「ふざけた取材すんな！」大阪市時代の橋下徹から徹底口撃された女性ジャーナリストが炎上騒動を振り返る「実はその日の夜は…」
教科書検定をめぐる問題を描いたドキュメンタリー映画「教育と愛国」では監督を務め、集英社新書から「何が記者を殺すのか 大阪発ドキュメンタリーの現場から」を著した、毎日放送の斉加尚代さんを、7月15日の大竹まことゴールデンラジオにお招きし、10年前に起きた炎上騒動について伺った。
大竹まこと「斉加さんといえば、大阪市長時代の橋下徹さんとずいぶんやりあっていましたね。」
斉加尚代「やりあったというほどじゃないです。（笑）10年前のことですけど、卒業式で先生が国歌斉唱しているか口元を見てチェックしているということに橋下さんが「素晴らしいマネジメントだ」とおっしゃったんですね。でも教育現場がトップダウンで先生をガチガチに縛るのは教育の本質からどんどんズレていく恐れがあると私は感じて、「素晴らしいマネジメント」という言葉がどうしても受け入れられなかったんです。そこで校長先生達にアンケートをとって、学校の声はこうですということをお伝えしたんですが、30分ぐらい論争になったんです。」
室井佑月「あ～覚えてる。先生いじめがすごかったんだよね。」
斉加「政治家の言葉の威力がすごいなと感じたのは、そのとき橋下さんから「不勉強な記者」「とんちんかん」「ふざけた取材すんなよ」とかいくつかキーワードが出まして、そのキーワードが社に殺到したんです。」
室井「締め出せとか、取材現場くるなとか、言われてなかった？」
斉加「記者やめろ、という声もすごく多くて、会社に対してメールやSNSでのバッシングが3ヶ月ぐらい続いたんです。10年前はインターネットの炎上は、どういう仕組みで起きてるか、まだよく分かってなかったものですから、その量に戸惑ったんですけど、その後 本当に数パーセントの人たちが繰り返し同じような言説をばらまいてるのが分かってきました。でも10年前は、炎上はまれな出来事だったんですが、今は憎悪を煽る一つの手段として当たり前になっているのが恐ろしいですよね。」
室井「でも立派！強いですね。だって当時の橋下さんなんて、すごく力があって怖かったのに、あんな個人攻撃されたら普通だったらもうやめちゃおうとかなりそう。」
斉加「実は、あの口撃を受けた時も、全然その夜普通に寝れたんですよね。あんまり応えなかったので。」（笑）
室井「強い。それに口撃されたままじゃなくて、一種のアンサーとして映画や本をお書きになった。」
斉加「やっぱり自分の仕事は取材して表現することなので、おかしいと思ったから取材してここまでやってこれたんです。」
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7月8日の「大竹まことゴールデンラジオ」（文化放送）にて、きょう午前11時半頃、奈良市の大和西大寺駅近くで演説をしていた安倍元総理大臣が背後から男に銃で撃たれた事件を受け、政治アナリストの伊藤惇夫氏に電話で話を聞いた。
安倍元総理銃撃という衝撃的なニュースが飛び込んできたが…
「まず一言言うとショック。もうこれ完全にテロですから。こういうことが日本でも起きるんだなって僕は、瞬間的に昔のことだけれども、旧社会党の浅沼稲次郎氏が暴漢に刺されて、お亡くなりになったケースを想起してしまった。これはもうちょっと本当に言葉もない。犯人が確保したということだけれども、この犯人に政治的な背景があるのかあるいは、思想的な問題なのかあるいはその他なんか他の理由があるのかこの辺はこれから解明されることになると思うけれども、いずれにしてもちょっと気になるのは警備上の問題はなかったのかなと。散弾銃って結構目立ちますので、長さも長いし普通の拳銃とは全然違いますから、その辺はどうだったのかなっていうのが、一瞬気になりました」
政治的な影響については…
「私の立場から言うと政治的な影響っていうところもこれから考えていかなきゃいけない。少なくとも選挙そのものには、有権者の動向に直接関わるようなことでは、今の時点ではないと思っている。選挙後の政権運営や、いわば自民党の中の力関係。その辺のバランスにやっぱり影響を与える可能性が出てきてるのかな。安倍さんは党内最大派閥のトップ。この派閥をどうこう維持していくのか、あるいは誰がそのトップに立つのかっていうのもありますし、もう一つは、やっぱり安倍さんの影響力というか、元総理ということも含めて、非常に党内外に広い影響力を持っていた。その安倍さんという方が、一命を取り留めて欲しいですけど、第一線からしばらく引かれることになる可能性が高い。そうなると岸田政権のこれから選挙を経て、どういう政権運営をしていくのかっていう部分に関しても多少の変化が起きるかなっていう気がする」
大竹は、「浅沼さんが壇上で刺された時以来、こういう暴挙、テロリズムみたいなことが、私もこの国で起こるのはとっても驚いてるんですけども…」とコメント。
これに対し伊藤は、
「岸さんも暴漢に襲われたことがありますしね。だから時々こういう問題が起きるんですけど、とにかく散弾銃を2発撃たれて倒れるというのは、衝撃。犯人を抑えきれなかったのかなーっていう疑問はちょっと残る。全ての閣僚がこれから選挙明日明後日ですけれどもまでは動かない。で野党の幹部の皆さんもかなり動かないっていう状況になりつつありまして、その意味ではあの2発の散弾の弾丸が、この選挙そのものにものすごい影響を与えたということは言える。」と回答。
伊藤が伝えておきたいことを尋ねられると、この様に答えた。
「とにかく暴力によって政治に何か影響を与えようとするようなことはもう二度とあったらいけない。油断ができない状況になってるのかなと感じる」
