”キャンセル界隈”は新たな金脈?バスタオルから飲み会まで”やめる”が売れる理由

お店のタオル売り場で、細長いタオルが増えたと感じたことはないでしょうか。SNSでは、お風呂や自炊など、暮らしの何かを「やめた」と宣言する「キャンセル界隈」という言葉が広がっています。じつはいま、この「やめたい」という気持ちに向けて、企業が次々と商品を投入しています。しかも、ヒット商品が相次いでいます。なぜ「やめる」は、企業が注目する次の金脈なのか。「キャンセル界隈」という新しい市場の仕組みについて、リサーチャーのcomugiが解説します。

バスタオルを使わない・減らした人の、75.9%が「満足」

一般的なバスタオルを使わない人や、使う回数を減らした人の75.9%が「いまの生活に満足している」と答え、「不満」はわずか6.2%でした(※)。そうした人は、あわせて全体のおよそ3割にのぼります。

受け皿になっているのが、バスタオルより細長いタオルです。同じ記事によると、代表格の「バスタオル卒業宣言」は2018年発売で累計550万枚を超え、2025年には販売が過去最高になりました。さらに歴史が長いのが2006年生まれの「ホテルスタイルタオル ビッグフェイスタオル」で、「#バスタオルやめました」というハッシュタグを掲げる販売元の発表では、累計1,000万枚を超えています。

乾きにくく、かさばるバスタオルをやめても、体は拭ける。やめた人たちのあいだでは、「やめてよかった」が、もう多数派なのです。

※「バスタオル、キャンセル派が3割 部屋の狭さ・物価高から小さめ台頭」日経MJ、2026年8月16日

この市場は、流行語より古い

「キャンセル界隈」という言葉が広がったのは2024年です。ただ、手間をやめさせてくれる商品は、それよりはるかに前から売れていました。

アイロンのいらないワイシャツ「NON IRONMAX」は2009年発売で、累計1,700万枚。朝の洗顔から化粧下地までを1枚で済ませる朝用シートマスク「サボリーノ 目ざまシート」は2015年。こすらずに洗える浴室用洗剤「ルックプラス バスタブクレンジング」は2018年に出て、シリーズ累計出荷は1億3,000万個です。

先ほどのホテルスタイルタオルも2006年生まれでした。つまり、流行が市場を生んだのではありません。手間を引き算する商品は十数年前からずっと売れていて、2024年に起きたのは、名前がついたこと。

しかも、ただの名前ではありません。時短やタイパが「かかる時間が何分減る」という機能の言葉なのに対して、キャンセルは、予約や約束を自分の意思で取り消すときの言葉です。仕方なく省くのではなく、私がやめると決めた、という宣言が入っている。「選んでいるのは自分だ」という気持ちの側の名前がついたことで共感が集まり、バラバラに売られていた時短の商品が、ひとつの流れとして見えるようになったのです。

「やめる」を「卒業」に翻訳する

では、企業は「やめたい」をどう商品にするのでしょうか。

ヒントは、名前の付け方にあります。「バスタオル卒業宣言」の開発担当者は、名前を決めるとき、単に「やめる」と言うと、これまでの暮らしを否定するように聞こえると考えたそうです。

そこで選ばれたのが「卒業」でした。卒業なら、これまでを否定せずに、次へ進める。やめることが、ひとつの達成になる。

同じ発想はほかにもあります。作り置きおかずの宅配サービスが、料理を休む時間を贈り物にした「料理おやすみカード」を数量限定で売り出したことがあり、味の素が2024年に始めた宅配冷凍弁当のサービスは、その名も「あえて、」。仕方なく手を抜くのではなく、自分で選んでやめる。

企業は「やめる」をそのまま売らず、卒業、おやすみ、あえて、と前向きな言葉に翻訳してから売るのです。

相手がいるときは「乗り換え」を売る

もうひと工夫が要るのが、相手のいるキャンセルです。

人付き合いや行事を一方的にやめると、関係そのものが壊れてしまいます。そこで売られるのは「やめる」ではなく「乗り換え」です。

年賀状をやめたい人には、「年賀状じまい」のあいさつ文例やデザインを用意するサービスがあり、やめること自体を礼儀正しいあいさつに変えてくれます。飲み会も、お酒を抜いて集まる楽しさだけを残す形が広がりました。ノンアルコール飲料の市場はメーカーの推計でこの10年におよそ1.6倍となり、キリンの「グリーンズフリー」は累計2億本を超えています。

