「2019年本屋大賞」実行委員が語る、アツい読書体験ができる一冊

発表されたばかりの「本屋大賞」。J-WAVEで放送中の番組『GOOD NEIGHBORS』(ナビゲーター:クリス智子)の4月10日(水)のオンエアでは、同賞の実行委員を務める、編集者で本屋さんの原カントくんが登場。おすすめの一冊などを伺いました。


■広告代理店から本屋の運営に

原さんは、博報堂ケトルに在籍し、さまざまなコンテンツビジネスに関わっています。下北沢の「本屋B&B」も、仲間たちと立ち上げました。「原カントくん」という不思議な名前は、水道橋博士とメルマガの仕事をする際に「君は取りまとめ役だから原監督だ。でも監督にはなれてないからカントくんだ」ということから定着したのだとか。

9日に発表された「本屋大賞」の実行委員もつとめています。全国の書店員さんが選ぶ本屋大賞、今回は全国493書店、623人の投票のなかから選ばれました。大賞に選ばれたのは瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』(文藝春秋)です。

:本屋大賞は、1次投票と2次投票があるんです。1次でノミネート作品を決め、2次で決選投票をして決めます。日本の(過去1年の)小説の中から10作品がノミネート作としてまず選ばれますが、実は瀬尾さんの作品は1次の時点で1位でした。なので安定の結果だったのかなと。
クリス:原さんの予想はいかがだったんですか?
:瀬尾さんは本屋大賞を受賞したことがなかったんですが、毎回書店員さんから愛される作家さんで、本命かなと思っていました。
クリス:本屋大賞をいただくのは、作家のみなさんにとっても嬉しいことですよね。
:会場には書店員さんが遠いところからいらして、わざわざ瀬尾さんの『そして、バトンは渡された』の手書きポップをもってくる方もいて、それを見ると作家さんもぐっとくると思います。その幸せな顔を見れるのは、僕も幸せな仕事をしているなと思いますね。

本屋大賞が立ち上がったのは16年前。当時、出版不況の時期に書店員たちが立ち上がって生まれた賞です。従来あった芥川賞や直木賞のように作家が大賞を決めるのではなく、読者に近い書店員が決めるという意味で読者からも支持を得ています。本屋大賞を受賞すると本の売上げが上がるだけでなく、メディアからの注目や、映像化など出版以外の広がりもあるのだそうです。


■おすすめポイントは?

・『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ

:簡単にいうと、7回親が変わる女子高校生の物語です。誰とも血がつながってなくて、なぜそうなったかは読んでいるうちに明らかになるんですけど、最近、児童虐待やイジメなど痛ましいニュースが多いなかで、瀬尾さんなりの優しい筆致で「家族とはなんなのか?」「幸せとはなんなのか?」ということを描いている作品です。ストーリーだけ聞くと悲惨なストーリーかなと思いますが全然そうではないんです。すごいポジティブな話で、読み終わると幸せの涙が流れる、そんな作品になっています。

ノミネート作品のなかから、原さんのいち押しの作品は……。

・『熱帯』森見登美彦

:4位になった『熱帯』を推したいです。森見登美彦さんは本屋大賞に何回もノミネートされているんですが獲れていなくて、ご本人も辟易しているのじゃないかと思うんですけど、『熱帯』は文字の樹海に入っていくような、すごく疲れるんですけどやめられない。ストーリーが読んでいてもわからなくて、文字を浴びていく感じで読み進めていくと、知らないうちに不思議な体験をしていくという。ぜひGWの10連休に読んで向き合ってみてもいいかと思います。アツい読書体験ができます。


■街に根ざした本屋

原さんは自身が運営する下北沢の本屋B&Bについて、「街に根ざした本屋をやりたかった」とはじめた理由を語ります。

:デートするときとかの待ち合わせ場所にも本屋って使われますよね。そういうときに「下北沢に行ったらB&Bで待ち合わせしようよ」となったらいいな、と。正直何も買わなくていいので、来ていて偶然の発見がある、そんな本屋になればいいなと思って始めました。
クリス:でも、できれば買ってほしいですよね?
:できれば買っていただければ……(笑)。

さらに「B&B」という名称にはこんな由来も。

:B&Bって「ビールとブック」なんです、立ち上げたメンバーが全員、単純にビールと本が好きだったということで。
クリス:今、ビールを先に言いましたよね(笑)。
:はい(笑)。新しいスタイルの本屋を目指したいと思っていて、本だけじゃなくてトークイベントを毎日やっています。ひとが集まるからには語り合ってほしいし、お酒が潤滑油になるんじゃないかということで、本とビールを売っていくというコンセプトのお店になっています。

街に根ざす憩いの場としての本屋B&Bでは、トークイベントを毎日開催。作家さんから芸人さんまで多彩な方々が毎日登壇しています。スケジュールは公式サイトをチェックしてみてください!

