財津和夫、ビートルズのカバーアルバムを作った理由は「親離れする」ため

TULIP・財津和夫が、時には(いや、しばしば)ビートルズの魅力について話す『グランドメゾン プレゼンツ 財津和夫 虹の向こう側』。今回は、TULIPがビートルズの曲をカバーしたアルバム(「すべて君たちのせいさ」)について制作企画の理由などを語ります。

ビートルズの曲って、初期の頃は間違ってる部分もいっぱいある

番組冒頭ではTULIPのイントロクイズに挑戦してみたがあまり当てられなかった、というリスナーのお便りを紹介した後、下田アナがチョイスしたTULIPのイントロクイズをリスナーの皆さんと財津自身にもいきなり挑戦してもらう事に。財津は無事クリアでしたが、番組をお聞きの皆さんの結果はいかがだったでしょうか・・・
さて、今回は財津和夫が敬愛するビートルズの今年のニュースから。ポール・マッカートニーが、ジョン・レノンが生前に残した音源をもとに「ビートルズ最後のレコード」を完成させたと発表したのが5か月前。過去の録音テープからAI技術を用いて雑音などを取り除いたジョン・レノンの歌声を切り出し、楽器の音と合わせるミックス作業をしたもので、「今年中に発表する」と発表があった後、具体的な曲名や発売日などの続報はまだありません。(※追記:番組収録時点では未発表でしたが、番組放送直前の11月2日23時〔日本時間〕に「ナウ・アンド・ゼン」が世界同時配信リリースされました。) 
「あと2か月ですけど、ニュースが飛び込んできますかね」と下田アナ。「ビートルズマニアは楽しみですよね」と、大のマニアである財津が答えたところで、TULIPがビートルズナンバーをカバーした異色のアルバム「すべて君たちのせいさ All Because Of You Guys」(1976年発売)の話へ転じる。

まず、レコードジャケットが変わっている。ベース色はピンク、そこに漫画雑誌の表紙のようなメンバーの似顔絵(似てないのもあるが)に加え、ビートルズの4人の似顔絵も描かれている。
財津:「著作権があるので、許可を取った上で、有名な漫画家さんの作ったキャラクターをメンバーに当てはめて、まあ冗談半分に作ったジャケットなんです」
下田:「貴重なアルバムなんですけど、TULIPは日本のビートルズと呼ばれていたんでしょう」
財津:「呼ばれてません。もしそんな事言われたら穴が無くても掘って入ります」
どういう経緯でこのアルバムを作ることになったのかを問われると
財津:「ビートルズが大好きで、ビートルズをやっている方が、自分たちのオリジナルをやっているよりも楽しい。なので、頭の中に一杯のビートルズを一回ここで整理しよう、思いっきりコピーして親離れしよう、と完全コピーしながら、ちょっとアレンジしたりして」
ここで、財津のビートルズ分析に火が付く。ちょっと話が長くなっていいですか、と前置きした後
財津:「ビートルズの曲って、初期の頃はいい加減にレコーディングしているのが多いので、間違ってる部分もいっぱいあるんです。分析すればするほど『ここおかしいじゃん』というのがいっぱいあるんですけど、そこがまた良かったりもする。ですから、間違った部分をそのままコピーしたり、ここはあえて直しましょう、と(アルバム作りを)やりました」
下田:「アルバムを15曲に絞るの自体難しくなかったですか」(※注:内、2曲はTULIPオリジナルで残り13曲がビートルズのカバー)
財津:「全部好きだから、迷ったんですけど、まあ難しくない曲・・・ビートルズの曲って、コピーっぼくやるとだいたい失敗しちゃうんですけど、コピーしやすくあまり文句言われない簡単な曲を選びました」 
そして、今日の一曲は、TULIPがカバーしたビートルナンバーのひとつ「ザ・ナイト・ビフォー」。番組でもお伝えしたように、ビートルズ主演の映画「ヘルプ!4人はアイドル」に使用された曲です。なお、ビートルズ自身が歌うオリジナルが日本でシングル盤としてリリースされたのは1965年11月5日、そう今回の放送日から遡る事58年前の今日でした。
お聞きいただくのは、「すべて君たちのせいさ」に収録されているTULIPのカバー演奏の方。「みんな、ビートルズ(のオリジナル)が聞けると思って、そこでがっくりしちゃったよね、ごめんなさい」と曲をかける直前、財津からお詫びの一言付きでした。

次回11月12日の放送は、通常通り18時15分(午後6時15分)からの放送です。
夫婦円満の秘訣とは何か、について二人が一所懸命(?) に考えます。

グランドメゾン プレゼンツ 財津和夫 虹の向こう側
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週日曜 18時15分~18時30分
出演者:財津和夫、下田文代
番組ホームページ

