SIRUP「愛ってマジで使い方」 仲のいい友人とケンカをして学んだこと

J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。3月21日(土)のオンエアでは、シンガーソングライターのSIRUPがゲストに登場。SIRUPの音楽遍歴を紐解きながら、幼い頃の音楽体験や影響を受けたアーティストなどを訊いた。

同番組ではビールを飲みながら、リラックスしてトークを繰り広げる。SIRUPはお酒が好きだといい、クリスと乾杯をしたあとは「口角がぐいっと上がったね!」と指摘され、「あはは! (お酒が)好きなんです」と盛り上がった。

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■Sadeが胎教音楽だった?

SIRUPは大阪生まれ大阪育ち。幼い頃はパソコンで絵を描くことや、映画を観ることが好きだったという。音楽は、小学生の低学年頃から、近藤真彦『ミッドナイト・シャッフル』やLe Couple、Mr.Childrenを聴いていた。その後、コブクロやaiko、ゆずなども聴いたと当時を振り返る。はじめて買ったCDは宇多田ヒカル『First Love』。

SIRUP:その頃は、このCDが売れまくっていたので、店舗にない感じだったので、毎日通って「CD入荷しましたか?」って訊いていました。
クリス:当時、宇多田ヒカルの他にもR&Bテイストのアーティストはハマったの?
SIRUP:ハマってなかったですね。でも、もともとSheryl CrowとかEric Claptonとかが好きだった母が、僕がお腹にいるときだけSadeを聴いていたらしいんですよ。母ってSade以外はそういう音楽にハマってなかったみたいなんですけど、その影響が僕の音楽に影響があるんじゃないかって最近母から聞きました。
クリス:胎教がSadeなんてカッコいいね。

音楽への熱は中学時代から高まっていき、高校生の頃に「本格的にハマった」そうだ。

SIRUP:中学から遊び半分で吹奏楽をやっていて、高校から本気でやりはじめました。吹いていたのは、バストロンボーンです。地元がレゲエの盛んな地域だったので、レゲエの音楽をやる先輩とか出てきたり、歌を本格的にやっている人が近くにいたりしたので、歌にも興味を持ちはじめました。16歳くらいから音楽を意識し出したと思います。


■Stevie WonderやAlicia Keysが「僕の二大巨頭」

高校生くらいからStevie WonderやAlicia Keysを聴き出したSIRUP。この2人のアーティストに大きな影響を受けたという。

SIRUP:Stevie Wonderはアルバム『Ballad Collection』って入りました。とにかく全曲を聴いた感じで、『You And I』って曲がすごく好きでカラオケで歌ったりもしましたね。
クリス:歌い手だからバラードが好きなんだね。
SIRUP:ちょっとボイストレーニングに行っていた時期に、『Lately』を歌えるようになりましょうってこともありました。
クリス:一方で、Alicia Keysも影響を受けたってことだけど、Stevie Wonderと全然違わない?
SIRUP:当時はAlicia Keysの人気が出て来ていたときで。そのときにR&Bのシンガーをクラブでやっている吹奏楽部のOBが、Alicia Keys とStevie Wondeの声が合いそうだから聴いてみたら、と2人のCDを渡されたんです。そこで同時に聴き出し、この2人が僕の二大巨頭になりました。Alicia Keysの『If I Ain't Got You』をはじめて聴いたときの感動は、いまだに覚えていますね。


■SIRUPに名前を変えて「今すごく潤っている」

以前、SIRUPは「KYOtaro」名義でシンガーソングライターとして活動していた。

SIRUP:KYOtaroの活動10年目くらいで、好きなことをもう一度しようと。別に好きなことをやっていたんですけど、もっと自分の心を解放させてもらえるチャンスがあったときに、ヒップホップを聴くようにもなったので、オリジナルを作っていくうえでラップみたいなスタイルが入ってきて、それが自分の中でフィットしたタイミングでした。同時に、10年のタイミングだし名前を変えようかって時期も重なったのでSIRUPという名前に変えました。

