詰め替え作業はフェルメール?ムンク? 佐藤オオキが語る容器進化の裏側

デザイナーの佐藤オオキとクリス智子が、化粧品の詰め替え容器の歴史やデザインについて語り合った。

この内容をお届けしたのは、10月24日(土)放送のJ-WAVE『HEBEL HAUS CREADIO』(ナビゲーター:佐藤オオキ、クリス智子)。「デザインを音で楽しむ」をテーマにお送りする番組だ。

番組は、Spotifyなどのポッドキャストでも聴くことができる。

・ポッドキャストページ

詰め替えの誕生から歴史、進化まで

『HEBEL HAUS CREADIO』では、洗剤やシャンプーなど液体の詰め替えを、フェルメールの絵画「牛乳を注ぐ女」になぞらえて「フェルメールする」と呼んでいる。

クリス:6月25日は、なんと「詰め替えの日」というのがあるんですって。この流れで「フェルメールの日」と私たちは言い切ってしまいたいぐらいですけど(笑)。

佐藤:そこまでのレベルになっていますね(笑)。

「詰め替えの日」は、化粧品メーカーの「ちふれ」が1974年6月25日に日本で初めてスキンケア化粧品の詰め替え用を発売したことにちなんで制定された。この日の番組では、詰め替えの誕生や歴史、進化などについて学ぶため、ちふれホールディングス株式会社 広報部広報課のみなさんに話を伺いながら進行していった。

クリス:1973年、オイルショックがありました。日本のあらゆる資源が不足して物価も高騰して、ちふれはお客さんに求めやすい金額で化粧品を提供し続けたいという思いで、商品の価格据え置き宣言をしたんだそうです。

価格を維持するため容器の印刷をなくすなどしていたちふれは、さらなる省資源化を目指し、注目したのが容器だった。中身を変えずに容器を変えて、商品を継続的に世の中に出していこうという思いやアイデアから詰め替え化粧品の開発に至ったという。ここで、ちふれホールディングス株式会社 広報部広報課の岩下 大さんに開発時のことを説明してもらった。

岩下:詰め替え商品が世の中にローンチしたのは1974年でした。業界に先駆けて化粧水、乳液、クリームという、いわゆるスキンケア商品の25品を詰め替え商品として誕生させています。キャップのない先端をハサミでチョキンと切って開閉するチューブ型タイプで、省資源化と価格を維持しつつ、詰め替えがやりやすいよねっていうところをポイントに置きながら、詰め替え化粧品を世の中に生み出してきたわけです。

佐藤:最初はチューブだったんですね。絞り出している感じは、フェルメールというよりもムンクですね。どっちかというと。

クリス:この番組の用語で言うとね(笑)。

(編註:「ムンク」とは、佐藤オオキが名付けた「流石にもう中身が無いであろうチューブ入りの歯磨き粉等を、ダメ押しで絞り出す行為」のこと)

佐藤:ムンクからのフェルメールだったんですね。

詰め替え容器はもっとニーズがある

発売からの容器の進化についても、岩下さんに聞いた。

岩下:1974年に初めてスキンケアの詰め替え商品を世の中に提供させていただいて以来、時間が飛んで1997年になるんですけれども、詰め替えるという文化は世の中的に定着してきて、詰め替えることそのものに対する世の中の抵抗感はだいぶなくなりました。そこで次の我々のステップは、より省資源。SDGsも踏まえたうえで、資源にコミットしていきたいよねっていう思いがありました。

ちふれは、さらなる省資源を目指し、進化を遂げる。

岩下:容器がチューブタイプからパウチタイプになりました。これが大きな進化でして、結果として使用する樹脂の量を大幅に削減できたっていうところが、ひとつの歴史的な進化となっております。パウチタイプの詰め替え用は、もともとの本品に対して約1.7倍の出荷量があり、詰め替えという文化が特に弊社の商品を愛用していただいている方から評価を受けたと同時に、同じ商品をちゃんと繰り返して使うっていうところがすごくポイントになっております。

