プロ野球解説者・鈴木孝政の懸念「プロ野球経験のないコーチはどうなのか?」

東海ラジオ『ドラゴンズステーション』(月~金17:15~19:00)1月6日のコメンテーター鈴木孝政氏が「アメリカで初の黒人女性コーチ採用」のニュースについてコメントした。鈴木氏は「プロのスピードに対応できるか」懸念を示した。

この女性は、大学時代にソフトボールの経験があり、レッドソックス傘下のマイナーチームで、主に野手を指導する予定とのこと。

鈴木氏は「彼女がソフトボールをやっていたと言っても、プロ野球のスピードの世界を知らない。硬式野球であるし、マイナーと言ってもプロ。そのスピードの世界で経験を積んでいないのに、ピンポイントで、アドバイスやヒントがポッと出るかな。そこがまず心配」と懸念を示した。

ここで鈴木氏は、現役時代に聞いたコーチの言葉を披露した。コーチの名は一枝修平。高木守道との二遊間コンビで名を馳せたドラゴンズの往年の名遊撃手である。鈴木氏が若手の守備練習を見学していたときのこと。(盗塁阻止のため)キャッチャーがセカンドに送球する練習のとき、一枝コーチが言った言葉が「ボールを取ってからタッチしている奴がいるか!タッチしてからボールが入ってくるんだ」というもの。

鈴木氏は、この言葉を聞いて驚くと同時に感銘を受けた。「タッチしてからグラブにボールが入ってくるという感覚で練習しろということ。プロに入って本当に『もうけた(得をした)』と思った」と、金言に触れたときの感想を述べた。そして「アウト・セーフの境目の一瞬、コンマ何秒のプレー。その感覚は、タッチプレーだけじゃなく他にもある。それをいちいちコーチは言わないが、自分で考えて練習しなさいよ、ということだ」と続けた。

一枝コーチの言葉は超一流の選手だったからこその言葉かもしれないが、これがプロの世界。鈴木氏は「(プロ野球経験のない)女性コーチが、この感覚の世界でやっていけるか、だから、どうするのかなあ」と個人的な見解とした上で、その「むずかしさ」を口にした。

ただ「フロントなどスタッフとして女性が(プロ野球の世界に)入ってくること、増えてくることはいいこと。面白くなるだろう」と付け加えた。しかし「ただ、コーチは?」と最後も懸念の言葉で締めた。

ドラゴンズステーション
放送局:TOKAI RADIO
放送日時:毎週火曜~金曜 17時15分~19時00分

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