高島宗一郎福岡市長に聞く「天神ビッグバン」後の都市の成長

高島宗一郎・福岡市長

福岡市の高島宗一郎市長がRKBラジオの新番組『田畑竜介 Grooooow Up』のインタビューに応じ、全国から注目を集める成長戦略「天神ビッグバン」「博多コネクティッド」以外の街づくりについて、福岡市東区の九州大学箱崎キャンパス跡地の活用など今後の展望を語った。

「福岡市には観光地がない」とは言わせない!

田畑竜介アナウンサー(以下、田畑):よく言われて困ることがあって。「福岡市で観光したいんだけど、どこに行ったらいい?」という答えがなかなかぱっと出てこないんです。

高島宗一郎福岡市長(以下、市長):観光って、いろんな観光があると思うんですよね。ショッピングという意味での観光であれば、(福岡市は)世界一レベルでショッピングしやすい街。それ以外で今、中長期で考えているのは「博多旧市街プロジェクト」です。お寺の数って、福岡市は京都の次に多いんですよ。それなのに「歴史といえば京都の街」ってイメージがあります。どこが違うのかというと、京都は単にお寺があるだけじゃなく、お寺とお寺を繋ぐのストリートに趣があるわけですよ。これが福岡の場合は、お寺とお寺の間ってただの市街地の道路。だから「ストーリーとストリートで歴史をつないでいこう」っていうことで「博多旧市街プロジェクト」という名前をつけて、寺社エリアを石畳化しています。しばらく訪れていない方は、承天寺や聖福寺の一帯や櫛田神社の前は石畳になっていますので、ぜひ見ていただきたいと思います。

市長:観光ガイド本にも「博多旧市街」という見出しが2ページ目3ページ目にドーンと出てくるようなことを想定して、そのエリアにお土産屋さんや飲食店も増やして、どんどんを進めていきたいなと。それから志賀島(東区)や二見ヶ浦(西区)とか、都会からちょっと行けば自然に出会える場所も都市型リゾートとしてブラッシュアップしているところです。

九大箱崎キャンパス跡地は最先端の未来の街に

田畑:青果市場の跡地をうまく利用して、この春「ららぽーと福岡」が開業して、さらに街のにぎわいが創出されますけども、もう一つ跡地利用で言うと、九大箱崎キャンパス(東区)跡ってどのように考えているんですか?

市長:あそこは50ヘクタールもあるんです。その相当広いエリアが街の中心に近くて、空港や駅、港も近くて、しかも駅だってまた新しく1つできて、JR・西鉄・地下鉄合わせて4つの駅に囲まれてる場所というのは、日本中探してもそうそう出てこないんですね。「福岡スマートイースト」というプロジェクトなんですが、ここをいかに素敵な街にするか、ここに住む人が幸せだと思えるようなエリアにするかを考えてるわけです。

市長:例えば何とかニュータウンとか、なんとかハイランド、なんとかが丘に住んでる人たちは、もっとバス停が近い方がいいとか、マイクロバスを回して欲しいとか、移動に対する期待・要望が高いんです。そういった交通機関をこれからの高齢化に向けてどうしていくのか、これまでのようにバスを走らせるっていうだけだったら、税金をずっとこれから使い続けていくことになって、この少子化の中で誰が(税金を)払うんですか?ってことになっちゃうし、やっぱり持続可能な街づくりをしていかなくちゃいけないっていう中で、この箱崎エリアはこれまで言われている自助・共助・公助にプラス「技助」つまりテクノロジーを使って、一層網の目を張っていくっていうことなんですね。

市長:例えば認知症になって徘徊をしたとしても、IoTとかセンサーによって今どこにいるかということが分かれば、ある意味安心して住み続けることができますよね。さっき言った交通の便の話でいくと、自動運転のバスとか。自動運転って想像だけだと「大丈夫かしら?」と思うかもしれないけど、実際走ってるバス見たら納得いくと思うんですね。すごくゆっくり走っているんですよ。ゆっくり街の中を循環していくようなバスを走らせるのにも、今の道路にそのままではなく、新しいものをより安全に便利に使えるような道路整備をしていくと。

市長:(電動)キックボードも、街中で乗る方増えてますけれども、便利なのに加えて安心に使えるようにするためには、道路の規格を変えて、道路の路肩をしっかりとって、そこで第3のモビリティをさばいていくというような、新しい技術が入ってくること前提の街にすることによってさらに便利になる街をこれから作っていきたいなと思ってるんですよね。

街にコントラストをもたせつつも共通のコンセプトも

田畑:未来の街と、博多旧市街地というところで、両立すると面白い街になりそうで、本当に楽しみですね。

市長:コントラストがあるってすごく大事。あまりにも天神ビッグバンのインパクトが強いんですが、福岡市内全部を高層ビルの街にするのかというと全然そうではなくて、天神ビッグバンというのは半径500メートルのエリアだけなんです。でも、このエリアから一歩西にずれれば、大濠公園と舞鶴公園は「セントラルパーク構想」って別のプロジェクトをやってます。東に移動すれば博多旧市街プロジェクトっていうふうに、エリアエリアで、そのコンセプトを明確にしていきながら、その地域の個性をしっかりブラッシュアップするような街づくりをしていきたい。

市長:そして全体に貫くコンセプトは、グリーンもそうですし、インクルーシブ、高齢者や障害者、どんな人でも暮らしやすい。だから例えば公園を新しく作るんだったら、障害のある子もない子も一緒に遊べるような公園にしていくとか、こういう共通コンセプトはしっかり内蔵していきながら進めていくということなんですね。

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田畑竜介 Grooooow Up
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週月曜~木曜 6時30分~9時00分
出演者:田中みずき
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成人年齢の引き下げ 金融当局、貸金業者による18歳、19歳への貸付監視を強化

3月31日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、金融庁があす、4月1日から貸金業者を対象に18歳、19歳へのすべての貸し出しを監視する方針を固めた件を、寺島尚正アナウンサーが紹介。木曜コメンテーターでストラテジストの嶋津洋樹氏に意見を求めた。

嶋津氏「金融教育の場で正しい使い方や仕組みを教えるべき」

これまで民法は成人年齢を20歳と定めていたため、18歳、19歳が親の同意なく結んだ契約を取り消せると規定していたが、4月1日からは18歳、19歳が成人とみなされることで、この点が変更される。

貸金業者は営業・廃業を地元の都道府県か地方財務局へ登録することが義務付けられている。そのため、新たな管理体制では月1回、18歳、19歳への貸し付け件数や金額、返済状況などを、消費者金融などの貸金業者が登録先に報告することを義務付けたと、寺島アナが紹介した。
金融当局は、18歳、19歳への貸付件数が急増していたり、一人当たりの金額が多かったりする業者に事情を訊き、虚偽の説明や無理な貸付が疑われている場合には立入検査を行い、是正を求めるという。

この件に、嶋津氏は「『そういうことになるのは良くないことなので』ということだと思いますが、単に借金がダメと言うのも違っていますよね。(住宅ローンや若い時にどうしてもほしいものなどを)購入できる一つの手段として借入れがあるので、良い面・悪い面があります」と述べた。

ローンは買い物における正当な手段の一つであるとする一方で、「複利計算で金利がつくときにどういう影響があるのか、高い金利を低く見せて貸し付ける悪い業者を見抜けるような教育を充実させるべきです。(中略)金融教育が広がっていけば良いなと思います」と話し、金融リテラシーで「自衛」できるような教育の重要性を訴える。

「『ローン=悪』ではありませんが、取り扱いには注意しなければなりません。ご家族で認識していただければと思います」(嶋津氏)

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