SIRUPは、Sing & Rapからなる造語だ。

クリス:SIRUPになって全然変わったって感じ?
SIRUP:曲作りの考え方とか自分の体感は変わってないんですけど、環境が変わりましたね。いろんな人に知ってもらえたり、KYOtaroの10年で経験してないことをこの2年で全部経験させてもらったりとか。まだまだなんですけど、ミュージシャン的には今すごく潤ってるというか。
クリス:KYOtaroとSIRUPはどこがいちばん違うの?
SIRUP:いちばん違うのは細かい譜割りをあまりしない部分かもしれないですね。SIRUPはラップなので『Do Well』とかもずっと連打で歌っている感じなんですけど、KYOtaroはもうちょっとゆったりしたリズムの譜割りで歌っていたりとか、歌でどうもっていくかみたいなところに重きを置いていたりしていましたね。たとえばフェイクをどこにいれるか、高いキーをどの曲で入れるか、ソウルであるかどうか、R&Bであるかどうか、そういうことをすごく考えていました。でも、SIRUPになってからはそういうことを全て取り払ったことが、アーティストとしていちばん変わったことかもしれないですね。
クリス:もうちょっと本能的になったってこと?
SIRUP:そうですね。


■注目のアーティストはKyle DionとLucky Day

SIRUPが最近、注目しているアーティストは、Kyle DionとLucky Dayeだ。

SIRUP:僕が今R&Bとかソウルとかをすごくやりたいって気持ちが湧いていることもあって、Kyle Dionは地でPrinceみたいなことをしているアーティストです。メッシュのシャツとか着て面白いスタイルでやっていますね。ファルセットで攻めたりしてわかりやすい感じです。Lucky DayeはMusiq(Musiq Soulchild)に近いバイブスを感じる音楽で、なんとなくフェリーな雰囲気があります。Kyle DionとLucky Dayeは若くて地でいっている感じですね。


■愛に対する考えが深まった1年

SIRUPの新EP『CIY』は、初めてテーマをもって作ったという。

SIRUP:「愛」を大きなテーマにしています。愛ってすごくあたたかくて優しいものって前提はあるんですけど、それだけではないとすごく考えました。イヤなやつとか、なんでこんなことをしたんだろうってことは必ず愛が関与しているなって思って。仲の良い友だちとケンカをしたときに、「なんでそんなこと言ったんだろう」と思ったけど、その友だちは自分たちの仲間を守りたいから俺にこういうことを言ったんだなとか、そういうことを考えると、それってみんなが仲間に対する愛を持っているからなんです。それを意識すると、僕はそこまで友だちを責められなくて。そういう体験をしたことをずっと忘れられなくて、愛ってマジで使い方だし、面と向かってる相手がどういうつもりでそれを言っているのかを意識して、みんな同じ人間だなって思えるだけで、無駄な感情を省ける。そんな、罪を憎んで人を憎まずみたいな感情を去年1年で学んだり感じたりしたので、それを細かくいろんな風に切って、歌いました。

最後に、SIRUPはこれからの目標について「自分自身の性格や音楽性がいろんな部分でジャンルレスだったりするので、国境を越えてボーダーレスに活動しながら、それが自然であるアーティストになりたい」と語った。

『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週土曜18時から。お聴き逃しなく。

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【番組情報】
番組名:『SAPPORO BEER OTOAJITO』
放送日時:毎週土曜 18時-18時54分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/
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「WBC」で見せた大谷翔平の意外な一面とは?WBCブルペン捕手・鶴岡慎也が語る「ガッツポーズをするような選手じゃなかったんですよ」

藤木直人、高見侑里がパーソナリティをつとめ、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMのラジオ番組「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」(毎週土曜 10:00~10:50)。9月16日(土)の放送は、侍ジャパンでブルペンキャッチャーをつとめた、元プロ野球選手の鶴岡慎也(つるおか・しんや)さんへのインタビューをお届けしました。


鶴岡慎也さん


鶴岡さんは、1981年生まれ鹿児島県出身の42歳。鹿児島・樟南(しょうなん)高校で捕手として甲子園に2度出場。社会人野球を経て、2003年にドラフト8位で日本ハムファイターズ(現:北海道日本ハムファイターズ)に入団し、4度のリーグ優勝に貢献。2014年にFAで福岡ソフトバンクホークス に移籍し、日本一に3度輝きました。

