radiko2023ランキング在京エリア首位!『ニッポン放送ショウアップナイター』煙山光紀アナ&真中満インタビュー

2023年radikoで在京エリアにおいて一番聴かれたラジオ番組に『ニッポン放送ショウアップナイター』が輝きました。プロ野球を試合終了まで完全実況生中継している大人気ナイター中継番組で実況を担当しているニッポン放送の煙山光紀アナウンサー、ニッポン放送解説者の真中満さんに神宮球場でインタビュー。番組の魅力や中継での心構え、展望などを聞きました。

リスナー代表として『ショウアップナイター』を特等席で聴く立場の使命感(煙山)

――『ニッポン放送ショウアップナイター』が在京エリアに加え、40代・50代男性で一番聴かれたラジオ番組となりました。

真中:この仕事をする前から車に乗る時は『ショウアップナイター』を聴くのが習慣でした。僕もヘビーリスナーなんですよ(笑)リスナー側からすると、試合の展開や流れが素早くわかるところがこの番組のいいところじゃないかなと思います。今までやってきた、学んできたことで培った真中満の感覚と自分の言葉で試合中に起こったプレーや野球の面白さについて伝えられるのはうれしいですね。

煙山:実況席の横には一流の選手または監督だった方が解説者として座っていて、直接わからないことを教えてもらえる特等席なんです。この席に座る以上、使命感としてはナイターを聴いているリスナーの皆さんと感覚を共有できないと意味がないと思っています。だからいつもリスナーと同じような視点で解説者に質問しつつ、リスナーが気づかないようなことも聞いていく。個人的には一番恵まれている特等席ですけど、『ショウアップナイター』リスナー代表としてちゃんと解説者に聞いて伝えないと…というプレッシャーもありますね。

ファミリー感、ワイド番組的な要素もあるプロ野球中継『ショウアップナイター』

――1966年からスタートした『ニッポン放送ショウアップナイター』。その歴史や番組の特徴を教えてください。

煙山:もともと普通のレフトフライを「客席に入るかー!?」みたいに多少盛り上げて実況するところからスタートしているんです。おそらく入らないなと思っていてもある程度は期待をする。「はいレフトフライです」と伝えるよりは「ボールは高く上がりすぎたのか…入るのかどうなのか…野手がレフトフェンスに手をついた!捕ったー!」くらいは盛り上げる。そこがショウアップの始まりですね。ナイター中継の原点である得点やイニングを伝えることを守りながらショウアップする。これを各球場の放送席と有楽町にあるニッポン放送のスタジオにおいて総がかりでやっているような感じですね。

スタジオ担当アナウンサーの名前を中継の中でも言うようにしていて、みんなでやっているファミリー感も特徴だと思います。それとワイド番組的な要素もあるプロ野球中継という感じでしょうか。その時に流行っているものを取り入れたリスナープレゼント企画、今年では横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智選手が日本に帰ってきてすぐのインタビューを流すなどいろいろな企画を総合的に入れています。

実況にプラスアルファの詳細情報をわかりやすく伝えたい(真中)

――ナイター中継を担当する上で心がけていることはありますか?

真中:映像がないので音で聴いても試合の流れやプレーがわかるように伝えられればと。実況の煙山さんが状況を説明してくれるので、そのプラスアルファで「今こんなプレーでしたよ」とより詳しい部分を話せると聴いている方がイメージしやすいのかなと思ってやっています。

煙山:一番はやっぱり意外と思われるかもしれないですけど、イニングと得点。いつも家で担当したナイター中継の録音を聴いていて「今、言えー!なんで言わないっ!」とツッコんでいるんです。亡くなられた『ショウアップナイター』の大先輩アナウンサー・深澤弘さんからの「1分に1回はイニングと得点」をとにかく何より最優先にしていますね。特に一番盛り上がっているところは絶対抜けちゃダメ。抜けたらもう台無しなると思うくらい守っています。

真中:いつも『ショウアップナイター』を聴くのは車に乗っている15分とか30分くらいの時間なんです。車に乗ってラジオをつけた瞬間に点数などがわからないと「誰が打っているとかいいから何対何なの?何回なの?」って思うんですよ。だからそこはさすがですね。

