深夜ラジオはこれを聴け! 27年続く『伊集院光 深夜の馬鹿力』の軌跡

30年以上ラジオパーソナリティを務め、"ラジオの帝王"の呼び名もある伊集院光さん。27年生放送で続けている『伊集院光 深夜の馬鹿力』の魅力とこれまでの軌跡をたどります。

伊集院光出演 TBSラジオ『JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』

TBSラジオの深夜番組『JUNK』で放送されている伊集院光さんの冠番組。テレビで見せる知的なイメージを覆す伊集院さんのフリートークや、ネタ職人たちのセンスが光る個性的な投稿コーナーが楽しめます。

JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力
放送局:TBSラジオ
放送日時:毎週月曜 25時00分~27時00分
出演者:伊集院光
番組ホームページ
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Twitterハッシュタグは「#ijuin」「#しんばか」

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※放送情報は変更となる場合があります。

ラジオの帝王・伊集院光

落語家・三遊亭楽太郎さん(後の六代目三遊亭円楽さん)に弟子入りする形で、芸能界デビューを果たした伊集院光さん。「伊集院光」という芸名は、当時ニッポン放送のディレクターだった安岡善郎さんによって名付けられ、以降ラジオパーソナリティ「伊集院光」として活躍の場を広げていきます。

1988年10月、ニッポン放送の人気番組『オールナイトニッポン』のパーソナリティに抜擢され、『伊集院光のオールナイトニッポン』(1988年10月~1990年9月)では、番組内で生まれた架空のアイドル・芳賀ゆいが話題となり、コアな人気を集めました。その後、夜の生ワイド番組『伊集院光のOh!デカナイト』(1991年3月~1995年4月)も担当するなど、名実ともにラジオパーソナリティとしての地位を確立していきます。

1995年10月にラジオの舞台をTBSラジオへと移し、現在も続く深夜番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』がスタート。1998年4月から2008年3月までは、日曜午後のワイド番組『伊集院光 日曜大将軍』(1998年4月~2000年10月)、『伊集院光 日曜日の秘密基地』(2000年10月~2008年3月)、2016年4月から2022年3月までは朝のワイド番組『伊集院光とらじおと』でそれぞれメインパーソナリティを務めるなど、30年近くにわたりTBSラジオの顔として活躍し続けています。優れた放送番組や関係者に贈られる「ギャラクシー賞」では、2002年度(第40回)の「ラジオ部門DJパーソナリティ賞」、『日曜日の秘密基地』で2006年度(第43回)の「ラジオ部門 大賞」を受賞しました。

伊集院さんは、自身がメディアや同業者から"ラジオの帝王"と呼ばれることに対し、しばしば苦言を呈するものの、長年積み上げてきた実績は誰もが認めるところ。ラジオでは過激なイメージが先行する伊集院さんですが、あらゆるリスナーの層や年代に伝わるよう状況描写をしていく姿勢はラジオでも徹底しており、多くのリスナーを惹き込んでいく話術は、"ラジオの帝王"と呼ぶにふさわしい卓越した芸といえるでしょう。

放送1400回超…1995年から続く人気番組

1995年10月9日、『JUNK』の一つ前の放送枠にあたる『UP'S〜Ultra Performer'S radio〜』(略称:『UP'S』、1995年10月〜2000年4月)の月曜枠として番組がスタート。番組枠の変更を経て、現在は『月曜JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』のタイトルで放送中です。番組開始以降、聴取率は同時間帯での首位を常に維持し続けており、2014年12月には放送1000回、2022年8月には放送1400回に到達するなど、深夜ラジオの代名詞的存在となっています。

番組は基本的に伊集院さん1人で進行していきますが、過去には伊集院さんと親交のある後輩芸人も準レギュラー的な役割で出演。若手時代のアンタッチャブルやオテンキ、現在は番組の構成作家を務める河野かずおさんらが体を張る特別企画も数多く行われています。TBS所属のアナウンサーもさまざまな場面で起用されており、奇妙なネタやナレーション原稿を読まされたり、無茶苦茶なキャラ設定を付けられたりするなど、盛り上げ役として番組に貢献してきました。

