世界を魅了したファッションデザイナー・森英恵生誕100年記念の遺稿集「日日新(ひびあらた)」を朗読。
森英恵。
蝶のモチーフ、鮮やかな色彩、斬新さの中に東洋の伝統の美を感じさせるデザイン。
昭和から平成、令和と、日本のファッション界をけん引し続けたデザイナー。そして、第一線で働く女性としても、森英恵は確かに時代のさきがけとなった。
ラジオ日本『わたしの図書室』では8月27日と9月3日の2週にわたり、そんな森英恵が最晩年に書いた未発表のエッセイを集めた「日日新」(かまくら春秋社刊)から、いくつかの章を抜粋して紹介する。朗読は日本テレビアナウンサーの井田由美。
森英恵の人生
一点物の最高級仕立て服・オートクチュールから、高級既製服・プレタポルテ、そして、私たちの生活の中で活躍するエプロンやスカーフ、ハンカチといった小物まで。シンボルの蝶の柄に代表される森英恵の美しいデザインは、長年にわたり、多くの人に親しまれ、愛されてきた。
1926年(大正15年)、島根県の裕福な開業医の家に生まれた森英恵は、教育熱心な父親の考えで、他の兄姉たちと同様、小学校のときから東京の学校で学んだ。そして、東京女子大学を卒業。1948年に森賢と結婚後、ファッションを学ぶ。1951年、新宿にスタジオを設立。1950年代から60年代にかけての日本映画全盛期には、映画の衣裳を数多く手がけた。1965年、ニューヨークで初の海外コレクションを発表し大絶賛を浴びる。以後、パリ、ニューヨーク、東京を拠点に活躍の幅を広げていき、1977年には東洋人として初のパリ・オートクチュール組合に加盟を認められる。1993年、当時の皇太子ご成婚に際して、雅子妃のウエディングドレスをデザインしたことでも知られる。ほかに、日本航空の客室乗務員やバルセロナオリンピックの日本選手団ユニフォーム、バレエやオペラの衣裳などを手掛けた。その生涯にわたる世界的な活躍には枚挙にいとまがない。2022年、96歳で逝去。
「日日新」の気持ちで
「日日新(ひびあらた)」という言葉は、“女学校の校長先生からいただいた大切な言葉”だ。そして、森英恵はその言葉通り、“いつも自分をリフレッシュさせながら走ってきました”という。
今回、紹介する本「日日新」は、2022年に96歳で亡くなった森英恵が、2018年から2020年を中心に書いた未発表のエッセイ集だ。日本を代表するファッションデザイナーとして、時代と共に、ときに時代に先駆け、全力で走り抜けてきた森英恵が、その最晩年に自分の人生を静かな思いで振り返って書いた文章の数々。そして、森英恵はこの遺稿集を通して、今を生きる人たちに貴重なメッセージを送っている。
【1週目=8月27日放送】
森英恵の原点ともいえる、自然豊かな故郷・島根や家族、そしてデザイナーになるまでのことを綴った章を紹介
・はじめに~令和を迎えて~2度の東京オリンピック~未来に思いを馳せる~
・曼殊沙華~自然豊かな故郷で育った感受性~曼殊沙華の咲く風景~
・紋白蝶~大根畑の紋白蝶を追って~米国で見たオペラ「マダム・バタフライ」~
・好奇心~洋装店「ひよしや」開店~発端は好奇心~五感で本物に触れる~
・父と母のこと~厳格な父とやさしい母~クリエイティブな父の影響~父の教育~
【2週目=9月3日放送】
日本を代表するファッションデザイナーになり、やがて世界に羽ばたいていく人生のみちのりを綴った章を紹介
・映画衣装~映画の衣裳数百本~裕次郎夫妻・篠田監督と志麻さん・小津監督~
・真珠~真珠が好き!~真珠のデザイン~夫からの最後のプレゼント~
・食べること、眠ること~健康の秘訣~食べる・眠る・ストレスをためない~
・若い人たちへ~ファッションは時代の風~世界は動く~「好き」を磨いて~
【放送内容】
放送日:8月27日・9月3日(木)23:30~00:00
朗読作品: 森英恵 遺稿集「日日新」(かまくら春秋社)
朗読: 井田由美(日本テレビ・アナウンサー)
- わたしの図書室
- 放送局:ラジオ日本
- 放送日時:毎週木曜 23時30分~24時00分
- 出演者:井田由美(日本テレビアナウンサー)
※放送情報は変更となる場合があります。
