ファッションデザイナー・村田晴信「服は着てもらって初めて完成するんだなって」

写真左から村田晴信、田中里奈 ©InterFM897

青文字系ファッション誌を中心に活躍中のモデルの田中里奈が、InterFM897で土曜の夜にお届けする『Feel the moment』。12月7日の放送では、ファッションブランド「HARUNOBUMURATA」デザイナーの村田晴信さんをお迎えしました。

服はそれ単品ではなく、着てもらって初めて完成する

田中里奈(以下、田中):実は先日イタリアのミラノのほうに行ってまして。目的はトリュフ狩り。いま白トリュフが旬の時期なんでトリュフ狩りにみんなで行こうっていう風になって、トリュフの名産(地)っていうんですかね、トリュフが有名なアルバに行ってきたんですけど。メンバーとはミラノで合流って感じだったんですけど、ちょっと前から私ミラノに何日か1人で滞在しようっていう風に思ってて、ちょっとブラブラしてたんですけど、実はその時に超ナイスなタイミングで私の友人の1人がミラノにちょうどいて。それでミラノを存分に、さらに楽しめたってのがあったんですけど、今日はせっかくなのでその友達を呼ぼうって事で呼んでみました。はい。

今夜のゲストはファッションブランド「HARUNOBUMURATA」のデザイナーの村田晴信さんをお呼びしました。こんばんは。

村田晴信(以下、村田):こんばんは。

田中:はい。ということで友達連れてきちゃいましたシリーズです。村田くんはね、偶然だったねほんとに。

村田:奇跡でしたね、あれは。

田中里奈:まさかの奇跡のミラノでの遭遇だったんですけど、私が行く前日ぐらいに村田くんがあの、Instagramかなんか更新してて、あれ?ミラノにいるの?みたいな感じで。もともとイタリアに何年か住んでたことは知ってたんですけど、それがミラノってことも知らずになんでミラノにいるのみたいな感じで。村田くん仕事で行ったんだよね。

村田:そう。たまたま仕事で行っていて、ほんと久しぶりだったから、まさかそのタイミングでいるなんていうことはね。

田中里奈:ね、奇跡的に会えて、しかも私が暇な2日間がちょうど時間がある2日間で。

村田:ほんとに良いタイミングだったね。

田中:まずは村田くんの活動について伺っていきたいなって思います。以前は「Jil Sander」のメンズデザインチームに所属されていたということで、2018年に自身のブランド「HARUNOBUMURATA」を立ち上げたということで。

村田:そうですね、3年間くらい「Jil Sander」のデザインチームに所属をしていて、ミラノのコレクションの方でデザインの方に携わっていたっていう感じですね。

田中:イタリア自体では8年くらい住んでたんですか?

村田:はい。イタリアには2010年に行ったので、それから8年間ずっとイタリアに住んでいました。最初の1年間は学生で、学校が終わって仕事をしたいなぁっていう風に色々活動していたんだけど、ファッション界のコンペがあってそれで賞をいただいて。自分の名前で一度ミラノコレクション自分の名前で一度賞をもらったことがあって、その時の審査員の1人が「John Richmond」のオーナーで。そこの人から、うちで一回デザイナーやってみないかって声かけていただいて3年間。「John Richmond」っていうオフィスが、ミラノから離れた、ホルリって言うほんと田舎町にあったんだけど、そこで3年間くらいデザイナーとして仕事をしていて、そこから転職みたいな感じでだんだん移って3年間「Jil Sander」でデザイナーをして、とざっくり言うとそんな感じですね。

田中:そもそも村田くんがファッションに興味持ち始めたのっていうのは、いつ頃から?

村田:ほんとに一番最初を探っていくと中学生の時とかだと思うんだけど、もうずっと私服の学校だったんですね。制服の学校に行ったことがなかった。小中高と普通の公立の学校だったんだけど、ちょっと珍しくてずっと私服だったんだけど、自ずと洋服を着なくちゃいけないから、まぁ興味みたいなのはそこから生まれてきて。ちょっと姉の影響とかもあったりしていて、中学生ぐらいの時からファッション誌読みながら。

田中:当時何読んでた?