生放送特有のハプニングから笑いを取るために敢えて起こす「事件」まで、各業界の関係者をも巻き込みながら、深夜ラジオ史に数々の伝説を残してきた『深夜の馬鹿力』。放送30周年、放送1500回の節目も間近に迫る中、現在も深夜ラジオ全体をけん引する番組として常に先頭を走り続けます。

全ての投稿ネタに目を通す熱量

番組宛に投稿されたネタハガキやメールは伊集院さんが全てに目を通し、ネタを厳選しているのも番組の特徴です。投稿者2人分のネタを伊集院さんが手を加える形で修正し、合作として紹介されることもあります。

伊集院さんと同様に、投稿されたネタ全てに目を通すスタイルを長年続けてきているのが、『深夜の馬鹿力』とほぼ同時期から深夜ラジオのパーソナリティを務めている、ナインティナイン・岡村隆史さん。伊集院さんがゲスト出演した『証言者バラエティ アンタウォッチマン!』(2022年5月19日放送、テレビ朝日系)では「芸人ラジオ」をテーマに、『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)を特集。伊集院さんは、岡村さんのハガキ選びに対する姿勢に「下読みをちゃんとして、矢部くんや構成の反応も見ながらっていう、スターがあれをやるのはすごく大変」と、称賛の言葉を贈っています。

対するナイナイも、2022年5月19日放送の『ナイナイANN』で伊集院さんのラジオに特別な感情を抱いていることを明かし、長年、深夜ラジオの第一線をともに走り続ける伊集院さんに、感謝の想いを示しました。

毒舌、自虐、下ネタが冴えわたるフリートーク

『深夜の馬鹿力』最大の特徴でもあり、醍醐味といえるのが伊集院さんのフリートーク。開始直後、「今週気づいたこと」について話した後、タイトルコールを挟んで展開されるオープニングトークは通常20分から30分前後、話が盛り上がると番組前半の1時間近くを費やすほか、伊集院さんの気分次第で投稿コーナーの時間配分や有無も変わるなど、伊集院さんのフリートークを存分に堪能できます。

テレビで見せるような人柄の良さや博識のあるイメージとは対照的に、毒舌や自虐、下ネタなど、ラジオではタブーを恐れない歯に衣着せぬトークを繰り広げることから、ファンの間ではテレビの「白伊集院」、ラジオの「黒伊集院」と評されることも。時事ネタやプロ野球、伊集院さんがプレイしたゲームの感想、自転車にバイク、師匠・楽太郎(円楽)を始めとした落語家時代の思い出話など、フリートークの話題は多岐にわたります。伊集院さんが『深夜の馬鹿力』をライフワークにしていることもあり、この番組で初出しされるエピソードも多く、ラジオにかける想いが感じられます。

『JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』コーナー紹介

『深夜の馬鹿力』では、既存の歌を奇妙な歌詞に置き換えた「電波歌」を始めとした電波系コーナー、旬の番組や話題をネタにしたパロディなど、数々の投稿コーナーが生まれました。現在、公式サイトで募集中のコーナーを紹介します。

治そう!私のひどすぎる偏見!コーナー
「皆さんが持ってしまいがちな偏見を告白することで反省し、世の中をより良くしていこうという」という名目で、リスナーからの偏見を募集。後述の「新・勝ち抜きカルタ合戦 改」で上がりを果たした「治そう。ひどすぎる私の偏見カルタ」が人気を博し、単独コーナー化。

新・勝ち抜きカルタ合戦 改
新たなカルタを捜索するための読み札を募集するコーナー。毎週2種類のカルタを紹介し、リスナー投票で勝敗を決定。勝ち抜いたカルタは「あ行」から「か行」といったように、行を1つ進めて翌週も紹介。「わ行」まで進んで勝利すると「上がり」となりゴール。先述の「治そう!私のひどすぎる偏見!コーナー」は、ゴールを果たしたカルタの中でも人気を博したことから、単独コーナーとなって引き続き放送中。

教えて老害さん!
今をときめく「Z世代」のリスナーから「老害さん」に聞きたいことを募集するコーナー。

暮らしの裏ヒント手帖
普通の暮らしに変化をつけるため、ヒントを募集するコーナー。

Yahoo! クソ袋
「Yahoo!知恵袋」に投稿しても誰にも相手にされない、どうてもいい質問・疑問を投稿するコーナー。

■空脳アワー
リスナーが感じた「脳みそがうっかりしちゃった」、「どうかしちゃった」体験を報告し、伊集院さんが「空脳」であるかを判断するコーナー。

■あの歌はこう聞こえたら、もうオシマイ
「新・勝ち抜きカルタ合戦 改」の「ワンフレーズ替え歌カルタ」から独立したコーナー。曲のワンフレーズが「こういうふうに聞こえてしまったら、もうオシマイ」というレベルの替え歌を紹介。

