子供のSNS利用規制。国内外でどうなっているか

ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、8月27日の放送に元・日刊スポーツ編集局長でジャーナリストの久保勇人が出演。子供のSNS利用規制について、国内外でどういう動きがあるのか解説を展開した。

長野智子「(SNSの規制について)こども家庭庁が議論を続けている、とのことで。日本ではどういう状況なんですか?」

久保勇人「こども家庭庁と総務省が議論を続けていて、前者が軸になっています。今年1月から有識者会議を開いていて。7月末に中間報告をまとめて。これからさらに議論を進めて年末までに、なんらかの最終報告をまとめます。それをもとに政府は来年、通常国会で現行の法律を改正していくことを目指す、と言われます」

長野「はい」

久保「いまの世界の流れで、焦点の1つが年齢によって使用を制限するか、というところです。こども家庭庁の中間報告では、引き続き議論を重ねて、実態に即した子供の保護のあり方を構築していくことが重要で、継続審議、みたいな言い方をしています。ところが総務省の有識者会議では、年齢制限は望ましくないのでは、という意見が出ていて、慎重になっている、と。これが今後、どのような結論になるのかは見通せないという状況です」

長野「すごく日本らしい。世界だとトライアル&エラーみたいにどんどんやっているな、と」

久保「こども家庭庁の中間報告の中では、いま親御さんと子供さんの端末を連携させるような機能がある、それを強化すべきではないか、と。あと事業者に対して保護措置を義務づけたり、技術的に良い手段を開発するよう促したり、と議論しているようです。ではいま世界がどのような状況か。今年はSNSの規制元年、といった大きな潮流ができています」

長野「はい」

久保「アメリカではすでに10数州、州ごとの規制が先行していて。国としてはオーストラリア、去年12月に法律が施行されて、16歳未満の利用を禁止しました。依存を生んでしまう設計がなされていることをすごく問題視して。事業者側に責任を課しましょう、という建付けです。16歳未満のアカウントを削除したり提出したり。新規に作成することもできないように、ということをまとめている」

長野「はい」

久保「そういった措置を事業者に求めて、違反した場合は罰金をもらうんですね。オーストラリアを皮切りにインドネシア、マレーシア、中国、イギリス、スペイン、ノルウェー、デンマークなんかも、理由禁止や規制、という方針を打ち出しているところで。対象年齢はいずれも15歳や16歳未満になっています。EUもこの間、加盟全域で13歳未満に対して利用を制限していく方針を打ち出します、と発表したところです」

長野「へえ~!」

久保「こういう規制の動きと同時に、事業者側に対する裁判も世界あちこちで行われていて。今年、最も注目されたのがアメリカの29州が連合でInstagram、Facebookを運営しているIT大手のMeta社を訴えた、という大型裁判が8月半ばに始まったんです。若者を依存させるよう設計されているではないか、と。悪影響がある、ということを訴えて、いいね機能や無限スクロールを禁止しなさい、ということを求めた裁判です」

長野「はい」

久保「Meta側はもちろん反論しました。排除すれば少なくとも32兆円ほどの損害賠償、と言われました。ところがきのう、飛び込んできたニュースで。この訴訟も含めてアメリカ52の州、地域から出ていた訴えについて、一括して和解した、という報道が出ました。Meta社は和解金を2兆8600億円払う、と。だいぶ減りましたが巨額ではあります」

このあとも国内外のSNS事情について久保が語った。

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村上春樹「それはAIが持ち合わせてはいないものです」“小説家脳”について語る

作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00~19:55)。9月27日(日)の放送は「村上RADIO~くたばれ、アカデミー賞~」をオンエア。今回の放送では、「アカデミー主題歌賞にノミネートされながら、惜しくも受賞を逃した名曲」を特集。受賞作の影に隠れながらも今なお世界中で愛され続ける1960年代の名曲を中心に、村上さんこだわりのアナログ盤音源でお届けしました。ヘンリー・マンシーニやバート・バカラックといった巨匠たちの楽曲をはじめ、賞の裏側にあるドラマや村上さん自身の思い出、さらには昨今話題の「AIと創作活動」についての貴重なトークまで、時代を超えて愛される音楽の魅力にあふれたひとときとなりました。
この記事では、クロージング曲と「今日の言葉」について語ったパートを紹介します。


「村上RADIO」



<クロージング曲>
「My Foolish Heart」


今日のクロージング音楽はリッチー・バイラークの演奏する「マイ・フーリッシュ・ハート」です。名曲中の名曲ですが、タイトルを同じくする映画の方はひどい出来だったですね。原作者のサリンジャーが激怒したのも無理ないです。それ以来、サリンジャーは自作の映画化をいっさい拒否するようになりました。

今夜の特集「くたばれ、芥川賞」じゃなくて、えーと、なんだっけ、「くたばれ、アカデミー賞」……お楽しみいただけましたでしょうか?
表舞台で華やかに賞を受けたものだけが、素晴らしいわけじゃありません。裏通りにも美しい花がこっそりと咲いています。

*

さて、今月の言葉はマルティン・ブーバーというオーストリアの哲学者の言葉です。1878年に生まれた人ですから、かなり昔の発言になりますが、彼はテクノロジーと人間の関係について、このように語っています。

「テクノロジーが私たちを非人間化する前に、私たちがテクノロジーを人間化する必要がある」

うーん、つい数年前までであれば、この言葉、たしかにその通りだよな、と思えたんだろうけど、AIなんてのが出てきた今となっては、「テクノロジーを人間化する」と言われても、なんか薄気味悪ささえ感じてしまいますよね。そんなことしたら、世界はえらいことになっちまうんじゃないか、とね。
僕も最近「AIが上手に小説を書くようになったら、小説家にとっては脅威になるんじゃありませんか」みたいな質問をよく受けるようになりました。
でも簡単にいえば、AIって人間の基本的な思考パターンをベースに、これまで蓄積された膨大な量の情報を手早く組み立て直しているだけなんですよね。でも本物の小説を書くのって、それだけじゃ足りないんです。そこには論理を超えた予感やら妄想やら、矛盾した感情やら、突然の飛躍やら、そういうものがなくてはなりません。僕はそれを「小説家脳(小説家の脳みそ)」と呼んでいるんですが、でもそれはAIが持ち合わせてはいないものですよね。
だから僕としては今のところ、AIをとくに脅威だとは感じていません。逆にAIが僕らのことを脅威と見なしてくれたりすると嬉しいんですけどね。

それではまた来月。

<番組概要>
番組名:村上RADIO~くたばれ、アカデミー賞~
放送日時:9月27日(日)19:00~19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/

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