テレビショッピング、SNS、ECが1つに!? TikTok Shopがもたらす“購買体験”の変化とは?CREOK代表・桜井吉男が解説

笹川友里がパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。10月24日(土)の放送は、株式会社CREOK 代表取締役CEOの桜井吉男(さくらい・よしお)さんが登場。TikTok Shopの強みとライブコマースが切り開く小売業の未来について話を伺いました。


(左から)桜井吉男さん、笹川友里



桜井吉男さんは、高校卒業後に中国へ渡り、足掛け18年にわたり日中ビジネスに従事。中国・義烏(イーウー)で国際貿易の総合商社を起業し、日・中・韓3か国間のノベルティ・販促物貿易を展開。フィンテック事業のCEOを経て、2018年にByteDance株式会社に参画しました。上席執行役員としてTikTokの日本市場の立ち上げを主導し、2022年にはビジネスツール「Lark」の日本法人代表取締役も兼任しました。2025年には、TikTok Shopに特化したインフラカンパニー・CREOK(クレオク)を共同創業し、代表取締役CEOに就任しました。

◆ライブコマースが変える買い物の形

桜井さんが経営する株式会社CREOKは、TikTok Shopを中心に、ライブコマースを軸とした事業を展開しています。「ライブコマースは、いわゆる『テレビショッピング、SNS、EC(電子商取引)が1つになったもの』と考えると、一番分かりやすいと思います」と桜井さんは説明します。企業の商品の販売において、売り方やクリエイターの選定、配信、データ分析までを一気通貫で支援するほか、自社スタジオの運営や企業の運用代行もおこなっています。

ライブコマースの大きな特徴は、視聴者とリアルタイムでやり取りできる点です。例えば、ライブ配信中に視聴者が服のサイズについて質問すると、クリエイターがその場で返答し、実際に服を着て見せることもできるため、「ECなんですけど、リアル店舗に近い接客ができます。僕はある種、“スマホの中に新しくできた売り場”と考えています」と話します。

また、従来のECサイトとの違いとして、「衝動買いを促せること」を挙げます。「基本的には(ECサイトで)欲しい物を検索して買い物をしますが、TikTok Shopの場合は、動画を楽しみながら商品が出てくるんですね。レコメンデーションによって表示された動画を見て、『何これ、面白い』と興味を惹かれ、『欲しい』となれば、そのまま数タップで(購入が)完結する仕組みになっています」と解説します。

◆“検索するEC”から“出会うEC”へ

桜井さんは、TikTok Shopの特性として、アルゴリズムによってユーザーが自ら検索しなくても、興味のあるコンテンツに出会える点に着目し、「“検索するEC”から“出会うEC”へと変化している」と言及します。

その印象的な事例として挙げたのが、クライアント企業が展開した麻辣湯(マーラータン)のカップ麺の販売促進施策です。その企業は、TikTokのクリエイターに商品サンプルを配布し、試食レビューの投稿やライブ配信での販売を実施しました。その結果、TikTok上で麻辣湯のコンテンツに繰り返し触れる機会が生まれ、視聴者の興味を引いて購入につながったそうです。

桜井さんは、「“欲しい→検索→比較→購入”が今までの伝統的なECサイトの流れだったのが、TikTok Shopというプラットフォームでは“発見→興味→納得して購入”という導線に変わった」と解説。こうした購買体験は「ディスカバリーEコマース」と呼ばれています。コンテンツを楽しむなかで商品と出会い、興味を持った商品をその場で購入できる、といった新たな買い物の形が広がっています。

◆日本のライブコマースの未来

昨年6月に日本でサービスを開始したTikTok Shopですが、桜井さんは、世界的にはかなり後発だったものの、それがかえって良い方向に働いたと振り返ります。先行する市場で何が売れたのか、市場の成長に伴って何が起こるのか、どのようなクリエイターが伸びるのか、失敗する原因は何か、といったデータを事前に得られたことが後発の利点だったとし、「いわゆる未来を見据えた形で事業展開ができました」と話します。

さらには、今後の買い物の仕方にも変化が訪れると予測します。その理由として、現在、日本の小売業におけるオンライン購入の割合が全体の10%弱にとどまっている一方で、従来はパソコンで行っていた仕事もスマートフォンで完結できるようになったことを挙げ、「買い物も、実は携帯だけで完結してしまうほうが、普段の購買行動として、皆さんにとってもより便利な方向につながる。ですので、今後は買い物の主戦場がライブコマースに切り替わっていくと僕は思っています」と考えを示します。

また、TikTok Shopというビジネスモデルについても言及。桜井さんは、SNSとECを組み合わせる取り組みは以前からあったものの、少なくとも自身が知る限り、これほど大規模なプラットフォームはなかったと語り、その背景として、TikTokがすでにユーザー基盤を持っていることに加え、コンテンツとECをプラットフォーム内で組み合わせられる点を挙げます。

