「しつけ」と「体罰」の違いとは?子どもが言うことを聞かないときの向き合い方と児童虐待防止につながる“相談窓口”を解説
11月8日(日)の放送テーマは、「みんなで支えよう。体罰などによらない子育て」。子ども家庭庁 虐待防止対策課の山下雄一朗(やました・ゆういちろう)さんから、「しつけ」と「体罰」の違いや児童虐待の防止について話を伺いました。

(左から)松井玲奈、山下雄一朗さん、杉浦太陽
◆「しつけ」と「体罰」の違い
子育て中は、思うようにいかない場面も少なくありません。5児の父である杉浦も、旅行の直前に子どもが熱を出したり、宿題をなかなか始めなかったりと、日々さまざまな場面で向き合っていると明かし、「自分の子だけど自分自身じゃないし、何回言っても聞いてくれないけど、それぞれ性格が違うから、それはそうだよね。なので、“子どもへの伝え方”は気を遣っているかもしれない」と話します。
しかし、なかには我が子に声を荒げてしまったり、手をあげてしまったりした経験を持つ親もいます。ここで改めて考えたいのが、「しつけ」と「体罰」の違いです。しつけとは、子どもが社会のなかで自分らしく成長できるよう、必要なことを教え、できるようになるまで支えることです。対して体罰は、痛みや苦痛を与えて言うことを聞かせようとする行為を指し、児童虐待の対象にあたります。
山下さんは、「ひと口に児童虐待と言っても、単に殴ったり、蹴ったりする体罰だけではなくて、怒鳴ったり、無視したり、食事を与えなかったり、子どもへの性的行為なども含まれます。こうした体罰などは、子どもの成長や発達に悪影響を及ぼすことが科学的にも明らかになっています。そのため、2020年から親権者などが『しつけ』と称して体罰をおこなうことは、法律で禁止されています」と解説します。
◆子どもが言うことを聞かないときの向き合い方
では、子どもが言うことを聞かないとき、どのように向き合えばよいのでしょうか。例えば、お菓子売り場で子どもが「お菓子買って」と駄々をこね、注意しても騒ぎ続けたとします。このときに、叩いて無理やり連れ出したら、周囲への迷惑を考えてやった行動だとしても体罰となります。
この場合は、まず子どもの「お菓子を買いたい気持ち」に耳を傾けることが大事だと山下さんは説明します。続けて、「子どもは、自分の気持ちや考えを受け止めてもらえたという体験によって、気持ちが落ち着いたり、大切にされていると感じたりします。そのうえで、お菓子を買うことができない理由を冷静に伝えてください」と話します。
具体的には「どうして、このお菓子がほしいの?」と問いかけたり、「今は買えないんだよね。どうしたらいいかな?」と一緒に考えたりする方法があります。一方、「言うことを聞かない子は、うちの子じゃありません」「お兄ちゃんはいつもいい子なのに」といった発言は、子どもの心を傷つけてしまう恐れがあり、余計に気持ちの切り替えが難しくなります。
そして、子どもが納得したときには「分かってくれてありがとう」と褒めることも大切です。良い態度や行動を認めることは子どもの喜びにつながり、自己肯定感を育むことにもなります。
さらに、子どもの年齢や成長・発達の状況に応じたケアが必要な場合もあるとし、「時間的に可能なら“待つ”ことで、子どもの気持ちや行動が変化するかもしれません。それが難しければ、他のものに注意を向けるように促すのもいいかもしれません」と話します。
◆児童虐待を防ぐために
子育てをしていると、保護者はさまざまな悩みを抱えます。それを1人で抱え込んでしまうと、つい手をあげてしまったり、怒鳴ったりするなど、虐待につながる恐れもあります。子ども家庭庁が都道府県などにおこなった調査では、令和6年度に発生または表面化した虐待によって命を落とした子どもは77人にのぼりました。
そのような悲しい事態を防ぐために、子育てに対する悩みがあるときや、虐待の可能性を感じたときは、1人で抱え込まず、国や自治体が設けている相談窓口を積極的に活用しましょう。今回は、さまざまなサービスのうち2つを紹介します。
1つ目は「親子のための相談LINE」です。山下さんは、「子育てや親子関係について悩んだとき、18歳未満の子どもと、その保護者の方などが相談できる窓口です。匿名で利用でき、相談内容の秘密も守られます」と解説します。
もう1つは、児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」です。虐待を受けている可能性のある子どもに気付いた場合、身近な人でなくても「189番」に通報できます。電話をかけると管轄の児童相談所につながり、相談や通告は24時間365日受け付けています。
とはいえ、近所で虐待の可能性がある親子を見かけても「間違っていたらどうしよう」と通報をためらう人もいるかもしれません。しかし、山下さんは「間違っていてもかまいません」と強調します。
児童虐待を防ぐためには、保護者だけでなく、子育てをしている家庭を地域や社会全体で支えていくことが大切だと言い、「児童相談所がしっかり話を聞き、状況を慎重に把握したうえで、子どもや保護者にとって最善の方法を一緒に考えて対応します。ですので、“虐待かも”と感じたら、迷わず『189』へご連絡ください。そのお電話で救われる子ども、保護者がいるかもしれません」と力を込めます。
なお、虐待されている子どもには、次のようなサインが現れることがあります。
・不自然な傷や打撲の跡がある
・衣類や体がいつも汚れている
・表情が乏しく、活気がない
・夜遅くまで1人で遊んでいる
また、子どもの泣き叫ぶ声や保護者の怒鳴り声が頻繁に聞こえる場合も、虐待を含む何らかの問題が背景にある可能性があります。そして、保護者側にも「小さな子どもを家に置いたまま外出する」「子どもの養育に拒否的または無関心な態度を示す」「子どものケガについて不自然な説明をする」などといった行動がたびたび見られる場合、虐待の可能性が考えられます。“子どものサイン”“保護者のサイン”に気付いたら、たとえ思い過ごしであっても「189」を利用しましょう。
最後に、山下さんは「児童虐待は社会全体でかかわり、解決していくべき問題です。これ以上、つらい思いをする子どもや保護者が増えないように、みんなで子育てをサポートしていきましょう。なお、児童相談所にご自身の子育ての悩みを相談したい場合は、児童相談所相談対応ダイヤル『0120-189-783』もございます」と呼びかけました。
番組のエンディングでは、杉浦と松井が今回学んだ「しつけと体罰」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。まず松井は“いちはやく相談を 児童相談所虐待対応ダイヤル「189番」”とスケッチブックに書きました。続いて、杉浦は“児童虐待は社会全体でかかわり 解決していくべき問題です”と注目ポイントを挙げ、「体罰などによらない子育てや児童虐待について詳しく知りたい方は、子ども家庭庁の児童虐待防止特設サイトをご覧ください」とコメントしました。

(左から)松井玲奈、杉浦太陽
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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・松井玲奈 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、松井玲奈
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm
- 杉浦太陽・松井玲奈 日曜まなびより
- 放送局:TOKYO FM
- 放送日時:2026年11月8日 日曜日 7時30分~7時55分
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公式X
※放送情報は変更となる場合があります。
