プロ野球解説者・鈴木孝政の前代未聞の「はずかしい記録」とは?

東海ラジオ『ドラゴンズステーション』5月13日のコメンテーター鈴木孝政氏が、11日の阪神中日戦で同一対戦カード通算2000試合に達したことに因んで、自身の阪神戦での「はずかしい思い出話」を披露した。それは前代未聞の珍記録のことだった。

鈴木氏は、中日の投手として、阪神戦100試合以上に出場している。その中で、初セーブ(1974年)、初ホームラン(1975年)のほか、1000投球回、1500投球回も記録している。そして、珍記録は、1987年6月にナゴヤ球場で行われた試合で、鈴木氏のバットから生まれた

鈴木氏は「あれはねえ・・」と話し始めた。「年に1回あるかないかのナイスバッティング。センターへの痛烈な打球だった。ゆっくりと一塁に向かっていたら、一塁コーチの『来たぞー!』という声が聞こえた」。そのとき鈴木氏は「何が来ているのか、よくわからなかった」という。

その直後、事態を理解した鈴木氏は「そこから力を入れて走ったが、もう間に合うわけがない。まいった、まさかと思った」と振り返った。打球が速く、センターを守っていた選手が強肩だったため、鈴木氏は、「センターゴロ」に倒れた。「完全にアウト、どころじゃない。リクエスト(の制度)があったとしても、まったく必要ない」ぐらいの完璧なアウトだった。

さらに鈴木氏は「顔から火が出るとはこのこと。はずかしかった。やってしまったという大変な気持ちだった。そのときの阪神ベンチは大笑い。一塁手(のバース)は、ファーストミットで顔を隠して、かがんで笑っていた」とのこと。

珍記録達成に、鈴木氏は、公式記録員のところに行った。記録員からは「センターゴロは、これまでに2人いるが、いずれも一塁走者が2塁でアウトになったケース。1塁でアウトになったのは初めて。これからもないと思う」と言われた。果たして、鈴木氏以来これまでに、同じ記録はない。

しかし、鈴木氏は、この試合で勝利投手になっている。「(アウトになって)ベンチに帰るときも、次の回にマウンドに上がるときも、これははずかしかった。しかし、こんなプレーをしておいて、よく落ち着いて投げる気力があったなあ」とも話していた。

ドラゴンズステーション
放送局:TOKAI RADIO
放送日時:毎週月曜~金曜 17時15分~17時56分

※該当回の聴取期間は終了しました。

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