アヴリル・ラヴィーン「自分の死を受け入れた」闘病生活で感じた想いを綴った『Head Above Water』【特集】

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:藤田琢己)。2月14日(木)のオンエアでは、いきものがかりの水野良樹とのコンビでお届けしました。

注目の新譜・いま注目すべき名盤・話題の来日アーティストなど、週替わりで1組のアーティストを4日間かけて掘り下げていくコーナー「FEATURE TOPICS」。この週は2月15日(金)に約5年ぶりとなる6枚目のニューアルバム『Head Above Water』をリリースするアヴリル・ラヴィーンを特集しました。

【1日目】アヴリル・ラヴィーン、等身大の歌詞に世界中の若者が共感! 初来日時の貴重なエピソードも
【2日目】アヴリル・ラヴィーン20歳で婚約! 公私ともに充実っぷりがハンパない
【3日目】アヴリル・ラヴィーン、絶頂期から一転…レコード会社との衝突を乗り越えリリースしたのは?

カナダの小さな街・ナパニーで育ち、子どもの頃からミュージシャンを夢見てきたアヴリル。2002年、17歳という若さでデビュー作『Let Go』をリリースし、全世界で2000万枚を売り上げ、鮮烈なデビューを飾りました。2004年、19歳でリリースした2枚目のアルバム『Under My Skin』はよりヘビーなサウンドに。大人でも子どもでもない、そんなもどかしさが現れたシリアスな内容となりました。

一方、プライベートでは、2006年にSum 41のフロントマン、デリック・ウィブリーと結婚。幸せを手にしたアヴリルは2007年、3枚目のアルバム『The Best Damn Thing』をリリース。ポジティブなメッセージを曲に込め、前作とは一転した内容になりました。日本での人気もすさまじく、日本の洋楽史上でもデビュー以来3作連続ミリオン達成という記録は破られていません。

しかし、順調だった彼女のキャリアは、ここから紆余曲折をたどります。2010年に夫のデリック・ウィブリーとの離婚が成立。夫婦関係は解消しながらも、仕事のパートナーとして関係を続け、2011年に彼との共作曲も入った4枚目のアルバム『Goodbye Lullaby』をリリース。

『Goodbye Lullaby』制作の際、方向性を巡って所属レコード会社と対立。その後、アヴリルはレコード会社との衝突からエピック・レコードへ移籍。2013年にはニッケルバックのフロントマン、チャド・クルーガーと結婚。公私ともにリスタートを切ったアヴリルは、2013年に5枚目のアルバム『Avril Lavigne』をリリースしました。

最終日となる今回は、波瀾万丈な人生を送ってきたアヴリルのその後を追います。


■5年の闘病生活を経て完全復活

アルバム『Avril Lavigne』のワールドツアーが終わった2014年10月、アヴリルの体に異変が……。インフルエンザのように繰り返される高熱と倦怠感、そして体の痛み。原因がわからず、名医と呼ばれる医師をいくつも巡りましたが「精神的なもの」としか判断されず、体調は一向に回復しませんでした。最終的に「ライム病」と診断されるまで、2カ月以上もかかりました。

ライム病は、野生のマダニにかまれることによって感染する病気で、欧米では現在でも年間数万人のライム病患者が出ています。アヴリルはこの病気によって、5カ月も寝たきりになってしまいます。2015年4月に病気を発表し、公に姿を見せなかった理由を説明。アヴリルはこの病気を振り返り、ファンの声援のおかげでやっと半分くらいまで回復したと思う、と涙ながらに語りました。

そして、長いときを経て2018年末、新曲『Head Above Water』を発表。自身のサイトで「体の機能が停止するのを感じ、自分の死を受け入れました。まるで水の中で溺れているようでした。神様、どうか私の頭を水の上にあげ続けるために助けてください」などのコメントを掲載しました。

死の淵をさまよったアヴリル。『Head Above Water』では、闘病生活で感じた恐怖、不安、祈りをありのままに綴り、この曲をもって長い闘病生活から完全復活を告げました。

闘病期間からおよそ5年。アヴリルは、この間にライム病患者の支援と啓蒙を施し、病気や障害への支援を目的とした基金「The Avril Lavigne Foundation」を設立しています。


■曲を通して自分の心をさらけ出す

闘病中の2015年には、チャド・クルーガーとの離婚もあり、波乱に満ちた日々を送ったアヴリル。しかし、一貫して言えるのは、作品を作るたびに、曲を通して自分の心をさらけ出しているということです。自分が作った歌でデビューするというこだわりからスタートし、どのアルバムのインタビューでも、今の私の心の内をオープンにした作品が作りたかったと語っています。

そして、ニューアルバム『Head Above Water』の制作を通じて、音楽は神様から授かったものだと信じるようになり、自分のフラストレーションを歌っていた頃より、歌うことにとても深い意味を感じられるようになったとも話したアヴリル。ミュージシャンとして、アーティストとして、表現者として、新境地に到達したと言えるのではないでしょうか。

水野:アヴリルは、超えていくものがあると、自分のストーリーがどんどん発達していって、それがちゃんと音楽に現れるタイプのアーティストかもしれませんね。

『Head Above Water』から先行リリースされた、ニッキー・ミナージュとのコラボ曲『Dumb Blonde Feat. Nicki Minaj』は、過去に「金髪のバカな女」と呼ばれた経験から制作されたものです。自分を貫くことを信条としてきたアヴリルの「絶対に負けないで」「自分らしさを大切にして」という強いメッセージが込められた曲となりました。

さまざまな困難を乗り越えて完成した『Head Above Water』を、ぜひチェックしてみてください!

