと何が困るかって、結局番狂わせみたいなのが起きにくいんじゃないかと思うんですよ」
武田「そうかそうか」
勅使川原「『階層再生産』って言うんですけども、言い方あれですけど、お金持ちの家に生まれると、子供も三井物産のようなところに入ったりとかお金持ちになっていく、みたいなのが起きないかなと。老婆心ながら心配しております」
この後も、勅使川原さんによる熱い問題提議が続きました。気になる方は、Radikoのタイムフリーでご確認ください。