手染めにこだわり120年!端午の節句を前に五月幟を制作する佐賀県小城市の工房へ

5月5日は端午の節句。男の子の成長を祝って立てる「五月幟(のぼり)」制作の最盛期を迎えている佐賀県小城市牛津町にある「城島旗染工」に、RKBラジオのキャスタードライバー・スナッピーが訪れ、4月15日のRKBラジオ『Toi toi toi』でリポートしました。(報告・スナッピー前田愛美)

大小さまざまな五月幟を展示

まずは展示室へ。見てびっくり、大迫力の五月幟が、天井から床へとまるで滝が流れるように飾られています。立身出世や厄除け、健やかな成長を願って、武将や馬の絵が描かれているものがほとんどですが、今年は辰年ということもあって、龍の絵柄が大人気だそうです。

親が若い世代だと、黒地にゴールドを注文する方も多いとのこと。

大きいものばかりではありません。マンションやアパートに住んでいて「敷地に大きな五月幟を飾ることができない」という家庭向けに、タペストリー型もあるんです。
 

工房に漂う米ぬかの香り…なぜ?

続いて工房へ。入った瞬間びっくり! 米ぬかの香りがしたんです。城島旗染工の4代目・城島守洋社長によると、絵の具どうしが混ざって色が濁らないよう、いわば「防波堤」の役割を米ぬかが担っているのだそう。色を塗る前に、米ぬかで型を作っていきます。この技法は、約120年前の創業当時のまま変わっていないということでした。
 

米ぬかが固まった後に、色を塗っていきます。米ぬかが塗られているところは絵の具がはじかれます。絵の具が乾いたあとに水槽につけると、米ぬかがふやけて、それがきれいに取れるのだそう。昔ながらの技法ってすごい!

五月幟1本を作るのには10日から20日かかるそうです。飾る家庭が少なくなったのに加え、子供の数も減って、50年前と比べても、五月幟の制作は減ったそうですが、最盛期には100本近い注文を受けています。「お子さんやお孫さんに対する愛情はいつまでも変わらない。だからこそ、一本一本、手間暇かけて制作している」と教えてくれました。

スナッピーも色塗りを体験!

五月幟の値段は1本およそ10万円。もちろん商品を触ることはできませんが、今回特別に来年、展示室に置かれる予定の見本品の色塗り作業を体験させていただきました。

事前に城島社長とみっちり練習して、いよいよ本番。歌舞伎役者が見得を切ったときのような、迫力のある武将の顔の頬の部分に、兜からはみ出した髪の毛を塗っていきます。

一度筆を入れると、わずかな修正はできるものの、基本やり直しはききません。職人さんが普段使っているのは3cmの筆ですが、私は1cmの小さな筆を用いました。とにかく失敗は許されません。かなりの集中力が要求されます。できた作品がこちら。

「修正は必要だけど、初めてにしては上出来」との評価をいただきました! ちなみに職人さんが描くとこうなります。
 

全然迫力が違う! 貴重な体験、ありがとうございました。

手染めにこだわる

たくさんの色が使われる五月幟。赤ひとつ取ってみても、薄い赤から濃い赤までさまざまです。職人さんたちがその日の天候や湿度を基に、勘で色味を調合していますが、体調次第で多少色味が変わってくるそうです。「勘」はどのくらいで磨かれるのかと尋ねてみましたが、返ってきた答えは「5年…10年、いや15年。もうずっと修業です」でした。
 

城島旗染工では、全て手染めにこだわっています。プリントだと片面だけに色が入り、裏から見ると白いまま。一方、手染めの場合、絵の具が布の裏側までしっかりと染み込み、深みが増して全く違う風合いが出るからです。たしかに、色がパキッとしていて、青や紅の極彩色が遠くから見てもはっきり見え、迫力が違いました。

古い五月幟のリメイクも手がける

城島旗染工では、父親や祖父が生まれたときに作った古い五月幟のリメイクも引き受けています。初節句用の法被にしたり、日常使いできるような、柿渋で色を渋くしたハンドバックにしたり。

ほかにも、日常空間に溶け込めるようなタペストリーの制作にも力を入れています。「日本文化や、色の素晴らしさを世界に広めていきたい」と、ミラノやトルコ、ニューヨークといった海外でも展示会に参加しているということです。

城島旗染工の五月幟は家紋の横に鶴を描くのが特徴。この機会に探してみてください。

城島旗染工
佐賀県小城市牛津町柿樋瀬1101−3
TEL 0952-66-0101

 

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(監修:東京・池袋占い館セレーネ所属・石川白藍(いしかわ・はくらん)さん)



■蠍座(さそり座)
カード:吊るされた男(正位置)


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■監修者プロフィール:石川白藍(いしかわ・はくらん)
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