村田:当時は、なんだろうね。一番最初に見たのは「FINEBOYS」とか、そこから「メンズノンノ」とかそういうとこに入っていって。その頃、矢沢あいさんの漫画を貸してもらって読みながら、ファッションってやっぱりいいなっていうところから入ったのが1番最初だったかな。

田中:すごい。なんか私も中学生くらいからファッション興味あって高校からオシャレ大好きっていう風になったけど、その自分が作る側っていう風にあんまり考えたことがなくて。作ろうって思ったきっかけってありますか?

村田:服って作れるっていうイメージが最初多分ないじゃない?着るもので作ろうって発想にならなかったんだけど、なんか周りにそういうのが好きな奴が何人かいて、男女問わず好きなやつが何人かいて。多分1番大きなきっかけみたいなのが高校の文化祭で、ファッションショーをやったみたいなことがあったりして。そこから実際作ってみようって風になって、ほんとにもう見よう見まねで作ってみたら意外とできちゃったっていうのがあって。意外と作れるんだっていう風に知っちゃって、これはいいぞと、面白いなと。そこから、じゃあ実際に作れるんだっていう風になったら、もちろん見よう見まねで作ってるから技術的なところはもちろんグチャグチャだし、しっかり勉強しようってことで専門学校に行って、本格的に始めたっていうような感じかな。

田中:当時モデルはしなかったの?

村田:モデルも、自分でもしたよね。

田中:ラジオだからアレなんですけど、背が高くてスタイルいいから服似合いそうだなと思って、モデルやってそうと思って。

村田:自分でもやった。

田中:でも、その中でもレディースの服を作ろうかなって思ったのはなんで?もともとメンズも作ってたとかはないの?

村田:結構最初からレディースの服の方が興味があって、少女漫画から入ってるからかもしれないんだけど男らしいこだわりとか、例えば内側がこうなってなくちゃいけないとかは周りのメンズの服をやっていた友人とかに比べるとあんまり無くて。良くも悪くも表面的な部分の方がずっと惹かれていたってのはあったから、そういう意味で考えたら、女性の服の方が向いてるなって自分では思っていて。いまだにメンズの服って人生で一度くらいしか作ったことない。

田中里奈:すごい。逆に一度は何?

村田:専門学校の1年生の時の春休みちょっと時間があったから、ちょっと自分で作ってみようかなっていうのがあって。でも、ほんとに後にも先にも、ちゃんとメンズの服って作ったのはそれが最後だったかもしれないかな。

田中:不思議。着た時違うなって思った?

村田:うん。やっぱりなんか主観が入っちゃうというかね、どうしてもなんか自分の着たい服っていうマインドで作ってしまうから、誰かのために作ってるっていう感覚がどうしても持てないというか。自分の作りたい服を作るっていう体(てい)で作ればいいんだろうけど、なかなか女性のために服を作っているのと男性のために服を作っているっていうのは、自分の中ではかなり大きな違いが。

田中里奈:なるほど。逆に私はものづくり色々やってて、ブランドさんとコラボしたり、お洋服も作るし鞄とかアパレルから生活用品みたいなものまでほんとになんでもコラボしてるけど、私の中のエッセンスは結構「自分でもほんとに使いたいもの」っていうのがマストの項目に入ってたから、その考え方ってすごい斬新かもしれない。

村田:だから、やっぱり女性デザイナーが作る服と男性デザイナーが作る女性の服っていうのは良い意味でも悪い意味でも違いがあって、そういう目線で見てみてもちょっと面白いかもしれないっていうのはある。

田中:それは主観的よりも客観的に作る方が、幅が広がるっていう意味?

村田:自分の服を作って着てもらった時に、服単品じゃなくて、着て初めて完成するっていう。引いてみた時にすごく満たされるというか素敵な気持ちになれるなって、服を作っててすごく思ってるところですね。

田中:この番組、結構男性女性色々来られるんですけど、男性の方が割と一定数、客観視してるよって話をしてくるっていうか。女の人はそういう話あんまりしなくて主観的に生きてて、性差ってあるのかなって。

村田:男性と女性と、女性の気持ちを持った男性と、男性の気持ちを持った女性と、色んな方がいて作ってる人によって出来上がってくるものってやっぱ違うんだろうなっていうのは、思うね。

品がある姿勢や立ち振る舞いのスイッチになるような服が作れたら

田中:以前はイタリアで「Jil Sander」でチームとして過ごしていて、去年から自分の「HARUNOBUMURATA」っていうブランドをする上で心持ちって違いますか?

