引退表明のホークス・和田毅が緊急出演!22年間の現役生活を語る

今季限りの現役引退を表明した、福岡ソフトバンクホークスの和田毅投手が11月8日、RKBラジオ『#キューパレ とらんじっとのホークスイニング0』に緊急出演。RKBホークス応援団長を務める、漫才コンビとらんじっとのあらたが、現役生活22年について、またこれからのことについて聞いた。

これからは筋肉より内臓を気にしないと…

あらた:本当にお疲れさまでした。そして大感動をありがとうございます。引退記者会見を終えて3日経って、今のお気持ちいかがでしょうか?

和田毅:いやもう、ほっとしましたね。今までずっと、日々ストレッチしなきゃいけないとか、朝起きて、肩の調子はどうかなっていう確認をしなくなりました。逆にどんどん肩の状態が良くなってきて(笑)

あらた:ちょっと待ってください! (復帰を)熱望しちゃうじゃないですか!

和田毅:3日前と比べて、肩が軽くなっています。それとなく動かしたんですけど「俺、いつもより肩の上がりいいな」みたいな。

あらた:今夜ブルペンに入ったりしないですよね? それはさておき、今シーズンも我々はみずほPayPayドームで和田さんのピッチングを見ていただけに、残念という気持ちより「なぜここまで長い間やれたのか?」っていう疑問の方が勝っちゃう。驚きというものがあるんですけど、改めて自分の野球人生を支えた大きなものって何ですか?

和田毅:自分でもここ何日か考えたこともあるんですけど、やっぱりその日々の積み重ねなのかなと。今まで寝る前ストレッチやったりとか、シャドーピッチングをして「明日はこういうフォームを試してみよう」とか。本当に日々、オフに入っても、それだけは毎日やっていましたし、365日欠かしたことがなかったので、やっぱりその積み重ねなのかなと。常に野球のことを、フォームのことを考えていたので、それをもう考えなくて済む、自分の体と相談しなくてもいいんだなと。これからは、内臓とかそっちの健康に気を配らないといけないですね。筋肉ではなくて。

あらた:これからは、やりたいことができていきますからね。引退した後、新たな悩みが生まれるかもしれませんけれど。今、長く続けるとか、毎日ストレッチのことを考えていたとおっしゃいましたけど「野球が好き」っていうことだけで、それは続けられたんですか?

和田毅:それは間違いないですね。やっぱり「練習休みたいな」とか思うときはもちろんあったんですけど、でも野球を嫌いになったことは一度もないですね。今でもそうですけど。だからこそ、好きな状態でやめられたというか、自分で身を引くことができた、引退するということを自分から言えたっていうのは、22年間一生懸命やってきてよかったなと思っています。

わくわくしたのはルーキーイヤーの西武のスラッガー

あらた:実は和田さんがホークスに入った2003年は、僕がちょうど野球を始めた年で、常にど真ん中にプロ野球選手・和田毅がいたんです。生粋のホークスファンの僕からすると、この(引退直後の)場に僕が和田さんと一緒にいるということが、大興奮極まりないんです。

和田毅:嬉しいですねそれは。

あらた:もう捨てちゃったんですけど、ビリビリになった(背番号)21番の下敷きが僕の実家にあったんです。勉強もしないで(うちわ代わりに)あおいでばかりでボロボロなっちゃったんすけど、ただ今でも“FDH”の頃が懐かしいですね。

和田毅:ありがとうございます。

あらた:プロの世界で一番わくわくした対戦相手は誰ですか?

和田毅:…誰ですかね? 年齢を重ねていくと、わくわくって言うよりも絶対抑えなきゃいけないっていう気持ちになっていたので。やっぱりルーキーのときの西武・カブレラですかね。わくわくというか、もう「ホームランか三振か」っていうバッターだったので、ちょっとでも甘く入ったら簡単にホームランにされる。でも、ちゃんといいところに投げれば打ち取れるっていうバッターだったので。「生きるか死ぬか」じゃないすけど。あるとき「ピッチャーライナーを打った」と思ったでんすよ。それで「ウワッ」て(打球を)避けたんですね。それがバックスクリーンに入ったんですよ。

あらた:どういう感覚ですかそれ? 身体の横を通ったという感覚?

和田毅:確かまっすぐ(ストレート)だったんですけど、外まっすぐ狙ったのがちょっと入ったんですよ。それを「ちょん」って打たれたような感じで、避けて「うわー、センター前に打たれた」と思って、ぱっと後ろを見たら、外野手が後ろを向いていて、バックスクリーンに入ったんです。

あらた:そのときの感情は何が一番大きいですか? 悔しい、ですか?

和田毅:いや、もう笑うしかないっすよね。(身体に)当たると思いました本当に。すごくボールが大きく見えて。

あらた:でも、わくわくして対戦した?

