歌舞伎俳優の中村鶴松、名古屋御園座の舞台では、幕前でのフリートークにも挑戦
TOKAI RADIO『Morning Delight』(日7:00~10:00 DJ川本えこ)4月9日の放送に、歌舞伎俳優の中村鶴松がゲスト出演した。インタビューは、陽春花形歌舞伎上演中の名古屋・御園座の楽屋で行われた。演目は、昼の部が「お染の七役」夜の部が「会談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)」。鶴松は「どちらの演目も変にストーリーを考えずに、早変わりを楽しむだけでもメチャクチャ楽しいと思う」と話した。
鶴松は、一般家庭から歌舞伎の世界に入った。「児童劇団に入って舞台に立っていたが、子供ながらに歌舞伎の虜になった」という。鶴松は「今思うと不思議。歌舞伎は難しい。正直、子供が見て、楽しめたり、わかりやすかったりするわけではないと思うが、何か、引き付けられるものがあった」と言い、そして「普通の演劇とは違って、日常と一番かけ離れている芝居で、そこに魅力を感じたのだと思う」と続けた。
また「幼いときは、どんな演劇を見ても、それほどわからないと思う。そんな中で、歌舞伎は視覚的に派手なので、あらすじや言葉がわからなくても、何か、すごいと、細胞レベルの興奮みたいなものはわかるんじゃないかなと思う」と分析した。
今回の演目、昼の部「お染の七役」は、油屋の娘お染と丁稚久松の悲恋と、御家騒動を綯交ぜにした物語。見どころは、中村七之助の早替わり。久松は、腰元お勝を演じる。また、夜の部「怪談乳房榎」は、中村勘九郎の三役早替わり、本水を使った立ち回りなどが見どころ。「存命中の俳優では、勘九郎さんだけが演じられる演目」と鶴松は説明した。
そして、鶴松は、夜の部で、舞台番も務める。今回は本物の水1トンを使う滝のシーンがある。その準備が整うまで、幕の前でしゃべるという役目を担う。鶴松は「台本なしで7分ぐらいしゃべらなければならない。準備ができた合図が来るまで終われない。しゃべる内容は決めているが、いつ、セリフが飛んでしまうか、毎日ひやひや」と話した。
「陽春花形歌舞伎」は、名古屋・御園座で、4月22日まで上演される。「お染の七役」「怪談乳房榎」両演目ともに、早替わりがみどころで、鶴松が言うように「ストーリーを追うことにとらわれ過ぎず、楽しむ」のもいいようだ。
- Morning Delight
- 放送局:TOKAI RADIO
- 放送日時:毎週日曜 7時00分~10時00分
- 出演者:川本えこ、中村鶴松
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