村田:だいぶ変わったね。やっぱり「Jil Sander」ってすごい好きなブランドで、イタリアにそのために行ったと言っても過言ではないくらいで。「Jil Sander」があったからイタリアに行ったっていうのが結構あって。もともと1番好きだったから、そこで働いてたのがすごいラッキーだったなって思っているんだけど、やっぱり自分の作りたいものっていうのがあって、それが必ずしも自分がいるブランドのテイストと100%マッチしているかって言ったらそういうわけではなくて。自分が描いてる女性像とブランドが描いてる女性像との違いみたいなとこだったりとかそういうところがやっぱりあったりするので、100%自分のクリエイションとしてやるためにはやっぱり自分のブランドを立ち上げてやらないとそれはできないよねって思って。

田中:思ってたんだ。

村田:もともと最初から思ってたんだけど、だから30代くらいでブランドを立ち上げようって結構昔から思っていて、30が来た、さあやろうっていうような。

田中里奈:なるほど。ずっとそういう感じで構想とかはあったの?

村田晴信:あったね。で、後一年くらいで帰ろうかなってことを考えてた時から結構しっかりと計画を立てて、それこそなんか事業計画書みたいなものを立てて、結構ブランドっぽくないようなことをやったりしてたんだけど。

田中:なんかちゃんとしてるね。

村田:ちゃんとしてるタイプのデザイナー(笑)。

田中:私結構、こういう風にやりたいっていう妄想と構想を両立するのちょっと苦手なタイプで。具現化していくのが得意な人が近くにいるとすごく輝くタイプなの。

村田:理想像はそれだよねっていう風には思ってる。

田中:ほんとに?なんかなんでもできるとバランスいいなと思うんだけど。

村田晴信:でも「Jil Sander」のクリエイティブディレクターの2人も今夫婦でやってるんだけど、旦那さんの方はすごく理論的に考える人ですごいロジカルな人なんだけど、奥さんのルーシーさんはすごく感情的というかエモーショナルなデザインの人で。理論的に考えたらこんなデザインが必要だけど、じゃあ感覚的にはこれが可愛いか可愛くないかっていう最終ジャッジは奥さんの方がしてっていうような、すごくうまくバランスが取れていて。そういう風にブランドを持って行けるとやっぱりうまく行くよねっていうのがすごくある。もちろんそれだけじゃないしそれをまず固めるPRとかいろんなところが絡まってきてブランドが成り立ってるんだけど、その右脳的な部分、左脳的な部分っていうのがブランドの機能として必要だからその部分は大事にしていきたいなって。

田中:「HARUNOBUMURATA」の理想的な女性像みたいなところってどんな感じ?コンセプトは?

村田:今すごく静かな、ラグジュアリーなものを作りたいなっていう風には思っていて。その静けさを感じるものの、中に品とか振る舞いとかのものを感じさせたいなってのがすごくあって。というのも一つきっかけがあったんだけど、そのブランドを立ち上げる前に「Jil Sander」でフィッティングをしていて。コレクションの1日とか2日とか前だったのかな、すごいバタバタしていて、ほんとに朝から夜まで缶詰でずっとスタイリングを組んでるようなすごいストレスフルな環境なんだけど、そこのクリエイティブディレクターのルーシーさんがスーッと来て椅子に座ってカプチーノ飲みながら、代々受け継いでるような手巻きの時計をしていてそれをおもむろに巻き始めて、巻き終わってじゃあ始めましょうかっていう風に言ったんですけど、なんかスイッチを入れるような道具みたいなのがすごくステキだなって思って。洋服でもその機能というか、その感情って持たせられたらすごいステキだよねって思っていて、その姿勢とか振る舞いとかそういうところをフッとさせてくれるような、品がある服を作れたらいいなっていう風に。

田中:ステキ。

村田:あの瞬間はすごくハッときてというか。なんというかこんなステキな人がいるんだろうかって思って。その一連の動作の品の良さというかすごくステキで、自分のブランドでもそういう気持ちを持たせられるような服ができたらいいなっていう風に思った。あの瞬間は忘れられないですね。

Feel the moment
放送局:interfm
放送日時:毎週土曜 24時00分~24時30分
出演者:田中里奈
番組ホームページ

ハッシュタグ:#feel897
メール:feel897@interfm.jp

※該当回の聴取期間は終了しました。

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