岩下さんは、利用者のリクエストやニーズを受け、利便性と省資源化を両立させる工夫を重ねてきたと話す。

岩下:きっと、もっとニーズがあると思うんですよ。「もっと使いやすくしろ」とか、「もっとフェルメールしやすくしろ」というニーズがこれから出てくると思うので、我々としてはそこにちゃんとコミットしていくっていうのが次の進化なんじゃないかなって考えてます。

クリス:最高ですね! 「もっとフェルメールしやすくしろというニーズに応えて」って、岩下さんも使ってくださって(笑)。

佐藤:(笑)。情熱が素晴らしいですね。

スタジオで実際に「フェルメール」してみると…

続いて、広報部広報課の長野恵実さんが、2026年3月末時点で約44商品ある詰め替え用のラインナップを紹介した。

長野:スキンケアについては、クレンジングから美容液、保湿クリーム、マッサージパック、オールインワンまで、ちふれブランドで展開しているほぼすべての商品において詰め替え用をご用意しております。ヘアケアでは、シャンプーにも詰め替え用がございます。メイクについては、パウダーファンデーションやプレストパウダーなどでもご用意がありますし、口紅にも詰め替え用がございまして、ちふれの口紅は詰め替え用の本体とケースを別々で最初から販売をしております。

スタジオには、ちふれの詰め替え化粧品の実物が用意され、ふたりはデザインを確かめた。

クリス:パッケージもシンプルでいいですよね。持ちやすい。手のひらにちょうどのるくらいで。

佐藤:安心感があるデザインですね。

クリス:口紅のパッケージはそのままに、中を詰め替える。それはあんまり考えたことなかったな。

詰め替え作業を面倒に感じる人に向けて、広報部広報課の福角 彩さんからメッセージが届いた。

福角:詰め替え作業って少し面倒だなとか、詰め替えるときにこぼしちゃいそうだなといった苦手意識を持たれるお気持ちは、すごく私どももわかっておりまして。ですが、ちふれの詰め替え商品は、お客様からの声を伺いながら、少しでも詰め替えがしやすいように技術的な改良をずっと重ねてきています。そのため、苦手な方こそぜひ一度、こんな簡単にできるんだというのを体験していただきたいなと思っています。詰め替え用は本体を買うよりも少しお値段的にもお得になっておりますので、環境にいいことをしているなとか、ちょっとお得になったなとか、ポジティブな気分を感じながら、ぜひ楽しくフェルメールしていただけたらうれしいなと思っています。

スタジオでは、佐藤がちふれの化粧水の詰め替えを試すことに。佐藤は、容器の口が大きく、パウチも簡単に開けられることに感心しながら化粧水を注いだ。

続いてクリスも詰め替えを試してみると、佐藤は「フェルメール、めちゃくちゃ上手じゃないですか!?」と驚く。クリスは「まあ、やっている回数が違いますからね(笑)」と返した。

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「詰め替え用のほうがすごくなって…」容器デザインの難しさ

実際に詰め替えを体験した佐藤は、以前手がけたヨーロッパのとあるラグジュアリーブランドの化粧品容器のデザインを振り返る。それは美容クリームの詰め替えを考える企画だったという。

佐藤:美容クリームで、ジャーっていうんですか、大きい蓋を開けて取るやつ。あれも入れ替えられるようにしようってことで、プラスチックの容器に入っているクリームを、ガラスの容器の中にパコっとはめる、みたいな話だったんです。でも、チーム内でそのプラスチックの……要は「プッチンプリン」みたいな状態ですよね、それが「安っぽいんじゃないか」「もうちょっと高級感出そう」となって、だんだん樹脂の厚みが増していって、ガラスになったんですよ。そうすると、ガラスのやつに対してガラスを入れると重すぎるってなって、もともと本体だったほうが薄いプラスチックになっていって。

クリス:どうして(笑)?