2018年から日本ハムに復帰し、2019年シーズンからは一軍バッテリーコーチも兼任。日本ハム時代はダルビッシュ有選手、斎藤佑樹選手、大谷翔平選手らとバッテリーを組み、2021年を最後に現役引退。現在は野球解説者、そして「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC(第5回ワールド・ベースボール・クラシック)」では、侍ジャパンのブルペンキャッチャーをつとめました。

◆侍ジャパンを1つにしたダルビッシュ有の功績

――栗山英樹監督から、どのようにブルペンキャッチャーへのオファーがあったのですか?

鶴岡:栗山さんがWBCの監督を引き受けるとなったときに、もちろんバッターも優秀な選手が多いのですが、日本のピッチャーは世界的にレベルが高いので、そのピッチャーを軸にして戦っていこう、“ピッチャーで世界一になろう”と考えたみたいなんです。

そのなかで、ブルペンで待機するピッチャー、調整する先発ピッチャーがしっかり気持ちよく投げられるように、ブルペンという場所はすごく大事だと監督が考えたらしくて、そこで誰がそのブルペンキャッチャーをやるかとなったときに、僕がたまたま引退して体も空いてたのもあり、お声がけをいただきました。

――鶴岡さんが、現役時代に「雲の上の後輩」としているダルビッシュ有投手について、侍ジャパンではどんな存在でしたか?

鶴岡:キャンプ初日から合流してくれて、侍ジャパンを1つにまとめてくれる……そういう空気を作ってくれました。やっぱり、いろんなチームの主力が集まってきて、それを1つのチームにまとめるのには時間がかかると思うんですけど、ダルビッシュ投手が来てくれたおかげで、大会前にはすでに強固なチームになりましたので、彼の功績は大きかったです。

その後に、大谷翔平選手やラーズ・ヌートバー選手、吉田正尚選手が合流してきたのですが、MLB(メジャーリーグベースボール)の選手たちも合流してすぐにチームに溶け込める雰囲気をダルビッシュ投手が作ってくれたと思っています。

──チームメイトに対して、ダルビッシュ投手はどのように接していましたか?

鶴岡:若い選手たちには、ダルビッシュ投手に会う前からリスペクトの気持ちがあったと思うんです。そんななか、ダルビッシュ投手は自ら後輩たちに声をかけたり、いろんなアドバイスを積極的にしてくれたんです。

だから、後輩たちは“ダルビッシュさんって、ものすごく話しやすい人だし、素晴らしい人間だな”と全員が感じたと思いますし、そのおかげで、チームとして1つになるのも早かったなと感じました。

──そして、現役時代に鶴岡さんがバッテリーを組み、プロ初勝利をアシストした大谷選手との再会もありました。

鶴岡:あの大谷翔平ですよ! 緊張しないわけがないですよね(笑)。

僕も皆さんと一緒で、(大谷選手は)テレビの向こう側の人だし、世界的なスーパースターなので、久しぶりに会ったときはすごく緊張しました。(今となっては)ものすごく距離がある存在だと思っていたんですけど、彼のほうから気さくに話しかけてくれたので、距離が一気に縮まりましたし、人間・大谷翔平というのは(日本ハム時代と)全然変わっていなかった。

本当に純粋で素晴らしい人間で、“やっぱり、(大谷翔平って)そうだったよな”と思わせてくれるような、うれしい思いが湧き上がってきましたね。

あと、栗山さんも言っていたのですが、バッティング練習で(打球をスタンドまで)飛ばしたときに、ガッツポーズをしていたんですけど、あんなことをするような選手じゃなかったんですよ。

彼自身が意識して、侍ジャパンの雰囲気を盛り上げていく、機運を上げていく、そして“日本中を侍ジャパン・WBCに注目を向けさせる”という、彼なりの考えがあっての行動だったんじゃないかなと思います。“今考えてみたら”ですけど。

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9月16日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2023年9月24日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/

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