煙山:そうですね。どんなに「すごいぞ!」と言っていても5回表で9-0なのか、9回裏で1-0なのかで全然違うじゃないですか。イニングと得点を言ってあげないと「このアナウンサー、めっちゃ盛り上がっているけど…今は何回でどっちが何対何で勝っているの?」とリスナーの方が全然入り込めなくなってしまう。基本のところを絶対守りながらもおもしろい中継をするようにしていますが、イイ感じで掛け合いもできて想定したストーリーもうまくいっている時って意外と得点とイニングが抜けるんですよね。

2015年真中監督が成し遂げたヤクルトのリーグ優勝実況秘話

――『ショウアップナイター』で印象に残っている試合を教えてください。

真中:僕は雨で何度か中断して40分間つながなきゃいけなかった去年の試合ですね。30分待って、また20分待って…合計3回くらい中断したんです。その時に改めてこの仕事は過酷だなと思いました。優勝的なゲーム展開のサヨナラ勝ちよりも印象深いです。

煙山:中継って試合に恵まれるかどうかが大きいんですよね。自分の調子が良かったのが2016年に広島カープが読売ジャイアンツを下してリーグ優勝した時の東京ドームの試合。広島の黒田(博樹)が投げて、相手が(マイルズ・)マイコラス。逆転勝ちで試合内容も良かったんです。いつも優勝時期は緊張するんですよね。初めての優勝実況は真中さんが監督をされていた2015年。神宮球場でヤクルトスワローズがリーグ優勝した時だったのですが…。

真中:なんでっ!僕が優勝した時の試合にしないんですか!??(印象に残っている試合)そっちに変えてくださいよ(笑)

煙山:変えますけど(笑)。人生初の優勝実況だったので、どんな感じでやるか手探りだったんです。2015年は正直自分では出来が悪かった。リベンジしたくてもリーグ優勝なんて運だから当たらないだろうなと思っていました。でも2016年に広島のリーグ優勝を担当できてリベンジできたんです。実は2015年のヤクルトがリーグ優勝した試合を担当するはずじゃなかったんですよ。優勝の前日普通に取材していたら、いきなり雨で中止ですと。「え、明日の担当俺じゃん!」と思って、そこから緊張して結構もがいていたんです。

真中:あの日は雨で試合が流れたんですよね。優勝した日は延長11回までいって結構大変な試合だったじゃないですか。

煙山:真中さんがおっしゃるようにいい試合でした。雄平選手がサヨナラタイムリーを打って、グラウンドで真中さんが泣いていて。試合に救われたという感じでしたね。初めての優勝実況で緊張して硬くなっていたんですが、試合に引っ張られて実況内容もだんだん良くなっていって。その雨で試合日程がずれて14年ぶりのリーグ優勝を決めた日にヤクルトファンが神宮球場に大勢入れたんです。野球の神様みたいなのがいるんですよね。

真中:初の優勝実況なわけでしょ。それが一番の思い出なんですね。二番目じゃなくて(笑)

真中さんに「芸人かと思いました」とはテレビではなかなか言えない(煙山)

――実況アナと解説者の方との掛け合い、時には脱線トークも『ショウアップナイター』の魅力ですよね。

煙山:高校生の頃、1978年の初優勝をもって巨人ファンからヤクルトファンになりました。『ショウアップナイター』解説者の大矢明彦さんと若松勉さんはその頃に活躍されていた方なんです。大矢さん、若松さんのお2人は真面目な方なのでそんなに脱線トークはしないですね。エンターテイナーの真中さんとは脱線トークもありますけど、もちろん皆さんと同じく野球の話もきちんとされるので(笑)

真中:煙山さんがヤクルトファンだったとは初耳でした!この仕事をする前から結構ラジオを聴いていたんですが、僕らが難しい技術論をしゃべってもそんなにリスナーには入って来ないかなと思うんです。もちろんポイントポイントでは必要ですけどね。

