財津和夫、「ジョンレノンが博多弁を喋ったら『俺はこげんしかせんけん』と言っていたはず」
TULIP・財津和夫が、時には若かりし頃に聴いていた曲の思い出を語るRKBラジオ『財津和夫 虹の向こう側』。3月9日の放送では、有名アーティストのキャラクター等について面白おかしく話します。
昭和のデュエット曲のリクエスト
番組のオープニングでは、女性とのデュエット曲を(アルバムとして)出してみては? という提案のお便りを紹介しました。
財津「女性とのデュエット曲、昔出しましたよ」
下田「タイトルは『償いの日々』、お相手は…」
財津「原みどりさん、です。それを知った上での(ご提案の)お便りなんですかね。結構ヒットしたんですよ」
下田「(デュエット曲の)数が少ないからじゃない?」
財津「そうかもね。松任谷由実さんにわざわざ曲を頼んで、詞は僕が書こうかな、って密かに思ったんですけど、彼女に『詞も曲も書くわ』って言われたらもう何も言えないし」
リスナーのお便りには、「いつもでも残る昭和のデュエット曲を」との具体的な提案が書かれています。
財津「昭和のデュエット曲って、『昭和枯れすすき』しか思い出せないんですけど」
下田「デュエットってお好きですか、それとも苦手ですか」
財津「誰と歌うのも好きです。ハーモニーが好きなんで、だからバンドにしたっていうか、もうバンドしか考えられなかった。みんなでハモりながらワイワイやるのが好き。聞いてても良いでしょう、ボーカリストが2人いて表と裏ではなく表同士でぶつかり合う。ジョンとポールもそうでした。デュエット曲になるかどうかわかりませんけど、元気があったらいろんなことをやってみたいですね」
ビートルズは、「おぼっちゃんたちがやんちゃしてる」イメージ?!
先週に引き続き、今回の放送ではソロコンサートタイトル「忘れられない歌」にちなんだ話をお送りします。
先週の放送で聞いた一曲は、財津自身が選んだ『ケセラセラ』でした。
財津「ポールマッカートニーがたぶん大好きな曲なんですよ。というのは、ビートルズが自分たちでアップルレコードっていうレコード会社を作りました。そこでポールがいろんな曲をプロデュースした中で、メリー・ポプキンという女性歌手がいるんです。ポールが好きそうな感じの金髪の女の子、その子が『ケセラセラ』のカバーを歌っているんです。そして、時系列的にはその前になりますけど、ポールは『レット・イット・ビー』を作っています。もうこれは世界的に有名な曲ですけど、さて、これを訳すと」
下田「あるがままに、ですか」
財津「みたいな感じですよね。そして『ケセラセラ』はなるようになる、という意味なんです。だから、きっとここには繋がりがある、と僕は密かに思ってます」
下田「なるほど。ケセラセラとレット・イット・ビー、その続きはTULIPでどうでしょう」
財津「次元が違います。僕たちがどこまで高みに登って行かなきゃいけないか(笑)。そんな事できません」
下田「そうですか…他に注目されていたアーティストはありますか」
財津「ビートルズを聞いて、ワーッと出てたんです。リバプールサウンドって呼ばれていました。ちょっとビートルズの雰囲気を持ったような感じで、言葉は悪いですけど二番煎じや三番煎じ」
ビートルズ絡みの話になると、やはり俄然調子が出てきます。
財津「ビートルズはジョージ・マーティンというプロデューサーがいましたけども、結構アーティストのキャラが強かったんでしょうかね、特にジョンは」
下田「でしょうね」
財津「『俺はこげんしかせんけん』(※これしかできないんだ/これしかしたくない)とか、たぶんジョンは博多弁で言っていたと思います。そしたらポールが…」
下田「『なんばしようとか』(※なにをしているの?/いったいどうしたっていうの)って」
財津「そんな会話があったと思いますよ。やっぱり個性的な、なんか変かなって気もするんですけど、何度か聴いているうちにそれが快感に変わってくるんです」
下田「予定調和とか基本とかに無いところが出てきて、度肝を抜かれるっていうか、魂突かれるところがあるのかもしれないですね」
財津「良いこと言って纏めますね。で、話が行ったり来たりしてスミマセン、ローリング・ストーンズっていうのがビートルズど双璧のように言われてたんですよ。僕はどうして双璧なの、っていつも思っていて、うん。確かに凄いんですげと、僕の中にはその凄さが伝わってこない…何て言うんですか、ロック魂って何をもってロック魂っていうのか知らないけども、不良性っていう意味では、ローリング・ストーンズが凄い」
下田「イメージとしては、ローリング・ストーンズの方がちょっとやんちゃ。ビートルズの方が、おぼっちゃんたちがやんちゃしてる感じ」
財津「まあ、みた感じで比べればそうです。ビートルズもできるだけやんちゃしようってやってたような気もするんですけど、やっぱりローリングストーンに比べればね、ちょっとそういう意味では物足りないとこがあったかもしれません。ボーカルのミック・ジャガーなんか凄いじゃないですか、sexy男№1とか言われて」
下田「モテモテでしたよね」
財津「何であれがセクシーなの、っていつも思ってましたね。ただ腰振ってるだけじゃん、マイク持って走ってるだけじゃん、って。あ、うちのバンドにもギター持って走る人がいますけど(笑)、あいつもセクシーじゃない」
下田「当時、福岡は日本のリバプールって呼ばれていたんですか」
財津「後になってからでしょうね。福岡からいっぱい出てきたじゃないですか。ある程度ヒットしたグループやアーティストもいたでしょうけども、やっぱりもう過多になってキャパオーバーしちゃったんでしょうか。福岡だったらいいだろう、みたいな感じでね。福岡が著名な町になるっていうことは、嬉しい話ではあるんですけど」
今日の一曲は、財津自身のセレクトによるザ・ビートルズ『オール・マイ・ラヴィング』。1963年(昭和38年)にイギリスで発売されたアルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』に収録、日本ではシングルカットされています。まぎれもなく財津の「忘れられない歌」のひとつ、という事でしょう。
次回3月16日の放送は、通常通り18時15分(午後6時15分)からの予定です。
「兄弟」についてお話します。
- 財津和夫 虹の向こう側
- 放送局:RKBラジオ
- 放送日時:毎週日曜 18時15分~18時30分
- 出演者:財津和夫、下田文代
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※放送情報は変更となる場合があります。