佐藤:「どっちがどっちなんだ?」「詰め替え用のほうがすごいぞ」みたいになっていって。それに加えて、絞り出すチューブもリフィルにしようという話が出て、キャップを外して新しいほうのキャップにつけるみたいになったんです。でも、「本体、キャップ?」みたいな。どれが本体だかわからなくなるっていう、謎現象。

クリス:(笑)。みなさん苦労していらっしゃるんですね。じゃあ、入れ替えるほうがガラスになって……。

佐藤:そう。だんだん主従関係が入れ替わって。紅生姜を食べたいがために焼きそばを作る、みたいな。

さらに、佐藤は国内のプチプラ化粧品でも詰め替え式リップの容器をデザインしたという。

佐藤:せっかく詰め替えにするんだったら、ポジティブな、楽しい気持ちになれないかなということで、リップの本体のほうを3種類用意して、好きな本体に詰め替えを入れられますよっていうご提案をして。ひとつはすごいスリムで持ち運びやすくて、もうひとつはスタンダードなものと、あとはあえてちょっと大きくて重みがあって手にしっくりくるようなもの。使い心地も少し変わるんじゃないかなということで3つ用意したら、すごく好評でして。

クリス:形を変えるっていうのは、さすがですね。

佐藤:すごく実験的なプロジェクトではあったんですけどね。リフィルっていうと、なんとなくネガティブなものをゼロに持っていくみたいな感じはしますけど、あえてポジティブに持っていくっていうやり方もあるのかなっていうふうに思いましたね。

クリス:ちょっと選ぶ楽しみ。

佐藤:ですね。

『HEBEL HAUS CREADIO』は、世界的デザイナーである佐藤オオキとクリス智子の軽快なトークで、デザインの奥深い魅力をお届けする。放送は毎週土曜17時から。ポッドキャストでも配信中。
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小手伸也、40代でブレイクした当時を語る。同世代の堺雅人とは「お噂はかねがね」

大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日11時30分~15時)、11月4日の放送に俳優の小手伸也が出演した。学生劇団に入っていたころから、大河ドラマ『真田丸』出演をきっかけにブレイクして以降の自身を語った。

大竹まこと「シンデレラおじさん(小手伸也の愛称)。40歳を過ぎてから売れてきた」

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小手「そういう時期も正直、ありました(笑)。僕より少し上の世代の皆さんはプライドが高いと申しますか。テレビの人間、舞台の人間、映画の人間、という三すくみ構造みたいになって。舞台の人間がテレビに出ると『おまえ、そっちに行くんだ』といったことをおっしゃる先輩が多かった。苦手意識もあったんです。お客様の前でお芝居することが身にしみついていたので、カメラに向かってのお芝居ってどこに向かえばいいかわからなくなって」

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大竹「逆に舞台は、稽古に稽古を重ねてガンガンいくじゃん。テレビはカメリハ、なんとかリハ、本番など。あれには、あせった?」

小手「あせりました。舞台の稽古だと1ヶ月ぐらいかけて『相手のお芝居、こういう感じなんだ』と覚えてから考えられますけど、テレビは『当日、出会った人と急に夫婦』とかですから。だから準備しないようにしました。プランをつくっても、思いどおりになることのほうが少ないので。エチュードやアドリブに近い心意気のほうがお芝居できる、と思って」

大竹「早稲田だっけ。早稲田はいろいろな劇団がある」

小手「所属していたのは早稲田大学演劇倶楽部というサークルでして。直系の先輩に劇団カムカムミニキーナの八嶋智人さんらがいて。同世代だったのが、早稲田大学演劇研究会というところに所属されていた堺雅人さんで。同い年なんですけど、僕、二浪したせいで、僕が1年のときに堺さんは3年生で。いまでも敬語で話しかけてしまう、みたいな」

大竹「向こうは『半沢直樹』などであっという間に(売れた)」

小手「当時から『小劇場界のプリンス』と呼ばれて有名でしたね。モテていました。学生当時にお互い、共演する経験はなくて。2016年の『真田丸』で久しぶりに再会するんですけど、お互い『お噂はかねがね』みたいな関係性で。堺さんは主人公としてセンターを張るような人間で。僕はどちらかというとバイプレイヤーというか、脇でにぎやかす役者だったので、立場が違うな、と。『水をあけられた』みたいなことはあまり思いませんでした」

大竹「こっちから見ると、小手伸也さんも真ん中にいる顔、『真ん中顔』だよ」

小手「どういう意味ですか(笑)? 顔のパーツが真ん中に集中している、とは言われます」

大竹「そういう意味じゃないよ」

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