やめたいのは、人付き合いそのものではありません。年賀状の準備やお酒の席といった、負担の重いやり方のほうです。つながりは残したまま、やり方だけを軽くする。相手がいる場面でも、売られているのは「引き算」なのです。

「睡眠キャンセル」には、商品が見当たらない

一方で、商品になりにくいキャンセルもあります。代表が「睡眠キャンセル界隈」です。

夜更かしで睡眠を削ってしまう、という意味の言葉で、「睡眠キャンセル」は検索分析会社が去年の夏に公表した集計で、月に平均およそ1,450回検索されていました。ところが、睡眠キャンセルを応援する商品は見当たりません。同じキャンセルでも、「コンロキャンセル界隈」には、電子レンジで一品作れる調理の素があるのに、です。

理由は単純で、コンロをやめても、料理という結果は残ります。バスタオルをやめても、体は乾きます。しかし睡眠をやめると、休息という結果そのものが消えてしまう。ここに、この市場のいちばん大事なルールがあります。商品になりやすいのは、結果はそのままで、手間だけを引き算できるキャンセルなのです。

キャンセルは、お金の節約とはかぎらない

もうひとつ、見逃せない特徴があります。キャンセルは、必ずしもお金の節約ではない、ということです。

お風呂をキャンセルする人はドライシャンプーを買い、自炊をやめる人は冷凍の宅配食を頼む。宅配食のnoshは、会社の発表で、今年7月に累計1億7,000万食を超えました。最近では、お金を払って飲食店の行列に並ばずに入れる「TableCheck FastPass」という優先案内サービスまで登場しています。

背景にあるのは、お金というより、時間と気力の不足です。人材サービス会社の調査では、仕事を終えて帰宅した時点で残っている気力が、ゲームでいう残りHP30%以下だと答えた人が55.7%いました。今年7月の日本生産性本部の調査でも、副業を「将来的には行ってみたい」と答えた働く人は27.6%と、2020年の同じ調査から12.6ポイント下がっています。

理由まで尋ねた調査ではありませんが、本業のあとにもうひとつ何かをする余裕が、細っているように見えます。「やめたい」という気持ちの正体は、使える時間と気力が、もう残り少ないことなのです。

浮いた時間とお金は、報われる場所へ

では、やめて浮いた時間とお金は、どこへ行くのでしょうか。推し活をしている人への調査では、48.7%が推し活のために節約をしていて、節約している人が削るものの1位は食費でした。

この調査が、キャンセルとのつながりを直接示したわけではありません。ただ、ここからは、ひとつの見立てができます。報われない出費を引き算して、報われる出費に足す。キャンセルとは、消費をやめて市場から出ていくことではなく、お金と時間の使い先を、自分の努力が報われる場所へ動かすことなのです。

だから企業は、この流れを追いかけます。「キャンセル界隈」が金脈に見えるとしたら、そこにいるのが「買うのをやめた人」ではなく、「使い先を選び直している人」だからです。引き算は、あきらめではなく、次の足し算のためにある。「やめる」が売れる時代の裏側には、そんな消費者の姿があります。

<コムギコ:資本主義をハックしろ!!>
毎日ニュースを100本を読むビジネス系VTuberのリサーチャーであるコムギ(comugi)が、日々の経済にまつわるニュースを解説するビデオポッドキャスト。

(TBSラジオ『コムギコ:資本主義をハックしろ!!』より抜粋)

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ドラフト制度を落語界も導入!? 春風亭一蔵がメリット解説「めちゃめちゃ修行する」

落語家の春風亭一蔵がパーソナリティを務めるラジオ番組『春風亭一蔵 ラジオマガジンフライデー!』(文化放送・金曜日午前8〜11時30分)10月23日の放送では、パートナーの水谷加奈アナウンサーとともに、気になる様々なニュースについてトークを繰り広げた。