和田毅:1年目のときは、やられたらしょうがない、じゃないですけど新人ですし、もう「ていやっ」ていう感じで毎試合毎試合投げていました。でも年々結果を出すことで、責任も生まれますし、監督やコーチから託されて投げている部分もあったので、わくわくっていうのもちろんあるんですけど、勝たなきゃっていうところは増えていきましたね。

生まれ変わったら大谷翔平になりたい

あらた:責任感の割合が大きくなったということですね。そんな対戦を22年間続けて、165勝を積み上げましたけど、1球だけ挙げるとしたら、和田さんが持っている球種で、こいつがいたから俺は22年間プロで戦えたというものを教えてください。

和田毅:やっぱりそれはストレートですね。今でいえばフォーシームなるでんすかね。自分を支えてきてくれたボールですし、自分の場合はよく「見づらい」とか「手が空振りをしてくれるね」「キレがある」とかって言ってもらえるんですけど、このボールがなければ、22年間も現役をやれてなかったと思います。年齢が上がってからも、そこは常に追求して、自分もやっていたので、本当にねこれはばっかりはね、自分のフォームなんで、どうやって作ったかっていうとわかんないんですけど、天性的なものもあるのかもしれないんですけど、本当に野球を始めてからずっとこのフォームでやってきたので、野球があってよかったなと思っています。

あらた:まっすぐが相棒だと。

和田毅:そうですね、このストレートがなかったらプロにも来れてませんし。

あらた:きれいなフォーム、そしてきれいな球筋が持ち味ですけれど、和田さんは生まれ変わったら、なってみたいなっていう野球選手はいましたか?

和田毅:自分にもう一度生まれ変わりたいですけど、でもやっぱり大谷翔平になってみたいですね。

あらた:やっぱ大谷翔平さんなんだ! やっぱりモノが違う?

和田毅:バッターもやってるじゃないですか。投げて打って。高校、大学ではある意味ね(投打とも)野球の原点ですが、それをプロのレベルでやれるっていう…どういう感覚でやってんのかな? っていうのは感じてみたいですよね。

あらた:現役中にはあまり聞かれなかった質問かもしれませんけれど、大谷翔平さんのすごさはどういうところにあると思いますか?

和田毅:やっぱあれだけのすごい才能を持ちながら、体もそうですし能力もそうですし、多分むちゃくちゃ努力してると思うんで。あれだけの才能、ポテンシャルを持っている人が努力したら、それは勝てるわけないですよ。僕らはその何倍、何十倍努力しないとそこまでいけないのかっていうことになるので、時間が足りない。
 

いろんなところに旅してみたい

あらた:野球からちょっと離れますけど、今まで野球人生を過ごしてたくさんの我慢があったと思います。今まで我慢していた中で「もうこれやったるわ!」というものって何かありますか?

和田毅:自分の中では、いろんなところに旅したいなっていうのはあって、今まで野球では遠征先にしか全国で移動してないですし、北海道だったら札幌にしか行かないし、東北だったら仙台なので、まだ行ってないところってたくさんあるんで。シーズンオフにしかそんな時間取れなかってまずそんなとこ行けるわけないので。逆にこれから時間はたっぷりあるので、そういうところに行きたいです。

和田毅:あとは嫁さんを、ある意味ほったらかしてきたと言っても過言ではなくて、1年の半分、キャンプを入れたら半分以上家にいないので、なるべく家にいてあげたいなと思っています。

あらた:まずは旦那さん、そしてパパとしての仕事が増えそうですね。ちなみに解説のお仕事は興味があったり…?

和田毅:まだあんまりそこまでは考えてないというか、バンバンやりたいっていうのもあんまり考えてない自分もいるので。しっかりまた勉強して、言葉の深みとかっていうのも勉強したいと思います。

『ホークスイニング0』を聴いていた!

あらた:あっという間に時間がきてしまったんですけど、このインタビュー『とらんじっとのホークスイニング0』という番組で放送するんですが、和田さんはこの番組を聴いたことがあるという…

和田毅:そうなんですよ。ちょうどナイターの始まる前にやってるじゃないですか。僕がリハビリとかで帰っている途中に、RKBラジオをつけていたんです。そろそろ野球中継始まるな、と思って聴き始めたんですよ。そしたらね『とらんじっとのホークスイニング0』で、今回インタビュー受けるのはこれだ! と思って。

あらた:これからもぜひ聴いていただければ。改めて現役生活、本当にお疲れ様でした。これからも勇気と希望、感動をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

#キューパレ とらんじっとのホークスイニング0
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週金曜 18時45分~21時00分
出演者:あらた(とらんじっと)、和田毅
番組ホームページ
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※放送情報は変更となる場合があります。

10年後のメディアを考える

目まぐるしいスピードで変化しているメディアの在り方。12月10日「長野智子アップデート(文化放送)」では、元日刊スポーツ編集局長の久保勇人が10年後のメディアはどうなっていくのか問題提起した。

久保「1つは接触媒体によって分断が起きている状況があると思います。若者はテレビも見ないし、ラジオも聴かない。SNSと動画の視聴に時間を費やしています。一方、我々のような中高年はSNSにも接しているけれども新聞が発信した情報であるとか、テレビのニュースを信用している。そこで接触媒体によって情報の分断が起きているのではないでしょうか。それと数年前から言われていることですけれども【アテンションエコノミー】っていうのが全盛期になっている。日本語に直すと【関心経済】。つまり情報の価値とか内容よりも、いかに人々の注目を集めるか、それ自体が価値を持つようになっている」
長野「要するにユーチューバーですよね」
久保「つまり再生回数であったり、クリック数などを稼ぐことによって、それがお金になっていくっていう経済圏ができてるので、それによって本来の情報の質っていうのが置き去りにされていくっていう傾向が高まっているのかなと思っています」

番組では久保勇人が10年後、メディアがどうなっていくのか問題提起をしています。

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