また、原さんは大倉眞一郎さんと、J-WAVEで4月から始まった火曜深夜26時30分からの新番組『BKBK』でナビゲーターを務めています。こちらもお聴き逃しなく!

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【番組情報】
番組名:『GOOD NEIGHBORS』
放送日時:月・火・水・木曜 13時−16時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/

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サンボマスター、3ピースバンドの良さ&大変さを語る「意見が真っ二つに割れない」

J-WAVEで放送中の『GOLD RUSH』(ナビゲーター:渡部 建)のワンコーナー「MEET UP」。4月5日(金)のオンエアでは、山口 隆さん(Vo/Gt)、近藤洋一さん(Ba/Cho)、木内泰史さん(Dr/Cho)による3ピースロックバンド・サンボマスターがゲストに登場。番組が333回目の放送ということもあり、「3」をテーマにトークを展開しました。


■ 3ピースバンドならではの魅力&苦労とは?

ずっと3人で活動を続けているサンボマスターは、2020年で20周年を迎えます。さっそく3ピースバンドの魅力を訊いてみました。

近藤:意見が真っ二つに割れない。
渡部:そうですね。3人いますからね。
近藤:絶対に2対1か3対0になりますよね。
山口:だから3ピースって揉めないんじゃないですかね。
渡部:3人組って、2対1になる内容がだいたい決まってくるって言いますけど、どうですか?
木内:当然あります。
山口:そんなことないでしょ。木内くんが突拍子もないことを言って、俺とコンちゃん(近藤さん)が違うよって言う。
渡部:あ、木内さんが1のほう?
木内:だいたい1になる。
山口:木内くん、本当にびっくりするコース。
木内:違う意見が出るほうがいいかなって。同じ意見ってつまんないじゃないですか。

続いて、3ピースバンドならではの苦労も訊きました。

山口:ライブがたくさん入ってスケジュールが立て込むと、たとえば5人バンドよりも疲れが出てくるかも。
近藤:そうかなあ?
山口:俺はギターボーカルだから、ギターと歌でどっちもやってるから疲れるのかな。
近藤:ギターボーカルは大変かもね。
木内:思い出したのが、バンドを結成したときに、3分の1で俺しか免許を持ってなかった。そういう意味では大変だったっていうのがあります。
渡部:3人以上なら他に運転できるメンバーがいたかもしれないですね。
近藤:それで言うと、ライブハウスってチケットノルマがあるんですよ。
渡部:そっか! それはきついですね。
近藤:5人バンドなら5人で割れるけど3人しかいないから。でも3人だと経費が3人分で済む。
渡部:ギャラも3等分ですもんね。
山口:3人はやりやすいと思いますよね。3人って全員納得するまで意見をとことんしゃべりやすいんですよ。誰かひとりが「イヤだ」と言うと「なんでかな」ってずっと話せる。3人は向き合いやすいと思いますね。
渡部:あとは5人バンドより物理的に集まりやすいですよね。
山口:そうですね。
 

サンボマスター

 

 


■ 3ピースバンド同士は仲良くなるのが早い?

続いて、渡部が気になったのは、「3ピースバンド同士は仲良くなりやすいのか」ということ。山口さんは、MONGOL800、10-FEET、WANIMAなど、同じ3ピースバンドと早く仲良くなれたと言います。

渡部:お互い意識してる部分があるんですか?
山口:意識というか、見えない何か。渡部さんに言われて初めて「そう言われてみれば」って僕は思いましたけどね。
近藤:確かに言われてみれば、似たような守備位置のときはね。
山口:だいたいギターボーカルで作詞作曲してみたいなのが多いですよね。だからけっこう親近感があるのかもしれないですね。

番組ではほかにも、3人がオススメする「最強の3ピースバンド」をそれぞれ紹介。山口さんはThe Jon Spencer Blues Explosion、木内さんはBLANKEY JET CITY、近藤さんはeastern youthをあげました。詳しい理由は、ぜひradikoでチェックしてみてください。

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【番組情報】
番組名:『GOLD RUSH』
放送日時:毎週金曜 16時30分ー20時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/

 

 

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