財津和夫、ビートルズへの恩返し&親離れするために作ったTULIPアルバムが最近漫画になって感じる「やりがい」
TULIP・財津和夫が、時にはアルバムを出した経緯を振り返るRKBラジオ『財津和夫 虹の向こう側』。3月23日の放送では、ビートルズをカバーしたアルバムの思い出や、ドラマで父親役を演じた時のほろ苦な思い出についても、お話しします。
ドラマのスタッフになんとか話しかけてはみたものの・・・
番組のオープニングでは、探し物をしていたら財津が20年ほど前に出演したテレビドラマのビデオが出てきた、というリスナーのお便りを紹介しました。
こちらで改めてドラマ名を調べたところ日本テレビ系列で2006年に放送された『たったひとつの恋』と判明。綾瀬はるかと亀梨和也主演で、お便りによると、財津は娘(綾瀬)と恋人(亀梨)の交際を許さない厳格な父親役だった、との事です。
財津「なんでこんな話持ち出すんですか…もうほとんど覚えてないけど、撮影って大変という事は覚えてます。朝早いし、待ち時間が長い…演技って難しいですね。眼だけを動かしての演技は、やっぱり眼をアップして映さないといけないシーンなのに、自然に顔の表情だけで演技してると、『さっぱりわからん』とか言われてしまいました。
別のシーンでは、階段を登ってる途中、『娘役の綾瀬はるかさんに亀梨君という虫が付いてなんか変な事が起きている』と部下に報告されるんですよ。で、階段の踊り場で『なに?!』って振り向かなきゃいけない。『フン』って軽く振り向いたら、もっと怒ったように振り向いてくれと言われて、TAKE-2で起こったように振り向いたら『いや、足りない』、と、また録り直しに。俺は歌舞伎役者か、と思いましたけど、まあしょうがないから(更に怒った表情を)しました。
スタッフからは、何となく『こいつ演技下手だな、素人だな』って思われてるような雰囲気が伝わってくるんです。朝早く現場に入ってまずメイクしてもらうんですが、何か話しかけなきゃいけないかなとメイクさんに話しかけるんですけど、あんまり相手にされない。『お前どうせ腰かけてやってんだろう』みたいに思われてんだな、みたいな感じ。それからは、黙ってメイクを受けていました」
俳優業についてはいつも照れくさい話に終始する財津ですが、綾瀬はるかや亀梨和也などとの当時の交流話などもお聞きしたいものです。次回、期待しましょう。
ビートルズから「親離れ」するために作ったアルバム
二つ目のお便りも、事前説明がやや長くなる話題です。
2024年にKADOKAWAから単行本の第一巻が発売された『レコード大好き小学生カケル』という漫画があるそうですが、その内容をご紹介頂くお便りが届きました。
小学校5年生の主人公のカケルの夢は、大人になったら日本一のレコード屋を開くこと。第1話では、中古レコード屋で100円で買ったTULIPのアルバム『すべて君たちのせいさ』を聴いて涙を流す、というシーンが出てきます。
財津「ありがたいね」
下田「主人公は『心の旅、サボテンの花で知られるチューリップがビートルズに影響を受けているのは知っていたが、まさかこれほどまでにビートルズ愛にあふれたバンドだったなんて』って言って、涙を流してます」
財津「嬉しいですね、仕事をやりながら趣味でこれ(『すべて君たちのせいさ』)を出したんですけど、出せたっていうこともね、本当に嬉しかった。自分達の青春時代に決別できるっていう思いで、これから俺たちはプロとして社会人として、チューリップとしてやっていくんだっていう思いを込めて、ビートルズにまあ恩返し、決別、親離れするようなもんですよ。そんな趣味で出したアルバムに漫画の作者の方も、趣味でね、こうやって掘り出していただいて。それに、ビートルズ愛が溢れてるって言ってくれて感動してくれるなんて、いやー遣り甲斐ありました」
下田「100円でも?」
財津「遣り甲斐あったよ。何かビジネスを超えた繋がりじゃないかな」
中古レコードの場合、同じ物でもその品質(保存状態)によって値段がかなり変わる場合もあります。
下田「レコードが再ブームになっていますが、財津さんはアナログレコードをお持ちですか」
財津「アナログレコードは今、手元にはないですね、いっぱい持ってたんですけど。まさかアナログ盤にまた皆さんが傾倒していくような世の中が来るとは全く想像しませんでした」
下田「ラジオでも、時々アナログレコードでお届けしますって言ってかける事があって、そのときのプチプチっていう音がエモいっていうか、やっぱり味があるな、と思います。デジタルとの音質の違いを感じるからでしょうか」
財津「なんか温かみがあるとか、よく言いますよね。いろいろ善し悪しはあると思うんですけど、僕らはアナログでレコーディングやってた時は、演奏したこの楽器の音とか声とかがなかなかうまい具合に出てきてくれない。そこが本当にいつもイライラしてたんです。けど、デジタル化されてすごく細かいところまで、よく聞こえるようになった。それは嬉しいんですけど、なんか凹凸がなくてAIと恋愛してるような感じです」
下田「(笑)」
財津「やっぱり生身の女性と向かい合いたいなっていう、それはやっぱりアナログかな」
という事はやっぱりアナログの方が好きなのか、それともミュージシャンとしての生業への愛情と恋愛とは別々なのでしょうか??
今日の一曲は、漫画『レコード大好き小学生カケル』にジャケットごと登場したTULIP『All Because Of You Guys(すべて君たちのせいさ)』。1976年(昭和51年)にリリースされたビートルズへのトリビュート・アルバムともいえる『すべて君たちのせいさ All Because Of You Guys』の中で唯一TULIPオリジナルの楽曲であり、アルバム名と同名のタイトルがついています。(アルバムの最初と最後に繰り返し収録され、他の13曲は全てビートルズのカバー曲です。)
次回3月30日の放送は、通常通り18時15分(午後6時15分)からの予定です。
久々に「財津へのQ&A」をお送りします。
- 財津和夫 虹の向こう側
- 放送局:RKBラジオ
- 放送日時:毎週日曜 18時15分~18時30分
- 出演者:財津和夫、下田文代
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番組ホームページ
※放送情報は変更となる場合があります。