煙山:真中さんがナレーションのラジオジングルを受けて「芸人かと思いました」とはテレビではなかなか言えないと思うんです。ラジオではそこまで言っても大丈夫というか。「ノーバウンドで投げましたね、始球式」と話すのもテレビでやるとウザいと思うんですよね。でも、ラジオではなんかスーッと聴けるような気がする。それも良さですよね。もちろんイニングと得点を言わずに脱線しっぱなしだと怒られますけど。

真中:僕は芸人ではなく、タレントであって野球解説者なんで。そして、アイドルじゃないからノーバウンドで投げるのは当たり前でしょ(笑)真面目な話をすると、大差がついている10-0の試合とかあまり聴きたくないリスナーの方も多いと思うんですよ。そういう時にちょっとおもしろい話を入れてもいいのかなと。煙山さんに対して絶大なる信頼があるから、タイミングを見てやっているだけなんです。

神宮球場でヤクルトのリーグ優勝実況解説を2人で

――『ショウアップナイター』において今後やってみたいことはありますか?

煙山:パーフェクトゲームと優勝実況をもう一度やってみたいです。たまたま2015年の14年ぶりと2016年の25年ぶりのリーグ優勝実況をやったので。球場の雰囲気が変わる十何年ぶり、二十何年ぶりなど間隔が空いているチームがいいですね。今だとベイスターズかな。

真中:ノーヒットノーランとかサイクルヒットとか特別なゲームには関わりたいです。1時間15分のプロ野球超最短試合とか(笑)

煙山:一緒にリーグ優勝実況をやりましょうよ!やっぱりヤクルトがいいんですかね。「ここ(神宮球場のグラウンド)で泣いていた人がここ(神宮球場の放送席)で泣いている」…みたいな。とにかく運なんで、リーグ優勝は。

【番組紹介】ニッポン放送ショウアップナイター

ニッポン放送ショウアップナイター
放送局:ニッポン放送
放送日時:毎週火曜~土曜 17時50分~20時00分
番組ホームページ
公式X

【放送日時】
火~土曜 17時50分~、日曜日 17時30分~
※延長あり、試合終了まで完全中継

ハッシュタグは「#ショウアップナイター」

※放送情報は変更となる場合があります。

この記事を書いた人

高田りぶれ(たかだ・りぶれ)

山形県生まれ。ライターなど。放送作家のキャリアを生かし、テレビ・ラジオ番組のおもしろさを伝える解説文を年間150本以上執筆。趣味は観ること(プロレス、サッカー、相撲、ドラマ、お笑い、演劇)、遠征、料理。

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レバノンでポケベル一斉爆発。大竹まこと「愚かな争いがどんどん広がっていく」

9月19日の「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)では、レバノンでイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」のメンバーらが持っていたポケットベル型通信機器が爆発し、多数の死傷者が出た件について取り上げた。

番組では朝日新聞の記事を中心に紹介。

大竹まこと「ちょっと、驚いちゃったよね……要するに、ヒズボラの人たちが居場所を特定されるからポケベルにしたと。でも配られたポケベルには、どこかで数十グラムの火薬が仕掛けられていた。それで知らずに使っているうちに、売った方の誰かが起爆スイッチを入れたと」
光浦靖子「どこで入れたのか……」
砂山アナ「一応ロイター通信は、『モサド(イスラエルの対外特務機関)が数ヶ月前に5,000個の通信機器に爆発物を仕込んだ』という、レバノン当局の関係者の見解を報じています」
大竹「詳しくはわからないけど、ポケベルを作ってる段階で、火薬を入れてるって考えるよね……? 誰かが作ったのを開いて、もう一度閉じてってことは考えにくいよね……?」

一部の報道では、ポケベルがレバノンに到着する前に、火薬が仕込まれていたとされている。

大竹「しかもこれだけじゃなくて、無線機(トランシーバー)にも仕掛けられていたんだって?」
砂山アナ「翌日には無線機も爆発して、レバノン東部で3人が死亡したそうです」

こういった攻撃は、「サプライチェーン攻撃」と呼ばれる。

大竹「愚かな争いが、どんどん輪を広げていってる感じがするね。どこまで広がっちゃうんだろう。混沌とした世界情勢を、誰かに止めることは出来ないんだろうか……」

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