日本最大級!福岡県筑紫野市の“海賊船”遊具が大リニューアル

こんにちは。RKBラジオのキャスタードライバー・スナッピーの芝生真優です。今回は4月14日放送の『Toi toi toi』でリポートした、筑紫野市総合公園(福岡県筑紫野市山口)の注目スポットをご紹介します。

2000年からたくさんの人に愛されてきた帆船型遊具「天拝の船」が、老朽化に伴う7か月の改装工事を経て、4月4日にリニューアルしたんです。全長60.28メートル、幅10.2メートル、高さ24.71メートルという、日本最大級の大きさを誇るこの遊具。公園にある周辺の遊具も合わせると、なんと43個もの遊べるアイテムが詰まっています。

テーマは「海賊船」ワクワクする仕掛けがいっぱい

リニューアルした船のテーマは「海賊船」! 内部までこだわり抜かれていて、楽しい仕掛けがたくさん隠されています。

この船の“船長”を務めるのは、筑紫野市のマスコットキャラクター・つくしちゃん。船長室には船長が座る席や宝の地図があり、すっかり海賊気分。さらに、船の中に貼ってあるつくしちゃんのステッカーを6つ見つけると、お宝のありかがわかるという宝探しゲームまで楽しめます。

船内はジャングルジムや丸太渡りなど、体を動かして遊べるアスレチックも盛りだくさんです。

船首に立って舵をとれば、気分はすっかり大船長! 目の前には天拝湖が広がり、晴れた日には筑紫野の街を一望できる最高の見晴らしです。

目玉は大迫力のフリーフォール

一番の目玉は、フリーフォールと呼ばれる滑り台。6メートル以上の高さからほぼ垂直に落下するんです。下から見上げているだけでも大迫力! すでに子どもたちには大人気で、プレオープンの日にはなんと60回も滑った強者がいたそうですよ。

リニューアル前の船型遊具でも滑り台が大人気だったため、「たくさんの人が同時に楽しめるように」と、船全体で6つもの滑り台が備え付けられました。中には3人並んで一緒に滑れるものもありました。

さらに“海賊船”ならではの面白い仕掛けも発見しました。 デッキから外を見下ろすと、そこには巨大タコが! このタコに向かって、上から水鉄砲で撃つことができるエリアがあるんです。(※現在は節水のため水は入っていません。)大きな標的なので、ちびっこスナイパーたちも狙いやすそうですね!

小学生の声から生まれた「インクルーシブな公園」

今回のリニューアルについて、筑紫野市の平井一三市長にお話を伺いました。 「とにかく日本一のものを作りたい」という思いから、この大規模な遊具が計画されたそうです。素材は木製から耐久性のあるステンレス製に変わりましたが、「木の温もりを感じてほしい」と、塗装の擦れ具合にまでこだわって、木目調に仕上げられています。

そして今回、小学生の意見を積極的に取り入れたのも大きな特徴です。 子どもたちから多く寄せられた意見が、なんと「インクルーシブな公園にしたい」というものだったそうです。障がいの有無や年齢、性別、国籍に関わらず、みんなが一緒に遊べる公園。この大人顔負けの意見には、市長自身も驚いたそうです。

その思いを受けて、船の周辺には「親子で一緒に乗れるブランコ」や「寝そべったまま乗れるブランコ」、「座っているだけでクルクル回る遊具」など、段差も少なく、よりたくさんの人が楽しめる優しい遊び場が誕生しました。

あえて変えなかった思い出の「黒い碇」

すべてが新しくなったように見える公園ですが、あえて「そのまま残したもの」があります。それは、フリーフォールのすぐ近くにある黒くて大きな「碇(いかり)」のモニュメント。

ここは、たくさんの親子が記念写真を撮るシンボル的な場所。「ここで思い出を作った人たちが、いつか自分の子どもを連れてきて、また新しい思い出を重ねてほしい」という素敵な願いが込められています。

「自然豊かなこの公園で、のびのびと体を動かし、親子や仲間と一緒に冒険心やワクワクを感じてほしい」と平井市長は話していました。 取材をしながら、私自身の冒険心もすっかり駆り立てられ、全力でアスレチックを楽しんじゃいました(笑)