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※該当回の聴取期間は終了しました。

「これも怖いです」ウクライナと中東の行方は?大竹まことが政治学者に聞く


お笑い芸人の大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜13:00~15:30) 4月21日の放送は、朝日新書から発売している『世界の炎上 戦争・独裁・帝国』の著者である、政治学者の藤原帰一氏を招き、本の内容について伺った。

大竹「今度のご本は、『世界の炎上』。帯には『日本は“弱い者いじめ”に加わるのか?』、『日本はトランプ政権とともに「世界的な強者」として振る舞うのか。それとも国際秩序を支える役割を果たすのか。世界史の転換点で究極の選択を迫られている』と書かれています。おっしゃるとおり日本はどういう風に行くのか岐路に立っていると言っても言い過ぎじゃありませんね」

藤原「はい、そう思います」

大竹「ご本の冒頭では、2020年から2025年にかけて世界で中心的な事件となったものが2つある、と指摘していらっしゃいます。一つはロシアのウクライナ侵攻、もう一つはイスラエルパレスチナ戦争です。このことを簡単にご説明頂けますか」

藤原「2020年2月にロシアがウクライナに侵攻します。これは独立国に対する侵略行為であるとともに、一般の国民、民間の施設に対する大規模な攻撃が加えられたという点で国連憲章にもジュネーブ条約にも違反する明らかな暴力行使でした。この戦争が、さまざまな国際的な余波を生み出して、ウクライナをいわば盾にとって、ヨーロッパの安全を守ろうという流れが生まれます。また別に、ハマスがイスラエルに大規模な攻撃を加えるということがあり、この攻撃自体は民間人に対する殺傷ですけれども、それに対してイスラエルがガザ地区にこれまで見たことがないような規模の攻撃を加え、ヨルダン川西岸では、これも暴力によって入植事業を進め、レバノンの南部ヒズボラの勢力に攻撃を加えるという具合で、ここでもやはり民間の人間に対する極限的な殺人、民間施設の破壊が行われました。戦争はそもそもあってはならないんですけれども、戦争のいわば限られたルールのようなものがヨーロッパの世界ではありました。第一次世界大戦ではクリスマスは停戦するとかですね。軍人と軍人の間の争いで、民間人は殺さない、それが時代が後になるにつれて壊れていくんですけれども、今はもう民間人に対する大量殺傷を伴う戦争が二つ展開しているという、そういう状況が過去5年間続いてきました」

大竹「そうですね。どちらも落としどころも見つからないまま今日まで来てますね」

藤原「ウクライナ侵攻についてはトランプ政権が発足したことによって、ロシアとアメリカで交渉して、ウクライナを頭越しにして停戦を実現しようと言う工作がありました。アメリカはこれが上手くいくと思ったんでしょうが、まったく成果がない」

大竹「はい」

藤原「ただ、アメリカがやや手を引く方向に向かってますから、アメリカ以外のNATO諸国でウクライナを支援できるかという大きな問いがある状態ですね。中東の方はもっとひどいことになっていて、今、イスラエルの行動を抑えるような抑制はどの国にも行われていません。その中で今、イランの核開発を止めるような交渉が進められていますけれども、覚えておいた方が良いのは米軍が今、中東に結集してるんですね。イスラエルもイランに対する攻撃の準備をしている。つまり、言うことを聞かなかったら戦争をするぞと、イランを脅しながらの交渉なんですね。これも怖いです」

大竹「このイスラエルのバッグには、アメリカがついてる」

藤原「はい。アメリカはイスラエルをこれまでにずっと支援してきた国ですし、アメリカなしにイスラエルが軍事行動を行うことは出来ないと言っていい。バイデン政権がイスラエルの攻撃を支援したと私は考えませんけれども、逆に言えば抑えることも全くやりませんでしたね。そしてトランプ政権に入ってからむしろイスラエルへの後押しが強まっているという状態ですね」

大竹「どっからどう見ても、この2つの戦争はどうしようもない。トランプ大統領はガザをリゾート地にするとまで言ってますからね」

藤原「リビエラにするって本当に言いましたね。リビエラにする前提として、ガザに建物を提供するだけじゃなくて人を追い出すって話でしょ。強制移住は戦争でやってはいけないことなんですが、ウクライナに侵攻したロシアも、ウクライナ人をロシア各地に強制移住させました。今イスラエルはそれを求めてる。あるいはアメリカがそれを言い出してるわけですね」

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