体脂肪と内臓脂肪って一体何? どうやったら減らせる?

ニッポン放送「山口智充DAYS」(7月8日放送)で、「体脂肪と内臓脂肪」について解説した。

「聞くだけで元気になる情報」を届ける”ぐっさんの健やかDAYS”。第13回目のテーマは「体脂肪と内臓脂肪」。最近の体重計は、この二つも必ず表示されるので、気になる方も多いのではないでしょうか。ぐっさんもこのワードを聞いた時、思わずドキっとしてしまったという。

体脂肪と内臓脂肪の違い

「体脂肪」というのは=体に蓄えられる脂肪の総称です。脂肪は、体のつく場所によって呼び方が違っていて、「皮下脂肪」と「内臓脂肪」に分けられます。

▼「皮下脂肪」は、腰まわりやお尻、太ももなどの、皮膚のすぐ下に付く脂肪のこと。
▼「内臓脂肪」は、内臓の周りにつく脂肪のことです。

これらを、ひっくるめたのが、「体脂肪」です。皮下脂肪のことを、体脂肪だと思っている方も多いみたいですが、あくまで体脂肪は全部の脂肪のことです。

そして、肥満には、洋ナシ形と呼ばれる「皮下脂肪型肥満」と、リンゴ型と呼ばれる「内臓脂肪型肥満」の2パターンがあります。

メタボロックシンドロームとは?

ぐっさんをはじめ、お父さん世代が気になっちゃう「メタボロックシンドローム」。これは、「内臓脂肪」が過剰に蓄積されたことによって引き起こされる症状です。また、「糖尿病」や「高血圧」などの、生活習慣病を引き起こすリスクとなるのも「内臓脂肪」なのです。

メタボリックシンドロームは、肥満までに至っていなかったとしても、ウエスト周りが目安として男性なら85cm以上、女性なら90cm以上だと要注意! この段階で、かなり内臓脂肪が体内に蓄積していると考えられます。

また最近では、身長180㎝の人と160㎝の人で、ウエストサイズの基準が同じでいいはずがない! という考えから「身長の半分」の数字で、考えなければいけないという意見もあるとのこと。例えば、身長160㎝の人が、ウエストサイズ80㎝を超えたり、お腹がポコッと出てきたりしたら、注意しましょうということですね。

内臓脂肪が付く理由

内臓脂肪は、どうして付いてしまうのでしょうか?

私たちの体は、常に呼吸や心臓の動き、体温調整など、自然にエネルギー消費が行われています。ですが、年齢とともに、そのエネルギー消費の基礎代謝が落ちていきます。すると、摂取した栄養を消費しきれないため、内臓脂肪は増えていきます。

要するに、年を取ってから、若い頃と同じように食べていては、自然と内臓脂肪は増えていってしまうという訳です。特に、若い頃たくさん食べていた人は、それなりに減らさないとダメかもしれません。

ただし、内臓脂肪は、健康上減らすことが大切なのですが、最低限必要な脂肪でもあるんです。内臓脂肪には、臓器を正しい位置を保ち、衝撃を和らげる役割があります。肋骨だけでは、すべての臓器を守りきれないため、内臓脂肪にもちゃんと仕事はあるのです。

また、内臓脂肪が女性につきやすいのは、子宮を守るためとも言われています。つきやすいけど、落としやすいのも内臓脂肪の特徴です。

皮下脂肪の役割

皮下脂肪は、活動のエネルギーの源、また体温を保つ等、生命を維持する上で重要な役割をしている脂肪です。しかし、こちらも内臓脂肪と同じく、過剰に蓄積すると、健康を損ねることになります。皮下脂肪が過剰に蓄積すると、肥満になるだけでなく、「2型糖尿病」というのを引き起こしやすくなるとのこと。

2型糖尿病とは、血液の中のブドウ糖が増えてしまう病気です。また、内臓脂肪と同様に、生活習慣病の発症リスクを高め、動脈硬化の原因にもなります。

ただし、皮下脂肪は内臓脂肪と異なり、無理な食事制限をしても、皮下脂肪だけはなかなか減りません。皮下脂肪を減らすためには、バランスのとれた食事と、適度な運動を、日々、心がけるようにするのが重要です。