船が新しくなって初めての週末には、約5,000人もの人が訪れたという筑紫野市総合公園。これからさらにたくさんの笑顔と元気な声で賑わいそうです。

Toi toi toi
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週月曜~木曜 9時00分~13時00分
出演者:山口たかし、内村麻美
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※放送情報は変更となる場合があります。

ボブ・ディランの歌詞は「翻訳不可能」⁉ 村上春樹と柴田元幸が語る、シンプルな英語だからこその難しさ

作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」。11月3日(火・祝)は、特別番組として『村上RADIO「翻訳夜話」スペシャル~音楽で仮定法を学ぶ~』をオンエア。今回は早稲田大学国際文学館の開館5周年を記念し、10月1日に小野記念講堂で開催された公開録音イベントの模様をお届けしました。

盟友である翻訳家の柴田元幸さんを迎え、進行役の坂本美雨さんとともに「音楽で仮定法を学ぶ」をテーマに白熱の翻訳談議を展開。ビーチ・ボーイズやエディット・ピアフなどの名曲に乗せて英語表現のニュアンスを紐解いたほか、方言・スラングの訳し方やAI時代における翻訳の未来、参加者からのQ&Aまで、言葉と文学の魅力が詰まった贅沢な時間となりました。

この記事では、この記事ではオープニングトークと、前半2曲について語った内容を紹介します。


(写真左から)坂本美雨さん、村上春樹さん、柴田元幸さん



◆Bread「If」

村上)では次いきますね。次は文字通りの「If」。これはもう仮定法以外ではありえないという選曲です。ブレッドが歌います。

<ブレッドの曲が流れる>

村上)この曲は僕が選んだんですけど、これ、歌詞がいいんですよね。

柴田)さっきの「If I Were a Bell」がすごくコミカルな比喩の連発だったとすると、こっちはちょっと教養がかっているんですね。いちばん初めのところが「If a picture paints a thousand words」、もしも絵というものが千の言葉を描けるなら、という言い方。なんで千かっていうと、「A picture is worth~(~の価値がある)」「A picture is worth a thousand words(一枚絵を見せれば千の言葉の値打ちがある/千の言葉と同じくらい多くのことが一枚の絵で伝わる)」という決まり文句があります。それを踏まえてるんですよね。

村上)あとは「If a face could launch a thousand ships(一つの顔が千の船を出帆させられるなら)」これは(ホメロスの叙事詩)「オデュッセイアー」の……。この間、映画「オデュッセイアー」を観てきて、その中でも出てましたね。ヘレネー、すごくきれいな人が千の船を進水させるんですよね。

柴田)ギリシャのあの辺はみんな海に国が面しているから、いくさに行くというと、まず船に乗るわけですね。美女ヘレネーを争っていくさが始まる。そうすると船がバーッと出るっていうことで、「The face that launched a thousand ships」という、その千の船をローンチ、出帆させた顔という決まり文句があるわけです。

村上)あと僕が好きなのは「一度に2ヵ所にいられるものなら、君と一緒に明日と今日にいたい。ずっと君のそばで」。これはロマンチックですね。

柴田)これは気が利いてますね。やっぱりデヴィッド・ゲイツという人は本当に秀才型ですね。

◆Bob Dylan「If Not for You」

村上)次は「If Not for You / Bob Dylan」。これは柴田さんの選曲ですね

柴田)高校の授業で多分みなさん習いますよね。If it were not for~(もし~がなかったら)、そういうフレーズがあるわけですけど。ずいぶん長いですよね。実際には、こういうふうに「If not for」という三語に縮めて、同じく「もし~がなかったら」という言い方に日常ではなることが多いです。まさにそれを使ってディランが「If Not for You(君がいなかったら)」という曲を作っています。

村上)僕が最初にこの曲を聴いた時、まだ高校生か何かで、「If not for you」がどういう意味かちょっとよくわかんなかったですね。

柴田)これは本当にフレーズの意味を知らないとわかりにくいですね。「If it were not for you」が「If not for you」というシンプルなフレーズに直されているということ。そして、この曲でやっぱり見事だと思うのは、ディランは音もすごいシンプルですけど、言葉もシンプルなんですよね。

