女性農業者が“緩やかにつながる” 岐阜県のコミュニティに迫る

岐阜県内の女性農家をつなぐ団体「ゆるベジ研究所 ミルクベッチ」。代表の谷下美紀さんが、団体設立の経緯や思いについて語った。

谷下さんが出演したのはJ-WAVEで放送中の番組『JUST A LITTLE LOVIN'』(ナビゲーター:長井優希乃)のワンコーナー「PANG’ONO PANG’ONO」。ここでは11月29日(火)のオンエアをテキストで紹介する。

同じ立場、悩みを持つ人の交流の場に

就農3年目の谷下さんが「ゆるベジ研究所 ミルクベッチ」を設立したのは、“同じ立場で相談できる人が少ない”という自身の悩みからだった。

谷下:農繁期には朝から日暮れまでずっと農作業に追われて、その合間に家事と育児をこなすような日々を送っています。本当に家と畑の往復で、会うのは主人とパートさん、みたいな生活をしています。農業者同士の会合に出て行くのは主人なので、女性農業者さんと会う機会が少なくて、作業をしていても同じ立場で相談できるような方がほとんどいませんでした。そこで、県が主催していた講座で出会ったメンバーに声を掛けて、こんな風に交流しませんかということで、5名でスタートすることになりました。

「ミルクベッチ」は県花、レンゲソウのことなのだという。コンセプトは、「無理をしないこと」だ。

谷下:「ゆるーく」ということをポリシーにしていますので、本当に自分が話したいと思ったときだけ相談できるというのがすごくいいところで、とても力になっています。みんながそういう心持ちでいてくれるっていうのが、また支えになり、ゆとりというよりはモチベーションアップにすごくつながっています。近くで同じ作物を作っている人だと、ちょっとライバル心を持ってしまったり、関係性を悪くしたくないゆえにお付き合いをしなきゃいけないというしがらみもあると思うんですけど、逆に距離があることでいつもすごくフラットでフレッシュな気持ちで、毎回お話しすることができます。

おいしい野菜作りのパワーとなるような場に

ミルクベッチが重きを置いたのが、あくまでも緩やかなつながりであること。ときに仲間の農地へ出向き、ときに農業センターを視察するなどして、新しい刺激を自分たちの仕事に生かすこの緩やかなつながりは、5名のメンバーからはじまり、現在は12名にまで広がったそうだ。

また、ミルクベッチには「女性の必須栄養素、ガールズトークの場を作る」という事業実施方針があるという。

谷下:私自身、私より年下の子育てをされている女性に対して「助けてあげたいな」と思うこともあれば、年上の女性から「たくさん教えてもらいたいな、学びたいな」と思うこともあって、毎回話すたびに新しい発見があります。生産者自身が身も心も健やかであることがすごく大事だと思っていて、だから自分たちの活動を通して、女性農業者さんが悩みも相談し合ったり共感したりすることで少しでもその状態に近づいて、それがまたおいしい野菜作りのパワーとなるような、そんな活動になっていったらいいなといつも思っています。

いい野菜作りは、生産者自身が身も心も健やかであることが重要。さまざまな仕事や暮らしにあてはまる方針で、今後も岐阜県の農業を盛り上げていく。

『JUST A LITTLE LOVIN'』のワンコーナー「PANG’ONO PANG’ONO」では、番組&長井が気になる内容を日替わりテーマでお伝えする。放送は毎週月~木曜の5時40分頃から。
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