春風亭一之輔が能登にエール「復興のために行動に移そう」

4月19日(金)、落語家・春風亭一之輔がパーソナリティを務める「春風亭一之輔 あなたとハッピー!」(ニッポン放送 金曜朝8時~)が放送。能登半島地震で多大な被害を受けた能登地方にある牧場主がスタジオ出演し、一之輔が能登をはじめとした被災地へのエールを送った。

春風亭一之輔

1月1日の能登半島地震から109日、この日東京・有楽町のニッポン放送のスタジオへ、石川県能登町の西出牧場の西出穣(にしで・みのる)さんが来訪した。

西出さんと同番組との縁は、約4年前に番組内の抽選コーナーで電話がつながったことから始まった。西出さんの牧場で生まれた子牛に一之輔が名前をつけたことで一気に距離が近づき、今に至る。

ついに初対面となったが、前職が観光人力車の俥夫(しゃふ)だったからか、その滑らかなトークに、一之輔も「ラジオパーソナリティができるんじゃないかな?」と感心。

西出穣さん

地震発生の瞬間の状況や、それによるダメージ、自身や家族の生活の苦労はもちろん、牧場の牛たちへの水の確保も大変だったことなどや、搾乳したものの泣く泣く大量に廃棄せざるを得なかったことなど、“これまで”を丁寧に語った西出さん。

そして、“いま”と“これから”については……

ボランティアの状況については、西出さんの仲間であり、輪島市の中でも特に被害の大きかった地域の町野町の復興プロジェクト実行委員長に聞いたこととして「能登の人達って、なんとなく人に頼るのが……なにか『助けて』って言いにくい、そういう気質の人が多くてですね、おじいちゃん、おばあちゃんたちが自分ひとりでタンスを立てようとしてたり、雨漏りで濡れた畳を運び出そうとしてたりということで。『ボランティア使ったらどう?』って勧めても、『自分たちでやるからね』って言ってしまう」と話した。結果的に、必要だとして声が上がってくる人数がかなり少なくなっているが、現実はまったく足りていないという。以前のボランティアは金沢から能登に移動してきて、活動時間が2~3時間ほどしかないということもあったとのことだが、今では珠洲市や七尾市などにボランティアが泊まれるテント村も開設されてきているとのことで、これによる活動時間の増加に西出さんは望みを見せた。

また、「絶対に能登に行きます」というリスナーからのメールを一之輔が紹介すると、「これから少しずつですけど、復興、進んでいくんで。少しずつ、元気にしようっていうイベントとか、町も企画していくと思うのでね、徐々に徐々に、まずは金沢ぐらいから」と、段階的な観光での来訪による復興についても期待を寄せた。

そして、西出さんなど奥能登の酪農家を含めた能登の地乳(じにゅう)『能登ミルク』は、東京でも味わうことができる。東京駅前にある石川県のアンテナショップ「八重洲いしかわテラス」で販売されているが、人気商品ということで、「おかげさまで連日完売ということなので、もしなかったら次の入荷を店員さんに確認していただければありがたいと思います」と話した。

西出さんのお話に耳を傾けるスタジオ一同

一之輔は、「西出さん、本当に体に気をつけて……頑張ってくださいって言うのも、まあ東京にいて口で言うのは簡単なんだけれども……本当に牛乳、おいしい牛乳のためにも、ご家族のためにも」とエールを送り、「いつか本当に能登のほうで落語をやらせていただけるといいなと」と語りかけて、大変ななか上京して出演した西出さんに感謝しながら送り出した。

その後「行けないかなあ?」と、自身のびっしりとスケジュールが記された手帳を開き、「この日、行けるかもしれない? だめだったらごめんね。でもちょっと考えよう。いろいろ検討し、西出さんと連絡をとり合いながら」と話した一之輔は、「能登の復興のためにいろいろ行動に移そうじゃないですか」と呼び掛けた。

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春風亭一之輔あなたとハッピー!
放送局:ニッポン放送
放送日時:2024年4月19日 金曜日 8時00分~10時16分
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南海トラフ地震、知っておきたいこと

4月19日(水)、内閣府・防災担当の福山由朗(よしあき)参事官補佐が『飯田浩司のOK! Cozy up!』(ニッポン放送 月~金曜日 朝6時~生放送)に出演。知っているようで知らない、南海トラフ地震について解説した。

日本付近のプレートの模式図 ~気象庁HP「南海トラフ地震とは」より https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/nteq/nteq.html

番組では、17日(水)夜遅くに起きた、豊後水道を震源とする地震をきっかけに、関心が高まる南海トラフ地震への正しい理解のため、内閣府・防災担当の福山由朗参事官補佐が解説をした。

飯田:今回の地震、震源が、豊後水道。資料を見ると南海トラフの震源域の北の端っこの方にもあるではないかと、でも、今回その可能性の高まる変化はなかったと。これは、どういうことなんですか?