■少しおもしろい
思わず力が抜けてしまうごく普通の言葉に、少しだけ「おもしろい」を足したネタを募集。過去に放送されたコーナー「普通」から派生されたもので、投稿数の多さから「1週間につき1ネタ」という制約が設けられている。

■小耳にねじ込め!
「少しおもしろい」から派生したコーナー。リスナーが最近見かけたり、耳にしたりしたニュースや情報を募集。

■いつまでもたえることなく友達でいようコーナー
森山良子さんの「今日の日はさようなら」に乗せて、短文形式でまとめられたリスナーの言いたいことを伊集院さんが朗読。15年以上にわたり募集している番組最長寿コーナー。

『JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』過去の傑作エピソード

1995年10月の放送開始から現在に至るまで、『深夜の馬鹿力』では数多くの傑作エピソードが生まれました。生放送のハプニングや後輩を巻き込んだ企画、現在では到底できない破天荒な行動など、1400回以上にも及ぶ膨大な放送の中から傑作エピソードの一部を紹介します。

ニッポン放送と決別宣言(1995年10月9日放送)
『深夜の馬鹿力』の記念すべき初回放送。ニッポン放送から「FA宣言」する形でTBSに移籍した伊集院さんは、リスナーから"ニッポン放送との決別"を要求されるものの、「ニッポン放送なんて、"今度ラジオ出てくれ"って言われてもギャラ次第!」と曖昧な宣言をしてしまい、直後に「情けねえ…」と反省しきりでした。近年は、『ゴッドアフタヌーン アッコのいいかげんに1000回』(2019年5月18日放送)や『さまぁ〜ず三村マサカズと小島瑠璃子の「みむこじラジオ!」』(2020年5月16日・23日・30日)など、不定期でのゲスト出演を果たしています。

"カミさん"篠岡美佳登場(1995年12月18日放送)
スペシャルウィークのこの回、内田有紀さんがゲスト出演。伊集院さん作のラジオドラマや質問コーナーなど、和気藹々とした雰囲気で進行していきますが、最後のゲストへのプレゼント交換の際、スタジオに隠れていた"カミさん"こと篠岡美佳さんが登場。家族への愚痴や隠し事を全て聞かれてしまい、伊集院さんは動揺を隠せずにいたのでした。

シガニー・ウィーバー登場「エンクミスペシャル」(1998年4月13日放送)
"5人のエンクミが来るぞ!"という趣旨のもと、本物の遠藤久美子さんを当てる「エンクミスペシャル」を放送。遠藤さん本人のほか、偽物のエンクミに安部譲二さん、ハウス加賀谷さん(松本ハウス)、そして映画『エイリアン4』のPRのため来日していたシガニー・ウィーバーさんが登場。大物ハリウッド女優を無理矢理にブッキングし、実際のインタビュー音源に嘘の通訳を被せる無茶ぶりを展開しました。この時の音声を加工したものは、番組のサウンドステッカーとして長らく使用されています。

天才DJへの道、苦手克服ブ~ラジャ~スペシャル(2001年6月18日放送)
当時、「ブラジャー」を正しく発音できなかった伊集院さんのために、苦手を克服する特別企画を実施。専門店へブラジャーを買いに行き、番組側で調達した黒いブラジャーを自ら着用し、ゲストとの対談を行いました。1人目の川村亜紀さんを無事に乗り切ったのも束の間、2人目はまさかの師匠・三遊亭楽太郎さん。当時の思い出を交えながら淡々と小言をたれる師匠、ブラジャー姿でしどろもどろになる弟子のやりとりが十数分にわたり放送されました。

