『わたしの図書室』2/1・8放送 曾野綾子の昭和の名作『只見川』が、井田由美の朗読で甦る!

雪深い東北の小さな町、只見を舞台に、 戦争で引き裂かれた男女と嫁姑の確執を描いた短編小説。

出征したまま便りの絶えた夫・岩男を待つ若い妻・小雪。留守宅では理髪店を営む姑との間に、誰にも言えない葛藤があった。そんな中で、たった2週間の結婚生活だったが、冷たい体をあたためてくれた夫のやさしさと、白い歯を見せて笑ったその顔の記憶が小雪の心をささえていた。戦争が終わって3年。今では姑も亡くなり、ひとり家で待つ妻のもとに「岩男が帰ってくる」という知らせが届く。小雪はじっとしていられなかった。しかし、その喜びが、思わぬ悲劇を引き起こす……。

曾野綾子が1968年(昭和43年)に「小説新潮」に発表した作品。『わたしの図書室』で曾野綾子の作品を朗読するのは初めてのこと。

曾野綾子は1931年(昭和6年)東京生まれ。幼稚園から聖心女子学院に通い、17歳で洗礼を受けカソリック教徒になる。その頃、父親がアメリカ軍に接収されていた箱根・富士屋ホテルの支配人をしていたことから、そこでアルバイトをしていたときのエピソードをもとに、大学卒業後に書いた『遠来の客たち』が芥川賞候補になった。作家・三浦朱門との結婚は大学在学中、22歳の時。昭和45年に発表されたエッセー集『誰のために愛するか』は200万部を超えるベストセラーに。小説『神の汚れた手』『天上の青』『虚構の家』、エッセー『老いの才覚』『思い通りにいかないから人生は面白い』『夫の後始末』など、92歳の現在に至るまで幅広いジャンルでの執筆活動を続けている。また、1995年から2005年まで日本船舶振興会の会長を務めた。

今回、『只見川』を朗読した日本テレビアナウンサーの井田由美が、「曾野綾子さんの作品にこういうメロドラマがあるのですね」と言うように、曾野は宗教問題、社会問題に言及した作品を多く書き、ときに論争も巻き起こしている。一見、哀しく切ないメロドラマと見えるこの『只見川』にも、人々の運命を大きく動かしていく「戦争」という曾野綾子らしいテーマが潜んでいる。

わたしの図書室
放送局:ラジオ日本
放送日時:毎週木曜 23時30分~24時00分
出演者:井田由美(日本テレビアナウンサー)
番組ホームページ

※該当回の聴取期間は終了しました。

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