朝井リョウ×羽田圭介、企業タイアップ小説の難しさを語る

TBSラジオ「ACTION」月~金曜日の15時30分から生放送。木曜パーソナリティは羽田圭介さん。

4月16日(木)のゲストは直木賞作家の朝井リョウさん。羽田圭介さんとは毎年、作家で集まる花見を行う仲でしたが、羽田さんは今年、ACTION生放送の時間にZOOM花見を被せられたため参加できなかった模様です。今日は朝井さんの最新作『発注いただきました』から、制約の多い企業タイアップ小説を書くことの難しさについてお伺いします。

▼『発注いただきました』…小説家デビュー10周年を記念して、朝井さんがこれまで書かれてきた企業タイアップ作品を収録した1冊。原稿の枚数、物語のシチュエーションなどの制約やお題が与えられる企業タイアップ小説ですが、これにどう応えてきたのかというのを普段は明かされることのない原稿の依頼内容と、書き終えたあとの朝井さんの解説も収録された1冊となっています。

羽田:企業タイアップ小説は朝井さんの中でどういう扱いですか?

朝井:私の中では、どう考えても直木賞をいただいたあとに、こういう依頼がすごく増えて。それで思ったのが、編集者から小説を依頼されるときって、心で依頼されるように見えるじゃないですか。「この作品が素晴らしかったので、新作をうちで…」みたいな心で依頼をしてくださるものにばっかり触れている中で、明らかに肩書きとか数字で依頼してもらえるという(笑)真逆の評価のされ方をしてもらえる認識がありまして。でもこれって、そちら側の物差しでGOが出たというのは、励みにもなるんですよね。「この人を起用することで商品が売れる」と判断してくださったんだったら、全力で応えようという気持ちになって、割と腕をぶん回す気持ちで引き受けることが多いですね。

羽田:『発注いただきました』という単行本は、ただ企業タイアップ小説を集めたものではなくて、まず「どんな発注を受けて書いた作品なのか」という、受注したときの向こうから提示された条件を書いちゃってるんですね。そのあとに作品本編(短編小説ないしエッセイ)が載っていて、さらに書いてから数年後の作者の感想戦という形式で、「発注にこう応えました。こう頑張ったので褒めてください」と書いてあるんですね。この構成はオリジナリティがあるというか、こういう風に出したら確かにいつもの自分とは違う小説も掲載できるなと思ったのですが、この構成のアイディアはどのように生まれたのですか?

朝井:これは、タイアップ小説を1つだけそうじゃない小説集の中に入れることはできないと思っていて。でもこの10年でとんでもない量が溜まっていたので、これをどうにかできないかなと。タイアップ小説って感想が届きにくいというのがあって。どういう風に読者が読んでくださるものなのかというのが気になっていて、やっぱり本にまとめたい気持ちがあったんです。

でも他の作家さんが周年記念でそんな感じの本というか、タイアップや単行本未収録の作品を集めた本を出されていて、それを読んだんですよ。そのときに、「ちょっと並べるだけだと、あまりにもアレだな…」と思っちゃったんですね(笑)で、それを自分でやるときには、物語だけではページをめくるパワーにはなりづらいと思ったので、発注書があって、最後には感想が待っているというお楽しみみたいなものを用意することで、単体では勝負できないものでも商品として並ぶことができるのではないかと思って、提案しました。

羽田:これは編集者の人から提案されたわけではないということですか?

朝井:お恥ずかしい話なんですが、私が企画書を書きました(笑)とんでもない数のデータをZIPファイルにまとめて。19作が入っているんですけど、それの企画書と、向こうから届いた発注書と、自分の原稿などをZIPファイルにまとめて送りつけて、編集者に「発注書と感想戦をつけることであれば、1つの本になりますか?」とお願いをしました。

羽田:朝井君も、そういったギミックがないと本にするには難しいと考えていたのを聞いて安心しました。僕も、とある大ベテランの短編集を読んでいたら1編だけ「これ面白くないな」と思って、巻末読んだら広告のタイアップだと知って(笑)広告のタイアップってどんなベテランでも腕を振るえないものなんだなと思って。その経験もあったので、そういったギミックがないと難しいなと思ったので。朝井さんの感想戦がいいですよね。

朝井:タイアップ小説の悲しいところって感想が届かないことなんですよね。もちろんたくさんの人の目に届くことは分かるんですけど、普段から本を読んでいる人ではないところに届いているので、こっちとしては頑張ったからくりとかに「気づいているのかな?」という気持ちがずっとあったんですよね。

羽田:お菓子や缶に貼ってあるQRコードからウェブにアクセスして初めて読めるとかね。だからなかなか読まれないんですよ。

朝井:読まれてたとしても感想が届かないことが寂しかったので、普段から本を読まれる人に届く形にしたかったというのはありました。

このほか、『発注いただきました』収録の小説について深堀りしていきました。

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恋愛面では、シングルもカップルも、相手から見ると少し強引さが目立つかも。急がば回れ、優しい口調を意識して接するようにしてみてください。

■監修者プロフィール:水森太陽(みずもり・たいよう)
占い館セレーネ代表。10代から占いの研究と実占を重ね、鑑定数は述べ25,000人以上。占いの知識は幅広く、東洋・西洋のさまざまな占術を修得しており、顧客は芸能人、経営者から研究者まで幅広いリピーターを持つ。また、占い師だけでなく、教育現場での実践経験もあり、現在は占いの幅広い知識を活かし、プロとして活躍する占い師を多数育てている。
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