福山:はい、おっしゃる通り、南海トラフ巨大地震の想定震源域の中で起こった、これはもうその通り……とは言いつつも、南海トラフ地震も、既に現状でもいつも発生してもおかしくない。そういう状況の中で、さらに上積みして発生が高まったという状況ではない、ということですね。その根拠として、気象庁や地震調査委員会が見解を出している通り、今回の地震の規模M6.6だと、南海トラフ地震臨時情報を発表する基準には至っていませんし、地震発生以降、様々な観測データを分析しても、特段の変化は見られないということですので、「直ちに何かが」というところではない、というのが見解になります。

飯田:ベースとしては、「もう、警戒を強めなきゃいけないんだ」というのがあって、その上でという話……

福山:おっしゃる通りです。

評論家・宮崎哲弥(以下、宮崎):フィリピン海プレートがずっと沈み込んでいて、それが「ずれたとき」に“南海トラフ地震”というのが大規模に起こると考えられている。今回はフィリピン海プレートの「内部」で生じた、正断層型(の地震)というふうに説明されてる……ちょっとよく意味がわからないんですが、教えていただけますか?

福山:政府が想定している南海トラフ地震、これはフィリピン海プレートと陸の境界で起こるもの。これは2011年の東日本大震災と同じですね。そうなるともう強い揺れもそうですし、非常に高い津波が観測される……これが我々として、最も警戒している。しかも、広範囲で起こる可能性がある。今回はフィリピン海プレートの内部で起こったということで、ちょっと政府が想定しているような、東日本大震災で起こったような地震のメカニズムと違うということですよね。

飯田:これで何かストレスというか、ひずみが解消されたりとか、そういうことはないんでしょうか?

福山:そこはまだ地震学としては十分解明できていない部分になりますので、今回の地震があったから、ストレスが吐き切ったんじゃないか、というところまでは残念ながら解明できていないところになります。

エコノミスト 片岡剛士:今回の地震自体が南海トラフ地震に直ちに繋がる可能性があるわけではないんだけれども、別途、違う地震が起こる予兆みたいな、そういう可能性はあるんでしょうか?

福山:そこも排除はできないですけれども、別の領域で地震に繋がるか、という評価をすることは残念ながら現在の地震学ではわからない。

宮崎:フィリピン海プレートの沈み込みがどんどん激しくなっていってるというような可能性はないですか?

福山:そこはまだ今回の地震が発生して2~3日しか経っていないので、まだそこまで行くには、もうちょっともうちょっとデータを蓄積して長い目で見る必要があろうかと思っています。

ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』生放送の様子

飯田:M6.8を超える地震が想定震源域の中で起こった場合には、南海トラフ地震の評価検討会が、開かれるということになっていますが、これはシステムとして決まっている?

福山:一定の線引きが必要になりますので、まずM6.8の地震が起こったら、緊急で気象庁の評価検討会というものが開催されて、それで起こった地震について専門家交えて評価します。その結果、防災対応をとるべきような規模なのか(検討する)。その基準がまた別途あります。とにかく調査を始めるっていう基準がM6.8となります。

飯田:その調査の結果、やはり大きな地震が起こる可能性が高いぞ、となった場合には、また別途いろいろ対応がある……

福山:そうですね、「巨大地震警戒」あとは「巨大地震注意」というものがあります。それに応じた防災対応を国全体でしっかり取る、という体制になっています。

宮崎哲弥氏、ニッポン放送・飯田浩司アナウンサー、片岡剛士氏、福山由朗参事官補佐

宮崎:直下型地震というのは、どちらかというと偶発性が高くて、事前に地震が来るということを察知するのは大変難しいんだけど、プレート型っていうのはいろんな前兆現象が起こるので、ある程度予見できるんじゃないかというふうに見られている。いずれにしても、南海トラフ沿いでは、M8~9クラスの巨大地震が、今後30年間に発生する確率が平常時でも、70%~80%ということなので、(首都機能を)分散化するとか、移転するとか、バックアップシティを作るとか、っていうことを考えたらどうなのか。

飯田:南海トラフの範囲っていうのは、相当広いんですよね?

福山:範囲としては非常に広くて、東の端は静岡県駿河湾。南は宮崎県の沖合・日向灘まで。

宮崎:工業地帯だってずっとあるわけでしょ? それが巨大な津波によって襲われるということを考えると、私はもっと生産拠点を分散させた方がいいと思うんですけどね。

飯田:政府や企業の拠点(というだけではなく)、1人1人の備えというのも必要になる。その辺も含め話し合うきっかけにしていただければと思います。

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