そして、企業にとってのメリットは、販売チャネルが増えることだけではないとし、「本質的なところから捉えると、オンラインでPRをしながらオフラインに送客できるのに加えて、物販ができる一気通貫のプラットフォームってTikTokしかないんですよ」と強調していました。

次回10月31日(土)の放送は、引き続き桜井さんをゲストにお迎えします。ライブコマースを取り巻く最先端の話を伺います。

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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/podcasts/futurepix/
DIGITAL VORN Future Pix
放送局:TOKYO FM
放送日時:2026年10月24日 土曜日 20時00分~20時30分

※放送情報は変更となる場合があります。

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「街の漬物屋さんが見つからない」――それをチャンスに”手作りの漬物屋さん”を開業した女性

新米が美味しい季節!「ご飯と漬物があれば、何もいらない!」なんて言いますが、今回は食卓を彩る”手作りの漬物屋さん”のお話です。それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。

越谷駅から歩いて10分ほどの佐藤留美商店

日本各地には、いろいろな漬物がありますよね。米どころ、山形県にも、美味しい漬物がたくさんあります。「赤かぶ漬け」に「丸なす漬け」、そして「おみ漬け」と、どれも昔から地元の人たちに親しまれてきた味です。

そんな山形で生まれ育ったのが、佐藤留美さん、37歳。小さい頃から、おばあちゃんの漬物と、お母さんの手料理を食べて育ちました。将来は、料理に関わる仕事がしたい。そんな思いから、調理師免許が取れる高校に進学。卒業後は飲食店で働き始めます。持ち前の明るさと頑張りで、なんと23歳のときには、三店舗を任されるまでになりました。いつもニコニコ、笑顔がこぼれ、お店の看板娘としてお客さんから親しまれていました。

そんなある日、東京から出張で訪れた男性がその明るい人柄に心を奪われ、猛アタック!そして、留美さんが27歳のときに結婚。生まれ育った山形を離れ、上京することになりました。

佐藤留美さん

東京では、生命保険の営業をしていた留美さん。

「お客さんへのちょっとした手土産に、有名店やスーパーの漬物ではなく、昔ながらの街の漬物屋さんのものを探したんですが、見つからなかったんです。どうしてなのかな?と調べてみたら、食中毒対策で食品衛生法が改正されて、漬物づくりにも新しい設備が必要になったんです。資金面の問題や高齢化などもあって、お店をたたむ人が増えていたんですね」

そこで、留美さんはひらめきます。

「これって逆にチャンスかも……。漬物屋さんをやってみよう!」

2023年5月、東京からも近い埼玉県越谷市に、佐藤留美さんは漬物屋さんを開きました。お店の名前は、ズバリ「佐藤留美商店」。

「昔は、自分の名前をつけるお店が多かったので、逆にカッコいいかなと思ったんです」

ライバル店が少なく、需要もある。そして、スーパーで売られている漬物とは、ひと口食べれば味の違いが分かると言います。

「うちはリピーターのお客さんが、めちゃめちゃ多いんですよ」

いつも笑顔を絶やさない留美さん。順風満帆に見えますが、お店を始めたころは、苦労の連続だったそうです。朝、漬物に使う野菜を仕入れます。大根はキロ単位で買い付け、大きな樽に漬け込みます。重石だけでも15キロほど。仕込みは、まさに体力勝負です。もうひとつ難しいのが、味加減です。思ったような味に漬からず、最初のころは、樽いっぱいの漬物を捨てたこともあったそうです。

「季節によって、野菜に含まれる水分量が違うんです。だから、微妙に塩加減も違ってくるんです。いい塩梅がとっても難しいんですよ」

すべて試食してから選べるとのことです

漬物の種類は、季節ごとに、年4回入れ替えています。秋の漬物は「きくらげのからし漬け」「長いもキムチ」「れんこん松前風」「そうめんかぼちゃの中華漬け」「なめこの山形だし風」などなど。店内に並ぶ漬物は、すべて試食できます。味や食感をしっかり確かめて、納得したうえで選べるんですね。保存料や添加物は、一切使っていません。また、「形が悪い」というだけの理由で捨てられてしまうのは、もったいないと、留美さんは規格外の野菜も積極的に活用し、旬の野菜を余すことなく漬物にしています。

そんな「佐藤留美商店」に、今年5月、ニューフェイスが加わりました!留美さんが、男の子を出産したんです。

「いまは、パートさんに助けてもらいながら、目の届くところにベビーベッドを置いて、子育てをしながらお店を切り盛りしています」

素材を大切に、手間を惜しまず、丁寧に作る留美さんの漬物……。その味は、どこか懐かしい「おばあちゃんの味」なのかもしれません。

 

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