「永遠の嘘をついてくれ/中島みゆき」人生の一大事として自分のアルバムに収めた曲

当時のバンドミュージシャンの憧れだったスペクトラム ©STVラジオ

ポプコン出身のシンガーソングライター・松崎真人が、'70~'90年代の日本のポップスを中心に厳選してノーカットでお届けするSTVラジオ『MUSIC☆J』(RCCラジオ同時ネット)。中島みゆきが吉田拓郎に提供した1曲について、その背景に秘められていたであろう両者の深く熱い思いを松崎が紐解きます。(文中敬称略)

松崎:もとはと言えば吉田拓郎がステージで「ファイト」という中島みゆきの曲を歌ったら、すごくしっくり来たので「自分にはもう"ファイト"のような歌は書けない。みゆき、俺に歌を書いてくれないか」というオファーに応えて作られた曲です。このエピソードは番組で何度かお話ししておりますが、きょうは中島みゆきのバージョンを聴いて頂きます。

M10「永遠の嘘をついてくれ/中島みゆき」

松崎:アルバム「パラダイス・カフェ」に自ら後に収めた曲です。もちろん初出は、吉田拓郎が曲提供を受けてレコーディングした方です。
 
松崎:中島みゆきが(他のアーティストに)提供した曲をセルフカバーする場合、セルフカバー集に入れることが多いんです。それを、この「永遠の嘘をついてくれ」に関しては、自分のオリジナルアルバムの1曲に入れていると言うことは、単に「頼まれました、書きました」という関係性では無く、自分の青春の永遠の憧れ=吉田拓郎という人間に対して、中島みゆきという人間が捧げられる最大のリスペクトということですね。

松崎:この曲を書いて、それを(吉田)拓郎が喜んで歌ってくれたということ自体、たぶん中島みゆきにとっては人生の一大事だったんじゃないかなと思います。それは、提供された吉田拓郎にとっても、そうだったんだと思います。なので、普通のカバー曲集に入れるのでは無く、自分事として自分のアルバムに入っていることなんじゃないかと思いますね。

そして、20時台の後半、懐かしいキャンディーズの1曲をおかけしました。

M16「わな/キャンディーズ」

松崎:女性のボーカルグループで、センターを変えることで話題をかっさらう手法の元祖ですね。最初はスーちゃんがセンターだったのが、ランちゃんになってしばらく行って、解散を発表してからミキちゃんのセンターの曲が1曲だけあって、それがこの曲ですね。当時のベストテン番組の翌日は、その話で持ちきりでしたね。「ミキちゃん真ん中もいいよね」みたいなね。

松崎:キャンディーズが大旋風を巻き起こしている当時から、バック・ミュージシャンだった人たちを中心に結成されたグループです。ブラスロックですね。久々にフル尺で。

M17「イン・ザ・スペース/スペクトラム」

松崎:ブラス隊のことがよく語られますが、リズム隊がスゴいよね。特にベースとドラムのコンビネーション、このクラスで出来るバンドはまだ当時は日本にいなかったんです。なので当時、他のバンドマンからも垂涎の眼差しで見られていましたよね。一気に日本のバンドサウンドがワンランク上がったという感じでしたね。

【編集後記】
「イン・ザ・スペース/スペクトラム」  ご存知の通りキャンディーズのバックバンドから派生した大所帯グループ。デビューにどれだけお金がかかったことか…。考えただけでも気が遠くなる。派手なブラス隊の後ろでリズムを刻んでいるリズム隊のタイトなノリが素晴らしい。今夜の8時台〜9時台前半はいわゆる「早すぎた歌手・バンド」を並べてみたのだけれど、2021年の日本の音楽シーンにここまでの多様性があるか?と見渡すと…。ちょっとだけ心配になる。杞憂だといいのだけれど。(松崎 真人)

【12月23日のプレイリスト】
M01「Timing/Black Biscuits」
M02「ステキなタイミング/坂本九」
M03「突然/FIELD OF VIEW」
M04「また逢える・・・/KIX-S」
M05「Ring a Ding Dong /木村カエラ」
M06「恋のジザベル/ザ・スウィング・ウエスト」
M07「黄色いワーゲン/サーフ・ライダース」
M08「コーラが少し/高木麻早」
M09「風を忘れて/谷山浩子」
M10「永遠の嘘をついてくれ/中島みゆき」

M11「君に捧げるほろ苦いブルース/荒木一郎」
M12「想い出まくら/小坂恭子」
M13「水中花/井上忠夫」
M14「未来のミュージアム/Perfume」
M15「だいじょばない/Perfume」
M16「わな/キャンディーズ」
M17「イン・ザ・スペース/スペクトラム」
M18「Lay Back/つのだ☆ひろ&JAPS GAPS」
M19「逃避行/麻生よう子」
M20「針葉樹/野口五郎」

M21「薔薇とノンフィクション/PSY・S」
M22「CHRISTMAS ILLUSION/PINK」
M23「Do They Know It’s Christmas?/Band Aid」
M24「違う、そうじゃない/鈴木雅之」
M25「濡れた髪のLonely/池田聡」
M26「I’m Here/小比類巻かおる」
M27「クリスマス音頭/大滝詠一」
M28「世界は仕事で動いてる/松崎真人」
M29「Merry Christmas, Mr. Lawrence/坂本龍一」

STVラジオ『MUSIC☆J』(毎週火曜~金曜 19:00~22:00)/ RCCラジオ 同時生ネット

プレミアム会員登録をして全国のラジオを聴く!

MUSIC★J
放送局:STVラジオ 他1局ネット
放送日時:毎週火曜~金曜 19時00分~22時00分
※放送局によって日時が異なる場合があります。
出演者:松崎真人(まつざき・まこと):シンガーソングライター、選曲家。北海道札幌市出身。1984年ヤマハポピュラーソングコンテストで優秀賞を受賞し、85年「たわいないトワイライト」でデビュー。92年、佐木伸誘とユニット「Birthday Suit」結成。現在はソロでラジオパーソナリティやライブを中心に活動。
番組ホームページ

リクエストメール:mj@stv.jp
twitterハッシュタグ:#musicj 

70年代~90年代の日本のポップス・日本語のポップスを中心に"厳選かけ流し"でお届け。パーソナリティは、北海道出身のシンガーソングライター・松崎真人。音楽への深い造詣と知識に裏打ちされた含蓄あるトーク、選曲の幅広さでリスナーの支持を全国に広げている。松崎の"微妙な滑舌"も病みつきになります!。
★RCCラジオでも同時生放送(~21:50)

※該当回の聴取期間は終了しました。

NTTの法人向け5Gサービスはどんな特徴があるのか『石川温のスマホNo.1メディア』

『石川温のスマホNo.1メディア』は、スマートフォンに関する、最新情報や役に立つ情報を、スマホ/ケータイジャーナリストの第一人者である石川温さんをパーソナリティとしてお届けしている、ラジオNIKKEIの人気番組。

5月9日(木)のゲストは、NTTコミュニケーションズ株式会社・5G&IoTサービス部の辻野大輔さん。

近年、企業など法人向けの5Gサービスに各社が注力を入れています。そんななか、NTTのビジネスサービスを担っているNTTコミュニケーションズが、「5Gワイド」や「docomo business プライベート5G」など、法人向けの5Gサービスを展開しています。これらはどんな特徴があるのかや、他社との違い、法人向けサービスに対する戦略などを、自身も法人向け5Gサービス導入を考えている石川さんが詳しく聞いています。

Facebook

ページトップへ