サンマの漁獲枠導入で合意~中国は本当に守るのだろうか

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月19日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。北太平洋漁業委員会(NPFC)の年次会合で決まったサンマの漁獲枠導入について解説した。

日本や中国、台湾などの8ヵ国でサンマの漁獲枠を導入~上限55万トンで合意

日本や中国、台湾など8ヵ国地域がサンマの資源管理を話し合う、北太平洋漁業委員会(NPFC)の年次会合が18日閉幕した。深刻な不漁が続くサンマの乱獲に歯止めをかけるため、来年(2020年)から北太平洋全体で、年間およそ55万トンの漁獲枠を導入することで合意した。去年(2018年)まで2年連続で中国などの反対により決裂していたが、3年目の協議で初めての実現が決まり、日本の食卓に欠かせないサンマの資源管理が前進する。

飯田)メールもいろいろいただいています。青森県弘前市、28歳“しんちゃん”さん、男性の方。「中国や台湾は、この制限を守るのですか?」。

宮家)サンマというものは庶民の魚だったのです。しかし、あのうまさを人口が10倍もある中国がわかってしまった。わかってしまったら食べますよね。食べるためには獲りますよ。日本の近海だとうるさいから、その外で獲る。そうやって獲ったらなくなるに決まっている。彼らがようやくそれに気が付いたというか、今回譲歩せざるを得なかったのは、それはそれで理由があると思うのですよ。やはり国際的に見て分が悪いと。しかし、しんちゃんさんのおっしゃる通りです。台湾は一応、民主主義国家だから知りませんよ。しかしどこの国とは言いませんが、そうでない国で14億人も国民がいて、さんまが欲しい人がいればそれは儲かります。そうすると、55万トンが限度と言ったって、厳しく規制しても、やはり獲りたいではないですか。もし飯田さんが中国の漁民で、うるさい奴がいたとしたらどうします?

飯田)それは、こっそりと獲る?

宮家)こっそりでは捕まってしまいますから、恐らく裏の手を使って、何かを渡すわけですよ。それがいちばんいい方法だし、簡単にやめるとは思えません。正当化する気はないのですけれど、中国の漁民だってそれは儲かるし、生きていくうえでやらなくてはいけない。ですから、55万トンが設定されたとしても、本当に国内で規制をしてくれるのか、違反した者は厳罰に処すのかどうか。それは各国の裁量に任されている部分もあるから、おっしゃる通り若干心配ではありますね。

飯田)たしかに。しかも水揚げされた魚を港などで測って、そこで漁獲制限ではないですか。その統計データだって国によっては…。

宮家)そうですね。あの国には「上に政策あれば下に対策あり」という言葉があるといつも言っているのですけれど、要するにお上が規制をすれば、それをいかに回避するかを考える、それが中国で生きて行くためには必要な能力だから、それを発揮するととても55万トンでは済まないですよね。そこは心配です。

飯田)しかし、日本は真面目にやるわけではないですか。

宮家)要するに「目黒のサンマ」ではなくなって、「サンマは銀座に限る」となるのですよ。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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バスケットボール女子日本代表・川井麻衣「一番苦しいグループに入ったなと…」パリ五輪初戦で“オリンピック7連覇中”のアメリカに挑む

藤木直人、高見侑里がパーソナリティをつとめ、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMのラジオ番組「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」(毎週土曜 10:00~10:50)。4月27日(土)の放送は、トヨタ自動車女子バスケットボール部・アンテロープス所属でバスケットボール女子日本代表の川井麻衣(かわい・まい)選手をゲストに迎えて、お届けしました。


(左から)藤木直人、川井麻衣選手、高見侑里


川井選手は、1996年生まれ茨城県出身の28歳。高校時代にU-18日本代表としてアジアカップで準優勝し、トヨタ自動車アンテロープスでは、2021年、2022年のWリーグ(バスケットボール女子日本リーグ)優勝に貢献。日本代表としても、今年2月に開催された「FIBA女子オリンピック世界最終予選(WOQT)」で3試合すべてに出場し、パリオリンピック出場権獲得に大きく貢献しました。

◆最終戦までもつれたWOQTを振り返る

藤木:(4チーム中3位までがオリンピックの出場権を得る)最終予選はとても熱い戦いだったと思いますが、まず初戦で強敵のスペインを破ったときには“これはいけるんじゃないか!?”と手応えがあったんじゃないですか?