水谷「ニュース一蔵キャッチアップ。まずはニュースをお伝えします」

――様々なニュース紹介あって――

水谷「プロ野球ドラフト会議がきのう開かれ、アメリカ球界入りを希望している横浜高校の織田翔希投手を巨人が単独で1位指名し交渉権を獲得しました。山梨学院高校の菰田陽生選手は日本ハムが1位指名しました。青山学院大学のキャッチャー渡部海選手と鈴木泰成投手はいずれも2球団で競合し、楽天が渡部選手の、ソフトバンクが鈴木投手の交渉権を得ました。ニュースをお伝えしました。一蔵さんが気になったニュースは何でしょうか」

一蔵「ドラフトね。昨日1日、鈴本演芸場のテレビもドラフトが映し出されていてですね、楽屋で話になったんですけど、落語家もこのドラフト制度を導入した方がいいんじゃないかと」

水谷「おおお…」

一蔵「つまりはですね、入門したらプロにはなるんですけど、噺家でいうと真打ちというのは本当のプロになるということじゃないですか。だから前座二ツ目修行を、14年ぐらい終えた時に、一門ドラフト会議を開いてですね、「こいつは、本当にうちの一門で必要なのか」をまず会議して」

水谷「うわ、きつい~」

一蔵「もしも、いらないとなると「放出」ということで。例えば、うちの春風亭から放出された場合、古今亭か柳家か三遊亭か林家が取るか取らないか。取らないと真打ちになれない、みたいなのをやったら、多分、めちゃめちゃみんな修行するなと」

水谷「頑張るでしょうね」

一蔵「だから、もう取ってもらえるかどうか分からないからっていう、くだらない話をずっとしてたのが寄席の楽屋っぽくてよかったなと思ったんですけど。ドラフトにかからなかった方も、社会人になって、そこで花開いて再びドラフトというパターンだっていっぱいありますから。高校生から鳴り物入りで入る人の方が全然少ないんで、腐らずやっていこうぜって思いました」

――中略――

一蔵「これは嬉しかったね、共同通信の記事で『マクドナルドが390円セット 午後2時以降、飲料とポテトなど』ということで。これ、何のセットかっていうと、サイドメニューとドリンクのセットなんです」

水谷「あ、そうなんだ」

一蔵「そういうこと。だから、ハンバーガーじゃないですよと」

水谷「はい」

一蔵「ポテトやチキンマックナゲット、プチパンケーキなど、サイドメニューとドリンクのセットが390円になるよっていうニュースなんですが。ワタシね、この番組でも何回か言っておりますけれども中学生の時は500円玉握って。我が練馬区には光が丘公園という大きな公園がございまして、そこのバスケットゴールで、みんなでバスケやって、帰りにマック寄って、500円ワンコインでテリヤキマックバーガーとフライドポテトのMサイズとコカ・コーラを飲んで帰るというのが本当に楽しい思い出だったんで」

水谷「500円でOKだったんだ」

一蔵「500円だったんです」

水谷「そっか~」

一蔵「消費税で525円だったかな、5%で。500円玉とちょっとで、そのセットをみんなで食べて。それで帰って、また晩飯食って。このボディということなんですけど。何が言いたいかというと、この390円セット。サイドメニューとドリンクだとはいえ、若い学生さんたちが気軽に「じゃあ、ナゲットとドリンクでちょっと喋ろうよ」みたいなのが、またマックで復活できるんじゃないかな。普通のセットだと、ハンバーガーとポテトとドリンクのセットだと、結構いい値段、今するから、気軽に入れないなって思ってたところを、これを発表してくれたことによって、気軽に入れるマックが戻ってくるんじゃないかっていうので嬉しいなと、ワタクシは思いました」

――中略――

一蔵「最後! 食品産業新聞で『「いももち串」や「ポテトチップス カツ丼味」、「厚切りハムカツ」など、惣菜・サイドメニューに全4品が新登場【かつや】』というね。これね、すごいのがさ、店内で揚げてるポテトチップスよ」

水谷「おいしそう」

一蔵「店内揚げなの。これはいいでしょ、しかも、それが200円しないという」

水谷「安いですね」

一蔵「ポテトチップス、カツ丼味って、もはや何がしたいんだか分からない感じもね」

水谷(笑)

一蔵「カツ丼なの?ポテトチップスなの?と。この感じもやっぱ我が「かつや」さんは攻めてくださってるなと思ったんで、ここまででニュースのコーナーとさせていただきましょうか」

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