皮下脂肪は、パワーを出すためや体温を保つための脂肪。内臓脂肪は、臓器を支えたり、衝撃から守るための脂肪。ですが、どちらも、ほどよい脂肪だけがあればいいので、過剰になっていくと健康に問題が出てきます。また、年齢と共に、使うエネルギーも減っていくため、食べ過ぎたり飲み過ぎたりすると、溜まっていってしまうということです。

内臓脂肪・皮下脂肪の減らし方

そんな皮下脂肪と内臓脂肪、減らしていくためには、やはり食生活の改善と日々の運動が必要になってきます。カロリーの低い食事や和食。また、スイーツやアルコールも減らす。そして、ランニングや筋トレなどの運動。こういった生活を毎日、さらに長期的に続けること……大変ですがこれしかないのです。

しかし、内臓脂肪が減り始めたときは、皮下脂肪はすでになくなっているので、あなたはかなりシェイプされているはずです。同じような体型の人と、一緒に生活改善を始めてみると、励まし合いながら続けられるかもしれません。

「ぐっさんの健やかDAYS」
FM93AM1242ニッポン放送 月曜14:40ごろ

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愛と経済の伝道師“宗さま”こと宗正彰「変動続くドル円相場“円安から円高転換の理由”と“為替介入効果”」を解説

本部長・マンボウやしろと秘書・浜崎美保がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「Skyrocket Company」。毎月第2水曜日に、我々が知っているようでよく知らない「お金」や「経済」の仕組みなどを、専門家の方に詳しく解説してもらうコーナー「スカロケ資産運用部」をお届けしています。

5月8日(水)の放送では、愛と経済の伝道師“宗さま”こと株式会社アイ・パートナーズフィナンシャル 上席執行役員の宗正彰(むねまさ・あきら)さんに、「変動続くドル円相場“円安から円高転換の理由”と“為替介入効果”」というテーマでお話を伺いました。

(左から)宗正彰さん、マンボウやしろ、浜崎美保


◆ゴールデンウィークのドル円相場 為替介入はあった?

浜崎:今回、宗さまには「変動続くドル円相場“円安から円高転換の理由”と“為替介入効果”」について、お話しいただきます。

やしろ:このゴールデンウィークに為替市場が大きく動きました。ゴールデンウィーク前半の4月末には、一時1ドル160円超えの円安 までなりましたが、あの時の理由は何だったのでしょうか?

宗正:1ドル160円は、約34年ぶりの円安水準です。為替市場の仕組みは、公園のシーソーと同じ原理で、どちらかが上がれば、もう一方は下がります。ドル円相場の上げ下げはアメリカと日本のどちらかの国に理由がある時です。ゴールデンウィーク前半の1ドル160円超えの円安は、日本の方にその理由がありました。

ゴールデンウィーク直前の4月26日まで、日銀の金融政策決定会合が2日間に渡って開かれました。そこで日銀総裁の植田さんから 「今の円安が物価の上昇に大きな影響を与えている訳ではない」という発言がありました。
日銀は前月の3月にマイナス金利政策を解除して、17年振りに事実上の利上げをしたばかりです。それもあって「4月の利上げは無いだろう」とマーケット参加者の多くは思っていましたが、そこまで言うのであれば「当分の間は無いんじゃないか」と(いう印象を与えた)。ただでさえゴールデンウィークはマーケット参加者が少ないので、上下に振れやすいですから、そこで一気に1ドル160円を超えたということです。

やしろ:その後、一転して急に円高方向に動きが変わったので、為替介入があったんじゃないかという噂もありました。実際には、為替介入はあったのでしょうか。

宗正:政府日銀は介入の事実は今のところ明らかにしていません。そのため断言はできませんが、あのドル円相場の動きを見る限り、十中八九、介入はあっただろうなと思いますね。

ゴールデンウィーク前半、3連休の3日目。1ドル160円を付けた直後、わずか数時間で 154円台まで円高が進みました。財務大臣が日銀に指示を出して、今回であればドルを売って円を買う為替介入が無ければ、あのような動きにはならないと思いますね。

◆2回おこなわれた為替介入

やしろ:ゴールデンウィーク中に(ドル円相場の大きな動きは)2回ありました。後の方の動きも為替介入があったということでしょうか?