■原付バイクで暴走「やっつけようスペシャル」(2002年10月21日放送)
スペシャルウィークを忘れていた事実を局長にバレないようにするため、伊集院さんとアンタッチャブルが奮闘した回。満足するような企画は浮かばず、最終的に「伊集院さんが原付バイクにはねられた」ことにしてごまかす流れに。伊集院さんをはねる役を務めた柴田さんが、TBS社内を原付バイクでウィリーをした結果、廊下にタイヤ痕が残るなど、スペシャルウィーク企画の中でも強烈なインパクトを残しました。2004年7月26日には、「第1回男子全裸バイク200mハードル」という名目で伊集院さんが全裸で原付バイクに乗り、TBS社内を暴れ回る様子が放送されました。

■伊集院光、ギャラクシー賞授賞式で…(2003年6月9日放送)
「第40回ギャラクシー賞 ラジオ部門DJパーソナリティ賞」を受賞した伊集院さん。番組の企画として、授賞式のスピーチ中にリスナーから課せられたワードを盛り込むこと、「おもらし」することを実行。授賞式にはアンタッチャブル・山崎さんも同行し、授賞式前の様子や会場からの実況中継などがドキュメント形式で放送されました。授賞式中、あらかじめ履いていたオムツに「おもらし」を難なく成功し、気を良くした伊集院さんでしたが、その後の立食パーティーで「決壊」を起こしてしまい、パーティー会場から無念の撤退をしました。

■山里亮太限定プレゼント(2012年11月26日放送)
この日、ニッポン放送では『ももいろクローバーZのオールナイトニッポン』を放送。オープニングで伊集院さんは、4つのキーワードを送って現金(80円)がもらえるプレゼント企画を発表しました。応募資格者は「南海キャンディーズ・山里亮太」のみ。ももクロファンかつ伊集院さんを尊敬する山里さんがどちらを聴いているのか試した、『深夜の馬鹿力』ならではの無茶ぶり企画。

■ピンチをカオスに変えてやる!スタッフ総出でやってやっからなスペシャル(2022年3月14日放送)
伊集院さんが新型コロナウイルス感染のため、番組を約16年ぶりに欠席。代替番組として、構成作家を務める河野かずおさんと娘・とわちゃんによるトーク番組『月曜JUNK 河野とわの人生4年』がスタートしましたが、予想以上に早く限界を迎えてしまい、伊集院さん原作・演出による『ラジオアニメ版 月曜JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』を放送。伊集院光役には声優・小野大輔さんが起用されました。その後、改めてアナウンスが発表され、TBS・喜入友浩アナウンサーによる進行のもと、番組スタッフ総出で事前収録した音源を中心にお届けしました。

この記事を書いた人

radiko編集部

radiko編集部員が「ラジコを通じて、ラジオの良さをもっと知ってもらい、皆さんが面白い番組に出会うキッカケ」になるように、ラジオ各局の情報をまとめて発信中。radiko newsでは、新番組へのインタビュー、さまざまなテーマに沿ったまとめ記事など、独自の切り口でも番組をご紹介しています。ラジコ公式SNSの情報更新も行なっています。

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デビュー35周年! ジュンスカ宮田和弥「デビューした頃の気持ちをまた…」新曲『そばにいるから』制作裏話

アーティストの坂本美雨がお届けするTOKYO FMのラジオ番組「坂本美雨のディアフレンズ」(毎週月曜~木曜11:00~11:30)。今回の放送は、ロックバンド・JUN SKY WALKER(S)の宮田和弥さんがゲストに登場。メジャーデビュー35周年記念シングル「そばにいるから」の制作エピソードについて語ってくれました。

坂本美雨、宮田和弥さん



今年5月21日に、メジャーデビュー35周年を迎えたJUN SKY WALKER(S)(以下、ジュンスカ)。1988年5月21日、レコードレーベル「TOY'S FACTORY(トイズファクトリー)」よりミニアルバム『全部このままで』でメジャーデビュー。 翌年には日本武道館でライブをおこない、当時、デビューから武道館までの史上最短記録となりました。カリスマ的人気を誇りつつも1997年に解散。2007年に期間限定で再結成し、2012年からは完全復活! デビュー35周年となるアニバーサリー・イヤーに、ニューシングル「そばにいるから」を6月10日(土)にCDリリースします(※先行配信中)。


◆レーベル社長が35周年シングルをプロデュース!?

坂本:JUN SKY WALKER(S)は5月21日でメジャーデビュー35周年ということで、おめでとうございます!