村上)「If not for you, my sky would fall」は、エディット・ピアフも同じようなことを歌ってましたね。

柴田)確かに。簡単な言葉なんだけど、過激なことを言ったりもするんですね。あと「But it would not be new / If not for you(君がいなかったら、虚しく朝の光を待ってるだろう、朝の光が来ても、その光は君がいないから新しくないだろう)」と。new(ニュー)とyou(ユー)の韻の踏み方とか、こういうのは本当にもう翻訳じゃ全然よさを出せないですよね。

<ボブ・ディランの曲が流れる>

村上)なるほど。本当にボブ・ディランの歌詞って翻訳不可能なものが多いですよね。

柴田)かえって「サブタレニアン・ホームシック・ブルース」とか、難しい言葉を使ってくれるほうが訳しようがあるんだけど、この時期のアルバムとか、「ニュー・モーニング」か、あと「ジョン・ウェズリー・ハーディング」とか、あのあたりのシンプルな構成で作った歌は、本当にシンプルさこそが一番訳しにくい感じですね。

村上)僕が仮定法に興味を持つようになったのは、翻訳をやるようになってからです。仮定法をどう訳すかというのがすごく大事なんだなというのがわかってきたんですよね。
学校の時はあまり興味を持てなかったんですよね。嫌だなと思ってたからね。でも、仮定法を理解してないとうまく理解できないんですよ。

柴田)要するに、そこに書かれていることが事実か事実じゃないかっていうのが、文法のサインからわかるわけですよね。

村上)あとif~で、~wouldとかcouldだとわかりやすいんだけど、前がない場合が多いんですよね。だから、それは仮定法がわかってないとなかなか訳しづらいんですね。

◆The Beach Boys「Wouldn't It Be Nice」

村上)次は柴田さんの選曲でビーチ・ボーイズの「素敵じゃないか」。

柴田)これはですね、「Wouldn't it be nice(素敵じゃないか)」という、ご存知の方も多い曲だと思うのですが、ちょっと珍しいバージョンでお聴きいただきます。

<ビーチ・ボーイズの曲が流れる>

村上)素敵な曲ですよね。

柴田)素晴らしいアカペラ・バージョンで聴いていただきました。これはもちろん「Wouldn't it be nice(素敵じゃないかい)」というところが仮定法ですが、「Wouldn't it be nice if...」まで一緒に覚えていただくと、使い方がすごく広がります。itっていうのはいわゆるあんまり文法用語は使いたくないんですけど、仮主語っていうやつで、長い話をしたいときにとりあえずitと言っておいて、その後詳しく言うという仕組み。「Wouldn't it be nice if...(もしこうこうこうだったら、それは素敵じゃないだろうか)」という言い方ですね。要するに、今はまだ自分たちは子どもで自由が利かないけど、大人になったら何でもできるのにという、そういう楽天的な歌なんだけど、やっぱりビーチ・ボーイズがやるとどこか陰りがありますね。

村上)あの、状況説明をしますと、1960年代の半ばの歌ですよね。当時は結婚しなければセックスはできないということだったんです。だからこの歌では高校生同士のカップルで、このまま大人になれたらすぐに“やれる”のにね。という“やれる”って、言っちゃいけないのか、すぐに仲良くなれるのにね、ということが切実なんですよね。

柴田)そうですね。僕が一番好きなところは「Maybe if we think, and wish, and hope, and pray(もし考えて願って望んで祈ったら), it might come true(実現するかも)」。もうちょっと待てば実現するんですけど……。

村上)might come trueなんですね。

柴田)どこか物事がうまくいかないかもしれないというのが見えちゃってるような響きですね。ブライアン・ウィルソンの生きた人生とか、そういうこともつい考えてしまうので、余計そういうふうに思うのかもしれないんですけどね。

村上)でもこれはやっぱりすごく心がこもった歌だと僕は思います。

柴田)長年聴いていると本当にそう思うようになりました。

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<番組概要>
番組名:村上RADIO「翻訳夜話」スペシャル~音楽で仮定法を学ぶ~
放送日時:2026年11月3日(火・祝) 14:00~15:55
出演:村上春樹、柴田元幸、坂本美雨
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/

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