安堵したとき突然、捜索。東京五輪談合事件とはなんなのか

大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日11時30分~15時)、10月22日の放送に元検事で弁護士の郷原信郎が出演。9月に発売となった、イベント制作会社セレスポの名誉会長である稲葉利彦との共著『特捜検察という名の権力ヤクザ 東京五輪談合事件・人質司法との死闘』にちなみ、東京五輪談合事件の実態について解説した。

大竹まこと「今回の御本は『特捜検察という名の権力ヤクザ 東京五輪談合事件・人質司法との死闘』。すごいタイトルです。共著の稲葉利彦さんはどういう方ですか?」

郷原信郎「『権力ヤクザ』にとんでもない目に遭わされた、セレスポという会社の名誉会長、事件当時の社長です」

大竹「この中に多く書かれているのは、東京五輪談合事件。2022年11月25日の読売新聞朝刊の記事が引用されています。 “東京五輪、パラ五輪のテスト大会事業をめぐる入札談合疑惑で東京地検特捜部と公正取引委員会は独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で電通などの捜査を始めた。大会組織委員会が発注したテスト大会の入札は電通など複数の企業の間で受注調整が行われたとみている。(中略)特捜部は電通のほか総合イベント会社、セレスポにも捜査に入った”。どういうことですか?」

郷原「こういう新聞記事を見ると、いかにも東京五輪大会の業務が、業者に食い物にされた、うまい汁を吸われた、と思ったことでしょう。全然違うんです」

大竹「違うんですか」

郷原「この記事が出て、自分たちの会社に検察の強制捜査が入る、そう聞いたときセレスポの人たちは青天の霹靂、驚天動地ですよ。前年の東京五輪大会までどんな思いで仕事をしてきたか。結局、無観客でやることになった。大変な思いをして、どうにかやり終えた。五輪も一応、無事に終わったということで安堵した、充足感に浸っていた。そこに突然、『おまえたちは犯罪者だ』という扱いを受けて。捜索に入られたわけです」

大竹「どんな容疑なんですか?」

郷原「談合だというんです。東京五輪大会のテスト大会の業務の入札で談合した、と。でも普通、談合というのはこの業務を皆でどのように配分するか相談するものです。いろいろな業務、入札の案件がある。これは、この会社、と話し合う。そんなことしていないんです。たくさんの案件がある。いろいろな競技の組み合わせで、そこに実績のある業者がしっかり入っていないと、うまくいかない」

大竹「そうですねえ」

郷原「A競技、B競技、C競技とある。業者によって得意な競技が違うでしょう。得意な競技の組み合わせを決めないと入札に参加できませんよね。そのための話し合いは当然、必要です。でも全体でどうやって業務を分け合う、利益を出し合う、なんていう相談はしていないんです。話し合い自体がないんですよ」

青木理「電通が全体を仕切って、総合イベント会社のセレスポがそれに詳しいから、電通の下に入っていた?」

郷原「そうではないんです。そういう案はあった。電通が全部を一括して受けて、それを配分する、と。でも結局、やらなかった。全部、入札でやった。全部といっても実績のある会社に受注してもらわないといけない。人気のある物件、そうではない競技などがある。人気競技に集中したら、人気のない競技はどこもやらない、ということになる。発注者としては『実績のある競技の入札に参加してくれませんか』と声をかけます」

大竹「はい」

郷原「声をかけてもいい。そこにほかの会社も入ってきて競争になればいい。なんの問題もないのに、声をかけた。応じた。それが違反だ、談合だ、というんです。そういう理屈で独禁法違反が仕立て上げられたというか。違反でもなんでもないものが談合、犯罪にされてしまった。それがこの事件なんですよ」

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アメリカ中間選挙とスポーツの関係、2028年のロサンゼルス五輪にも影響を及ぼす

ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、10月22日の放送に元・日刊スポーツ編集局長でジャーナリストの久保勇人が出演。2028年のロサンゼルス五輪への影響を含め、アメリカ中間選挙(現地時間11月3日投開票)とスポーツの関係を解説した。

久保勇人「(アメリカ中間選挙について)いまの情報を見ると、どうもトランプ(大統領)さん率いる共和党が上下両院で負けるのではないかと予想され、支持率もどんどん下がってきている状況です。トランプさんが苦境に陥っている、と。その選挙結果がひどくなった場合、いまアメリカで報道が出ているのは、大統領が暴走してしまう、選挙結果を認めないような状況になるかもしれない、ということです」

長野智子「また『盗まれた』とかね」

久保「そういうことでアメリカ政治の混乱や分断が加速していくのではないか、という危惧が主要メディアで観測されています。当然、イラン情勢や中東各地の紛争状況なども不透明になりかねない、と思われているのは間違いない。一方でトランプさんはロシアと急速に接近しています。いまの選挙の争点になっている物価高の要因である軽油の高騰、これを抑えるためにプーチンさんからロシアの軽油を輸入してもらうなど。APECでは米中露首脳会談を開きましょう、と言って」

長野「プーチンさんも乗り気だ、というニュースも入りました」

久保「こういうタイミングで、そのとおり推移していくと、間接的かもしれないけどロス五輪(2028年ロサンゼルス夏季五輪)にも影響が出るのではないか、という話をします。ロス五輪に対して国際オリンピック委員会(IOC)は対策と思える動きを始めています。IOCはウクライナの侵攻を受けて併合宣言を受けたウクライナ南東部のスポーツ組織の管理をロシアオリンピック委員会がする、といったことに対し、五輪憲章違反だ、と」

長野「はい」

久保「そういうことで23年からロシアオリンピック委員会の資格停止処分を出しています。ロシアの選手は24年のパリ五輪、今年冬のミラノ・コルティナ冬季五輪、国としては出場できず、中立な立場で個人競技のみ出たんですね。その選手も軍や治安機関の関係者や戦争を明らかに支持しているようなアスリートは排除しました。ところが7月、IOCがロシアに対する制限を取り下げる、となったんです」

長野「ええっ? どうしてなんだろう」

久保「これによってロシアは中立の個人の参加資格ではなく、従来どおり国の代表として28年のロス五輪に参加できる道が開かれたんです。これに対してIOCはどういう説明をしているか。選手の国際大会への参加は自国の政府が戦争や紛争に関わることによって制限されるべきではない、と。そういう理由のもとに今回、政策を解除したんです。ウクライナ侵攻のときに制限したことと矛盾しますよね」

長野「当時も議論はありました。努力した選手が気の毒ではないか、と」

久保「矛盾しているけど、7月にあえてそういう判断をくだした。当然、ウクライナやイギリスはすごく批判していて、ロシアは歓迎しているわけです。これを受けて各競技団体にも動きが出ています。なぜかといえば28年のロス五輪に向けて、予選が始まるわけですよ。先日もオランダで体操の予選が行われました。各競技団体も自分の競技をどうするか判断しなければいけない。対応が分かれていて、たとえばバイアスロンや陸上は政策を継続します、と。水泳は国を代表するかたちでロシアの出場を認めます、としているんです」

長野「ほう」

久保「FIFA、サッカーはロシアの代表やクラブチームの出場は制限しているけど、解除を検討します、ということを表明しました」

このあとも各競技団体の対応、IOCの動向などについて久保が解説した。

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