少子化対策として奨学金の対象拡大 藤井氏「大学進学率を上げるのにはいいですけど…」

3月30日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、奨学金の対象拡大というニュースについて意見を交わした。

藤井氏「出生率を上げるっていうのとは別ですよね」

政府は高等教育における返済不要の「給付型奨学金」と授業料減免の対象を多子世帯や理工農系の中間層に拡大する。両親と子2人の世帯の場合で年収380万円未満に限っている要件を600万円に引き上げる方向だという。月末にまとめる少子化対策のたたき台に盛り込む調整に入った。

寺島アナ「この“600万円”というボーダーラインにするということも含めて、奨学金の対象拡大、これは藤井さんはどうでしょう?」

藤井氏「もちろん良いことなんですけど、こういうのも日本は貸付ばっかりだったんでね。給付型の奨学金、要するに“あげっぱなし”のやつね? これがほとんど無かったんですよね。日本の場合は『返せ』と。それって、普通は“ローン”と言って“奨学金”って言わないんですね。だから、“給付型奨学金”っていうのは“白米型お米”みたいなことですよね? 『何言ってんねん、自分』みたいな」

寺島アナ「『奨学金はそういうものですよ?』と。『“給付”なんだ』と」

子育てには高等教育にかかる費用が重荷との指摘があり、高校生の大学進学希望率は子どもが多い世帯ほど低い傾向で、高等教育の負担軽減を少子化対策の柱の一つにするという。対象となるのが大学・短期大学・高等専門学校に通う理工農系、子どもの多い世帯の学生であるという。

寺島アナ「この絞り方はどうでしょう?」

藤井氏「“少子化対策の柱”って…。子どもが生まれるときに『18のときの奨学金がひょっとしたら貰えるかもしれないから生んじゃおうか』って思うのか? 『18年後やぞ?お前』と。何を言っているんでしょうね。奨学金は大学進学率を上げるのにはいいですけど、出生率を上げるっていうのとは別ですよね」

たたき台は育児中の自営業者やフリーランス向けの経済支援も盛り込む方向であるという。産前・産後に国民年金の保険料を免除する期間を現行の4カ月間から延長する。

藤井氏「まぁ、まぁ、いいんですけど…。それで『じゃあ、子ども作ろうか』ってなるのかな? しかし…」

寺島アナ「それだったら、もっと景気を良くしていくっていうのが大元なんじゃないか?ということですね」

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飯田和郎・元RKB解説委員長

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