真備のジャズ喫茶、復活は「恩返し」のため 『編集長 稲垣吾郎』

マスターの高本明英さん。自慢のスピーカーとともに

西日本豪雨で甚大な被害を受けた真備地区で復活した夏祭り

岡山、広島県などで250人以上が犠牲になった西日本豪雨は今月6日、発生から1年を迎えた。

この豪雨災害で、岡山県倉敷市真備町地区は付近を流れる小田川の堤防が決壊、地区の3割が浸水するなど、甚大な被害が出た。

この真備町地区で今月13日、去年中止となった夏の祭り「真備・船穂総おどり」が1年ぶりに開かれた。これは地区の住民や企業などで作る団体がそれぞれの衣装を身にまとい、オリジナル楽曲に合わせて踊りながら練り歩くというもの。衣装を失った団体のために寄付金が集められ、参加者たちは新調したおそろいの法被に笑顔で袖を通していた。当日はあいにくの大雨だったが、16団体1000人が参加し、「どっこいしょ!どっこいしょ!」と声を張り上げながら踊りを披露。みなし仮設に住む女性は「ストレスもあるけれど、きょうはみなさんに会えて楽しかったです」と顔をほころばせ、リフォームして元の住まいに戻ったという女性は「少しずつ日常生活に戻っていくと思う。家の周りはまだ更地ばかりだけれど、みんな戻ってきてほしい」と話していた。

ジャズ喫茶「ごじとま」マスターの恩返し

真備町地区にあるジャズ喫茶「ごじとま」は水害を乗り越え、ことし5月に復活。7月24日の文化放送『編集長 稲垣吾郎』にマスターの高本明英(66)が出演し、被害状況などを語った。店舗兼自宅は2階部分まで水没し、自慢の手造りスピーカーや1,000枚ほどあったというレコードも被害にあった。高本マスターはボランティアなどの人の温かさに触れ、その"恩返し"にと、いち早く店舗部分を改修、みなし仮設住宅から通いながらコーヒーを振舞っている。

稲垣 お店の被害というのは......?
高本 2階まで全て浸かって。水没です。
稲垣 大切になさってたレコードやスピーカーも?
高本 すべて廃棄ですね。

稲垣 でも、そこから復活されて。
高本 11月には駐車場にテントを張って、それから移動販売車を作って駐車場に置いたり、出かけて行ったりしてコーヒーを販売しました。
稲垣 ボランティアの方も来てくれたんですか?
高本 数えきれないボランティアの方に助けて頂いて。力を頂きました。
稲垣 5月に営業再開っていうのはすごい早さ。
高本 私たちの力じゃなくて、周りの方々のおかげです。
稲垣 皆さんにとって失いたくない憩いの場所だったんでしょうね。
高本 そう思ってもらえればありがたいですね。

稲垣 お客さんも集まっているんですよね?
高本 真備に住んでいる人はまだ少ないんですけど、日曜日に(真備に)帰ってきた際に寄ってもらってます。

コーヒーにハマり始めた稲垣に高本マスターが淹れ方を教えると約束し、高本マスターが人生で1万回は聴いているというジャズの名盤、ソニー・ロリンズ『サキソフォン・コロッセス』から「セント・トーマス」を流すなど、2人のトークは終始和やかなムードで繰り広げられた。

喫茶「ごじとま」は倉敷市真備町地区、井原鉄道吉備真備駅から徒歩10分ほどのところにある。現在は土・日・月曜、12時~18時のみの営業となっているため、訪れる際はフェイスブックを確認した方がよいだろう。木を基調にした居心地の良い空間で、ジャズをBGMにマスターこだわりのブレンドコーヒーを楽しんでほしい。

編集長 稲垣吾郎
放送局:文化放送
放送日時:毎週水曜 21時30分~22時00分
出演者:稲垣吾郎
番組ホームページ

メールアドレス:goro@joqr.net
twitterハッシュタグ:#編集長稲垣吾郎

※該当回の聴取期間は終了しました。