ファストファッション業界における見えない労働問題

ノンフィクションライターの石戸諭と、女装パフォーマーのブルボンヌを迎えた12月2日放送「西川あやの おいでよ!クリエイティ部(文化放送)」。
本日は「見えない労働問題」について取り上げた。

2013年、バングラデシュの首都・ダッカの郊外でファストファッションブランドの工場が多く入っていた商業ビルが崩壊し、1134人が死亡したという大きな事故があった。
事故の前日、ビルに亀裂が入っているのが見つかったにもかかわらず、強制労働を命じられた多くの従業員が命を落としたことからアパレル業界の労働問題が注目されるきっかけとなった。
事故後に火災予防および建設物の安全に関わる機関が設置されてH &M・ZARA・ユニクロなど多くの企業が署名している。一見、環境が改善されたように思えたものの、バングラデシュではいまだ多くの工場が賃金や労働環境に関する問題を抱え、さらには事故も度々発生していて、根本的な解決には至っていない。

「きょうのクリエイティ部」ではファストファッション業界の「見えない労働問題」について取り上げた。

ブルボンヌ「ファストファッションの廃棄される山積みの衣類とかを見ると、なんて無駄なことをしているんだと思っちゃうんだけど、人としては目の前に安くて旬を取り入れた物が売っていたら、ちょっとでも安いほうに行ってしまうっていうのも、もう逃れられない性質のような気もするから、何が正解なのかは本当に難しいなと思います。これ気取って言っているけど、あたしも『うわぁ〜、安い!』って喜んで買っちゃうことが何度もあるので」

西川あやの「すぐに終わる問題ではなく、精神面で苦しんでいる方も今もいらっしゃるということなんですよね」

石戸諭「ファストファッションの問題っていうのは、ある意味では出るべくして出てきたっていう感じがする。元々、ファストファッションってどういうふうに出てきたかっていうと、言ってみりゃ『ファッションの民主化』というような形で出てきたわけですよ。一部の高級ブランドがモードの最先端を行っていて、流行の発信源になっているけれども、それらは一部の人しか買えないだろう、と。いろんな人たちが流行の最先端を手に入れるっていうのは一つの民主化というか、多くの人たちが手に入れるチャンスなんだ、っていうような形は一つの哲学として持っていた。それはそれでいいと思うけども、安さが犠牲にしているものは何かっていうことを、もうちょっと消費者側も知っておくのが大事だと思っています」

ブルボンヌ「最近のエシカル消費って言葉は、エシカルがまさに『倫理的な』っていう意味で、消費者側がこの商品はどのようにして作られたのかを意識していく流れは、さっきの話じゃないけど、先進国ベースでそういう話は出ていて、だけどそれがどこまで意識高いみたいな感じの、まさにファッション的な感覚で、どこまで本当に実質的な価値とか効果が出るものに到達できるかっていうのは、すごく私はちょっと怪しんでいるところはあるんだよね」

最近では、SNSがきっかけで若者を中心に人気を集めている激安ブランドが工場の労働環境に問題があるとして批判を集めているという。ドイツの研究所が実施した調査によると、あるブランドの商品に中国の強制労働に関係した新疆ウイグル自治区で生産された素材が使用されていることが判明した。世界中で工業を疑問視する声が上がっている。

石戸「まぁそりゃそうでしょ、っていう感じですね。これも一つの時代の流れだと思いますよ。やっぱり環境が悪い所で作られているものを着て『最新のファッションです』とかっていうのを言っても『どうなんですか?』っていうことを当然問われるようになってきているわけでしょう。まぁ、それは一つの流れだと思うし、それはもう安いブランドに限った話でもないからね、そういうのを問われてきているのは。モードの世界だってやっぱり問われてきているし、アウトドアブランドもそうですよね。どこも逃れられないと思いますよ」

ブルボンヌ「著作権的にも問題ありみたいな丸パクリみたいなキャラクターもいっぱい使っているから、一つはファッションであることを利用して『そういうのを着ているのってダサいよね』みたいなイメージがちゃんと付くかどうかは少し大きいのかな、と思う」

西川「それが消費者側にできることの一つではありますよね」

さらに2022 FIFAワールドカップ開催にあたって開催地・カタールが抱えている大きな労働問題や、アジア・アフリカでの児童労働などについても話した。

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