宗正:十中八九そうでしょうね。2回目の方の円安の動き、あの時はアメリカの方にその理由がありました。日本ではゴールデンウィーク真ん中の、4月30日から5月1日。このタイミングで、アメリカの中央銀行FRBはFOMC(連邦公開市場委員会)という、要は日銀の金融政策決定会合に当たる会合を開いて、アメリカ金利を高い水準のままの据え置くことを決めました。つまりアメリカの金利が高いということは、ドル高ですよね。

やしろ:ドル高ということは、円安がさらに進んでしまう方向ですね?

宗正:そうなんですよ。その決定を政府日銀が見てか聞いてか、「いやいや、これはまずいだろう」ということだと思います。FOMCが終わったわずか2時間後に市場介入らしき動きがありました。

やしろ:それでゴールデンウィーク中に為替市場が大きく2回動いたんですね。単に為替介入といっても、その形にはいくつかあるそうですが、具体的にどのような形があるのでしょうか。

宗正:大きく3つあります。1つは実際には介入をしないのに、口先だけでマーケットを牽制する口先介入。

やしろ:「介入をやるぞ、やるぞ」と言われて、皆がそれに合わせて警戒して動くと。

宗正:はい。よく報道なんかで政府や日銀関係者が、「これ以上の円安は断固たる措置を取る」と言っていますよね。「措置を取る」と言っておきながら、実際には取らない。あれが口先介入です。

2つ目が、事前の通告は勿論しないで、日本単独で介入する「単独介入」というのがあります。1つの国だけが介入をおこない、介入の前後でその事実も明らかにしないため、覆面介入とも呼ばれます。

そして3つ目が、これが一番効果的な介入で「協調介入」。複数の国がそれぞれのマーケットで同時に介入します。

やしろ:そういう介入の方法があるんですか?

宗正:記憶に残るのは、2011年の東日本大震災 の時です。当時は今とは逆の円高で、1ドル75円台と史上最高値をつけました。あの時、大地震で大きな被害を受けた日本に、経済的な2次被害をこれ以上背負わせることはできないと、G7のメンバー各国が為替介入で協調して歴史的な円高から救ってくれたんです。

協調介入の結果、円高だったのが一気に円安方向に動きました。ただ、その時の協調介入が10年半振りですから、余程のことがない限り複数の国で同時に介入する協調介入はしないことが分かります。

◆為替介入の効果はどれくらい続く?

やしろ:今回の為替介入では、一時期の円安から確かに円高に向かいましたが、効果はどれくらい続くものなのでしょうか。

宗正:今回、あったとすれば日本一国による単独介入、覆面介入だと思います。その場合の効果は限定的です。言ってみれば時間稼ぎにしか過ぎないでしょうね。
先ほどお話しした東日本大震災の時の為替介入は、円高から円安の方へという動きですよね。今は逆に円安から円高方向に持っていかなきゃいけない。円高を防ぐ介入の場合には、円を売ってドルを買うんです。円は日本の通貨ですから、いくらでも調達できるので、無制限の介入が可能です。

ところが今回のように円安を防ぐ介入は、ドルを売って円を買わなきゃいけない。先ずは手持ちのドルを売る必要があるので、無制限に介入できる訳ではありません。

やしろ:どれくらい事前に用意しているのでしょうか。

宗正:最近は円に換算して、約45兆円でした。つまり自ずとドル売りの上限が決まってきます。現在、ゴールデンウィーク前半の為替介入に5兆円使ったと言われています。後半の介入が3兆円で、すでに計8兆円も使っているんですよ。これを踏まえれば、ここから先の介入原資に大きな余裕はありません。
政府日銀は日々24時間、為替市場の動きを見ながら、断続的に為替介入を続ける可能性もあると私は思っていますが、介入原資が限られるので、投機筋がそこにつけ込む可能性がありますよね。