川井:そうですね。1勝でもすれば出場権獲得が高くなるので、正直(2戦目の)ハンガリー戦を一番のポイントに置いていたところはあったのですが、初戦のスペイン戦で勝利することができたので、1つホッとする材料ではありました。

藤木:そのハンガリー戦ですが、ランキング的には日本のほうが上でしたけれども、(敗戦となったのは)やっぱり地元の応援のパワーが強かった?

川井:もう本当にすごかったです。アウェイでしたし、体育館自体がすごく小さかったので、ブブゼラ(の大きな音)にやられました(笑)。

藤木:そういう(楽器の)音とかは、プレーにも影響が出ますか?

川井:そうですね。(味方の)コールが聞こえなかったり、ヘッドコーチの指示が聞き取りづらかったりするので、やりづらさはありました。

藤木:そして、4チームがすべて1勝1敗で迎えた最終戦。当然、負けるとパリへの道は遠くなったと思うんですけれども、試合前のチームの雰囲気はいかがでしたか?

川井:正直、負けた後は少し落ちていましたが、その後に食事をしたときには(試合を振り返って)反省している選手もいて、それぞれコミュニケーションを取って“次に向かっているな”と思ったので、不安はなかったです。

藤木:最終戦のカナダも強敵でしたが、見事勝利した瞬間はどのような気持ちでしたか?

川井:すごくホッとしたというか、胸を張って日本に帰れますし、前回の大会(東京2020大会)で銀メダルを獲得して、そのプレッシャーもずっと背負いながらみんなやってきたと思うので、1つ報われたというか、苦しかったものを払拭できた安心感がすごくありました。

藤木:川井選手にとって、パリオリンピックはどのような舞台ですか?

川井:Wリーグに所属してから(代表メンバーに)なかなか選ばれず“遠いな”と感じることがすごく多くて、簡単に「(パリ五輪を)目指しています」と言えなかったのですが、ここにきてメンバーに選ばれる可能性がある立ち位置にきたからこそ、今年1年間は“パリに行きたい!”という思いを強く持ってやってきました。


川井麻衣選手


◆予選リーグは強豪国揃いのグループに

藤木:そのパリオリンピックには12チームが出場し、予選リーグは4チームずつが3つのグループに分かれて総当たり戦をおこないます。そして先日、予選リーグのグループ分けが発表されましたが、オリンピック初出場となるドイツ、世界ランキング6位のベルギー、そして、オリンピック7連覇中のアメリカと同じグループになりました。このグループ分けを聞いて、どう思われましたか?

川井:正直、WOQTと同じく一番苦しいグループに入ったなと思いました。ただ、アメリカと試合ができるってなかなかないことですし、初戦なので“もう、ぶつかっていこう!”という気持ちになりました。逆に、このグループから勝ち抜いたら“面白いんじゃないか”と思ってもらえると思うので、WOQTのときと同じようにいけるんじゃないかと思っています。世界ランクを見ても(日本より)上のチームが多いので、挑戦する気持ちを持って挑むだけだなと思います。

藤木:アメリカの強さはどういうところにありますか?

川井:(日本代表メンバーよりも)2まわりぐらい大きいですし、体は明らかに強いです。しかも、体が大きいぶん“スピードはない”と思われるかもしれませんが、実際はすごく速いですし、シュートもうまいです。あとは“見えない圧”みたいなものもあると思うので、そこに負けないことかなと思います。

藤木:川井選手はポイントガードですが、どのような役割が求められるポジションですか?

川井:ポイントガードは“コート内の監督”ともいわれているポジションで、頭を使って指示を出したり、コールを出してコートのなかを整備するような役割です。

藤木:ポイントガードとして実際にアメリカと戦うときに、どういうふうに攻撃や守備をするか、というイメージは既にありますか?

川井:あります。やっぱり走ることが一番大事なので、良いディフェンスからリバウンドをしっかり取って相手よりも走る。そして、スリーポイント(決める)。それを重ねていけば相手は嫌なリズムになると思うので、走ってスリーポイントを決めることが一番大事だなと思っています。

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4月27日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年5月5日(日・祝) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/

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