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【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時−24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/

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いきものがかり・吉岡、エレカシ・宮本の歌い方に憧れた理由

J-WAVEで2月11日(月・祝)にオンエアされた『JFL 25th ANNIVERSARY SPECIAL DIG!!- IKIMONOGAKARI』(ナビゲーター:いきものがかり)。メンバーがそれぞれ影響を受けた曲を紹介しました。


■水野良樹が影響を受けた曲

水野が影響を受けた曲は、BONNIE PINK『Heaven's Kitchen』です。

山下:懐かしいね。中学生の頃、いきものがかりを結成して、良樹と2人で地元の公民館の駐車場で練習したよね。あのとき、良樹が歌ってる音源が残ってるはず。
水野:マジで?!
吉岡:いきものがかりの初日?
水野:1999年2月1日に僕らが2人で初めて練習してるんです。山下と水野が初めてギターを抱えて練習した日で、山下はその日の音源を持ってるってこと?
山下:持ってるよ。あと、尾崎 豊さんの『卒業』も歌ってますよ。
水野:えー?! 聴いてみたい(笑)。僕は『Heaven's Kitchen』を中学2年生ぐらいのときに聴いて、すごく衝撃を受けまして、そのときの感動が曲作りの基準になっています。
吉岡:曲作りに悩んだらこの曲を聴くって言ってなかった?
水野:そう。スタートラインな感じがする。

水野は、2018年5月に開催された『J-WAVE & Roppongi Hills present TOKYO M.A.P.S』にてプログラムオーガナイザーを務め、2日目トリでBONNIE PINKさんと『Heaven's Kitchen』を一緒に演奏しました。

吉岡:どうだったの?
水野:リハーサルのときに泣きそうになった。都内のスタジオでリハーサルをして、「これを一緒にやるまでに20年以上かかったんだ」って思って。「そんなときがくるなんて」ってすごく嬉しかった。

そのほか、水野さんが初めて行ったプロのライブである、玉置浩二さんのライブで観た『JUNK LAND』や、いきものがかりがお世話になっている小田和正さんのバンド・オフコース『さよなら』を紹介しました。


■山下穂尊が影響を受けた曲

山下が影響を受けたのは、チューリップ『心の旅』。

山下:中2ぐらいのときに、僕が初めてギターで弾いた曲です。塾の先生がギターを教えてくれて、曲は少し聴いたことがある程度だったんだよね。チューリップの財津和夫さんは、世代的にはドラマ『ひとつ屋根の下』(フジテレビ)の主題歌『サボテンの花』を聴いたりはしてたけど。今『心の旅』を聴いても、コード進行が超王道だから、とっつきやすい。財津さんはメロディーメイカーですよ。

そのほか、いきものがかりに吉岡さんが加入したときに、初めて3人で披露した、ゆずの『夏色』、小学校の行事で友だちと合奏した映画『インディ・ジョーンズ』のテーマ曲を紹介しました。
 

いきものがかり

 

 


■吉岡聖恵が影響を受けた曲

吉岡が挙げたのは、エレファントカシマシ『今宵の月のように』。

吉岡:リリースされたのは自分たちが小学生ぐらいのときで、そのときは「いい曲だな」ってぼんやりと思ってた。でも、デビューしたあと、自分の歌い方に迷っている時期があって、大学のときはミュージカル調というか、歌詞のキャラクターに入り込むっていう感じだったの。
水野:もう少し、演技っぽかったよね。
吉岡:デビューしてからもう一度エレカシを聴いて、歌詞が聴こえるようにまっすぐ、どっしりとストレートに歌う素晴らしさにすごく惹かれて、自分も低音から高音でバランスの取れた声で、宮本浩次さんみたいに“センター”のある感じで歌いたいと思って憧れた。

そのほか、中学生時代にボイストレーニングで歌ったというJUDY AND MARY『Hello! Orange Sunshine』や、落ち込んでいた大学時代に聴いて雷に打たれたような衝撃を受けたという森山直太朗『生きとし生けるもの』を紹介しました。

番組では他にも、back number・清水依与吏さん、音楽プロデューサー・本間昭光さんから届いたコメントや、リスナーが影響を受けたいきものがかりの曲を紹介しました。ぜひradikoで聴いてみてください。

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【番組情報】
番組名:『JFL 25th ANNIVERSARY SPECIAL DIG!!- IKIMONOGAKARI』
放送日時:2月11日(月・祝)19時−20時55分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/special/ikimonogakari/

 

 

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