やしろ:時間が経てば、再び円安の流れに戻る可能性があるということですね。私たちの生活への影響は、どれくらいありますでしょうか。

宗正:すでに現在(放送日の5月8日) 、1ドル155円台の半ばを超えて後半に入りました。今日だけでも1円以上(円安が)進んでいる。為替市場は、結局のところ2つの国の金利差に収れんします。ドルと円、アメリカと日本に、どれくらい金利差があるのか、結局はここですね。

一時的な円高がゴールデンウィーク中にありましたが、中長期的には円安の流れを想定しておいたほうが良いと思います。短中期的には様々な経済指標の動きを受けながら行ったり来たりもしそうですが、アメリカが金利の引き下げに踏み切るまでの間、大きな流れは円安でしょうね。そうなると、この秋からのもう一段の物価高というのは避けられない。せっかく実現した賃上げ、そして定額減税くらいは、軽く物価上昇で吹き飛んでしまうでしょうね。

やしろ:そんな感じなんですか。恐ろしいですね。

宗正:特に問題は原油です。原油はほぼ輸入ですし、(私たちが生活で利用する)目に見えるもののほとんどが原油からできています。ただでさえ中東情勢が不安定で、原油価格が上がっているのに、円安でダブルパンチです。

◆円安がさらに進んだ場合の懸念事項は…

やしろ:以前、為替はなかなか予想がしづらいというお話をしていただきました。僕の周りでは、「1ドル180円くらいまで行ってしまうのでは?」ということを言う人がいるのですが、そういう可能性はありそうですか?

宗正:可能性は0(ゼロ)ではないですよね。日本は金利を上げると言いながら、まだ0%をちょっと超えた位です。アメリカは金利を下げるかもと言いながら、なかなか下げない。今は5%超なので、日米で5%以上も金利差がある状態です。

やしろ:そんなにあるんですね。円安の流れに戻った場合、宗さま的に気になるポイントはありますでしょうか。

宗正:昔から「輸出立国日本」というこの単語、よく聞きますよね。円安は日本のプラス要素だと言われていた時代もありました。ただ日本企業による海外の現地生産比率は高くなって、円安効果は昔ほどではありません。それでも輸出関連企業の多くは、輸入コストの上昇分をある程度は円安による輸出効果でカバーできます。

ところが日本国内の売り上げ割合が多くを占める中小企業にとって、原材料やエネルギーの輸入コストが高くなる一方で、相殺できるものがほぼ無い。しかもコストの上昇分を、すぐに簡単に価格に上乗せできないんですよね。

中小企業の数は、国内企業全体の99%で、従業員の数で言えば約7割ですから、そこへの影響が私はすごく気になります。要は収益構造が違いますから、そうそう簡単に変えられるものでもない。この辺りは政府になんとかしてもらいたい、それが政治だと思いますね。

やしろ:いつもだったら、色々なことがあったとしても、宗さま的には前向きなお話や力強い言葉をいただけますけれども、今回の円安に関しては懸念事項のほうが多そうですね。

宗正:これが金利のある時代に生じる一つの事象です。経済知識の有無によって損得が生まれる、人生も大きく変わる時代に入りました。

やしろ:ありがとうございます。宗正彰の愛と経済と宗さまと。AuDeeにて毎月10日20日30日に配信です。宗さま、今月もありがとうございました。

宗正:ありがとうございました。


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もっといろいろな経済のお話が聞きたいという方は、宗さまのAuDee(オーディー)「宗正彰の愛と経済と宗さまと」でも聴けます。毎月10日、20日、30日に配信していますので、そちらもぜひチェックしてください。


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<番組概要>
番組名:Skyrocket Company
放送日時:毎週月~木曜17:00~19:52(※コーナーは毎月第2水曜18:15ごろ~)
パーソナリティ:本部長・マンボウやしろ、秘書・浜崎美保
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/sky/

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