「国を守る名目で国民を監視する」神奈川県警の免許証不正流用

10月23日(金)、ニュースキャスター・長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・15時30分~17時)が放送。午後3時台「アップデート・コラム」のコーナーでは、「神奈川県警の免許証不正流用」というテーマで、ジャーナリスト・青木理氏に話を伺った。
神奈川県警の保土ケ谷署員が、運転免許更新で回収した旧免許証を持ち出していた問題があり、警察庁が調査状況を明らかにした。
長野智子「免許証って(期限が)切れるとパチンッと穴を開けて……」
青木理「返却してくれるところもあるんです。たとえば警視庁なんかはそういうところが多い。僕も古い免許証をパチンッて穴開けて返却されて、記念に持つ人もいるだろうし、こんなもんいらないからっつってシュレッダーにかけちゃう人もいると思うんですけど、戻すところもある。ただ、神奈川県警の場合は、どうやら今回明らかになったのは、そうやって失効した免許証を警察側が預かると言って、交通課が免許証を管理しているわけですけど、交通課から警備課、警備課っていうのはいわゆる公安警察、つまり背後に政治的なイデオロギーとか政治思想みたいなものに基づくような犯罪の捜査をしたり、ある種、そういう犯罪の抑止を名目として監視活動・情報活動みたいなことをやっている部門に免許証を全部渡していたと」
長野「とんでもないですよね。過激派とか右翼といった関係者の顔写真の収集などの目的で流用していたっていうことも伝えられている、と」
青木「それだけ聞くと『過激派を捕まえるためだ、あるいは右翼を監視するためだ、そりゃあしょうがないじゃないか』っていうふうに思われてしまうかもしれないんですけれども、これはまず個人情報保護法に基本的に違反している。顔写真なんていうのは極度にプライベートな情報ですよね。いまはたとえば顔写真があれば、それこそカメラ映像に顔認証システムみたいなものと一緒に入れれば、どこで誰が写っているかなんていうのは一発でわかってしまう世の中なので、本当に防犯カメラ映像なんかと重ね合わせれば、その人のプライバシーが相当明らかになっちゃう。だから、個人情報保護法違反であるってことが一つ。それからこの過激派って、誰が過激派なのか、誰が過激派と捉えるのかっていうのは、これは警察がある種、考えるわけですよね。特に公安警察が考えるわけじゃないですか。そうすると本当にテロをしている人、あるいはどこかでゲリラ活動をしている人みたいなのを捕まえるっていう名目で使っているのか、それとも自衛隊の情報機関が、本当に一般市民の性的嗜好も含めたプライバシーデータを集めてたみたいなことと同様、そういうことをついつい情報機関とか治安機関っていうのは集める。つまり『国を守るんだ』っていう名目の下に、実は『国民を監視する』っていうようなところにすぐ落ち込んでいってしまうっていうのが、古今東西、政治体制の左右を問わない情報機関とか治安機関っていうものの本質だっていうことは歴史が教えるところで。だからこそこういう情報をきちんと適正に使ってもらわなくちゃ困るんだけれども、神奈川県警の場合は、免許証そのものを全部渡していたっていうのは、これはやっぱり非常に怖い市民監視社会みたいなものにつながりかねない、そこに無自覚であった神奈川県警の問題点っていうのは強く言わなくちゃいけない」
