食事はいい素材のものを正しい時間に五感を使って食べるもの

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、フランス料理店「オトワレストラン」シェフの音羽和紀が出演。長年続けている「食育」の活動について語った。

柴田書店『この地でフランス料理をつくり続けていく:故郷に愛され、発信するフランス料理店。素材・人・料理』著:音羽和紀(※画像はAmazonより)

黒木)今週のゲストは栃木県宇都宮市のフランス料理店「オトワレストラン」のシェフ、音羽和紀さんです。フランスでは「食育」は進んでいるのでしょうか?

音羽)以前は世界中で健康にいいという視点から、お医者さんをはじめとしてさまざまな人が、体にいい食べ物を伝えようとしていました。それが私の修業時代、1980年代の半ば過ぎになると、地域の食材で郷土の料理がつくる、また昔から食べられているものを、それぞれの地域で大切にしようという食育がフランスでも盛んになりました。フランス、特にラテン諸国の人たちは食にうるさく、自分たちの料理に誇りを持っていらっしゃいますから。

黒木)日本でも音羽さんは、子どもたちへの食育に力を入れていらっしゃるのですね。

音羽)子どものなかには、塾で勉強した後にお小遣いで買い物をして食べる、または家に帰っても1人で食べる子がいるということを知ったのです。身近なお客さんのなかにもそういうお子さんがいて、急に痩せたり、また勉強優先で、食が優先的なものではないのですね。そんななかで、1985年くらいから年間20件ほどの母と子の料理教室を開いたり、学校でも料理を教えています。食べ物は見た目、香り、そして味、五感ですよね。五感を使って食べるということを、10歳くらいまでに身につけることは重要だと思います。当時は「食育」と言ってもなかなか通じませんでしたので、料理教室のなかでお話をして来ました。

黒木)ずっと続けて来られたということですね。

音羽)そうですね。地元だけです。

黒木)できれば美味しいものが食べたいですよね。

音羽)贅沢なものでなくても、正しい時間帯で食べるということは、お腹がすいているから美味しく食べられるということです。あとは1種類ではなくて、少なくともいくつかの素材と、いくつかの調理で食べたほうが美味しく、季節を感じることができる。色や香りなど、そういうものに全部つながって行くので、できればそうしたいですよね。

黒木)音羽さんでも、和食を召し上がることもあるのですか?

音羽)大好きです。

黒木)作られることもあるのですか?

音羽)和食のシェフにチェック受けるとメタメタな和食だそうですが、好きです。

音羽和紀(おとわ・かずのり)/フランス料理グランシェフ

■大学卒業後、ヨーロッパに渡りドイツ・スイス・フランスのホテルやレストランで修行。
■フランス料理界の重鎮、故アラン・シャペルに日本人として初めて師事。
■帰国後の1981年、故郷・宇都宮にレストラン「オーベルジュ」を開店。2007年には「オトワレストラン」を開店。またフランス料理店のほか、レストラン・バー、デリカショップなども経営。
■洗練された芸術作品として美しく構成および提供される彼の料理は、栃木和牛、ヤシオマス、鰻、那須高原産チーズ、アジア梨など地元の旬の素材を活かしたもの。フランスの要素とバランスをとりつつ、地域の伝統に敬意を表す。
■2018年には、ホテル・レストランの世界組織「ルレ・エ・シャトー」の、1年間の活躍が最も期待される料理人に贈られる「シェフトロフィー2019」を受賞。
■豪華観光列車「四季島」にも料理を提供。
■また親と子の料理教室や高校で料理を教えるなど「子供達の食」をテーマにした活動や、地場の産物を使った料理の開発、県の農政委員を務めるなど、地域の食環境のためにも活動をしている。

ENEOSプレゼンツ あさナビ(9月26日放送分より)
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 6:43-6:49

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補欠選挙の結果を分析。「保守王国」と呼ばれる島根に変化が?

4月29日「長野智子アップデート」(文化放送)、午後4時台「ニュースアップデート」のコーナーでは政治ジャーナリストの角谷浩一さんに、4月28日に行われた補欠選挙の結果を解説してもらった。この記事では島根1区に関する部分をピックアップする。

長野智子「選挙区ごとに分析などいただければと思います。まずは唯一の与野党対決となった島根1区です」

角谷浩一「亀井(亜紀子)さんは一度現職もやられていたので返り咲きということになりますが、島根が『保守王国』といわれますよね。1区はずっと細田(博之)前衆議院議長が地盤を守っていて」

長野「小選挙区制度の導入以降、ずーっと。勝ち続けた」

角谷「2区は、もう亡くなりましたけど竹下亘さんがずっと議席を持っていた。つまり保守王国というより、細田さんと竹下さんがずっとやっていたと。ある意味で当たり前だった。それがお二人ともご存命でなくなって、時代が変わってきて、新しい人が。それも自民党の人が引き継ぐものだと思っていたら、こんなことに、と。細田さんがお亡くなりになったための選挙ということで、自民党も候補者を立てました」

長野「はい」

角谷「ただ細田さんは(旧)統一教会との関係が取り沙汰されたり、じつはセクハラ問題というのがあったり。それに安倍派を細田さんはずっと守っていた、ということも。いま問題になっていることを全部抱えていた、みたいな問題があった。お亡くなりになったので自民党は候補者を立てたけど、そんなに簡単ではなかった、ということ」

長野「きちんと説明されないまま、亡くなられてしまったわけですね」

角谷「今回負けたけど、次はもう有権者は自民党に帰ってくる、という声も地元にはあるんだと思います。今回も県会議員がほとんど動かなかった、という話もありました。一方で世論調査、事前のいろんな調査ではかなり引き離されていて、亀井さんが強かった。でも(岸田文雄)総理は2度入ったんですね。最後の土曜にも入られると。総理が最後に入るのは、逆転できそうなとき、というのが不文律でした。数字の差が既にあるのに、総理は入った」

長野「はい」

角谷「これは岸田さんの独特なやり方というかな。突然、政倫審に出ると言う、派閥を解散すると言う……。岸田さんは誰かと相談して揉んで決めるというよりは、直感的に決められるんですね。島根1区は自民党が唯一出していたところだから、小渕(優子)選対委員長はずっと張り付いていました。国会開会中でしたけど、ずっと」

長野「はい」

角谷「岸田さんは2度も入った。茂木(敏充)幹事長は入らなかったんですね」

長野「それはなぜですか?」

鈴木純子(文化放送アナウンサー)「岸田さんとの仲が微妙だという話も……」

角谷「ただ選挙に勝てば微妙どころか、戦うところで『茂木さん、よくやった』となりますよ。一生懸命、入らなかったというのは、幹事長自らが諦めていたんじゃないだろうか、とか。もっと言うと第一声。泉健太立憲民主党代表は、初日に島根で第一声、声を上げているんですね。ところが茂木さんは行かなかったと」

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