宮田:ありがとうございます。

坂本:大事な年ですね。お会いしていない間に(元メンバーの)寺岡呼人さんが卒業され、今は3人体制(宮田さん(Vo)、森純太さん(Gt)、小林雅之さん(Dr))になりました。

宮田:そうなんですよ。今は、ROCK'N'ROLL GYPSIESのベース・市川勝也くんが(参加してくれています)。(ドラムの)小林雅之が、ジュンスカとは別にPOTSHOTというバンドをやっていて、(市川勝也くんは)そこのベーシストでもあるんですよ。非常にリズム隊の気が合うということで、今はサポートしてくれています。

坂本:新生ジュンスカということですね。今回、メモリアルイヤーの大事なメッセージが詰まっている新曲「そばにいるから」は、ファンの方々に捧げた曲なのでしょうか?

宮田:はい。歌というか心というか、魂はそばにいるからと。自分的には親の立場でもあるので、子どもに向けてっていう部分もあります。あとは、自分と親との関係であったりとか。

坂本:そうですよね。

宮田:ファンの存在はもちろん大きいのですが、歌詞には自分の日常も織り交ぜています。なので、今回は「そばにいるから」というタイトルになりました。

坂本:ストレートですね。

宮田:そうですね。実は、JUN SKY WALKER(S)は、「TOY'S FACTORY」というレーベルの第1弾アーティストなんですよ。35年前、TOY'S FACTORYとジュンスカが一緒にレーベルを立ち上げたんです。その後、筋肉少女隊、Mr.Children、ゆず、BUMP OF CHICKENといった、そうそうたるメンバーがいるレコード会社になりました。今回、社長である稲葉(貢一)さんにディレクションとプロデュースをしてもらいました。

坂本:どうしてそういうお話になったのでしょうか?

宮田:35周年はジュンスカもですが、TOY'S FACTORYもなんですよね。「お互い35周年だし、何かやってみよう!」と去年、話が盛り上がったんです。歌詞も稲葉さんといろいろディスカッションして何度も直しました。「そばにいるから」のメロディーは、もともとバラードだったんです。ジュンスカの「歩いていこう」とか「全部このままで」といった8ビートの早いパンクっぽい曲と、「白いクリスマス」とか「声がなくなるまで」といったバラードの曲、それから今までやったことのないぶっ飛んだ曲の3本柱でいこうって話が去年からあったんです。

そのときの「そばにいるから」はスローで、「白いクリスマス」とか「声がなくなるまで」みたいな感じで(ジュンスカのリーダーでギターの)森純太がメロディーを書いてきたんです。そして、僕が「そばにいるから」という言葉を入れながらサビを作っていったんですけど、稲葉さんから「最初バラードで始まるけど、テンポを上げたらいいんじゃない?」と。

ジュンスカには「すてきな夜空」とか「明日が来なくても」という曲があるのですが、それがスローから速くなるナンバーなんですね。稲葉さんのプロデュースの感覚が混ざって、非常に良い曲ができました。

坂本:途中でリズムが入ってきてテンポが上がるのは、私のジュンスカのイメージでは王道です。稲葉さんとそこまでコミュニケーションを取られて作ったんですね。

宮田:そうですね。久しぶりに人に言われて歌詞を直しましたね。この年になると誰も言ってくれないし、言われても100倍ぐらいで返しますからね。

坂本:(笑)。

宮田:人の話を聞かなくなってくるでしょう? だけど、稲葉さんだからなのか、22歳のデビューした頃の気持ちをまた(取り戻した)。あとは、僕のコントロールの仕方も稲葉さんはわかっていると思うから。決して怒らない人なんですよ。うまく導いてもらえて、いい曲
ができたなと思いますね。

宮田和弥さん



*  

6月10日(土)に東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)にて、JUN SKY WALKER(S)のメジャーデビュー35周年記念ライブ「「35th Anniversary Live」を開催します。詳細は公式Webサイトまで。

次回6月12日(月)~15日(木)の放送も、スペシャルゲストをお迎えしてお届けします。お楽しみに!

<番組概要>
番組名:坂本美雨のディアフレンズ
放送エリア:TOKYO FMをはじめとするJFN全国38局ネット
放送日時:毎週月曜~木曜11:00~11:30
パーソナリティ:坂本美雨
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/dear/

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