「毎日1パーセントでも向上したい」
人間、成長するのに歳は関係ない。横浜キヤノンイーグルスのフランカー嶋田直人選手はベテランと呼ばれる年齢になっても向上心の塊だった。手本とするのはNBAのスーパースター、故コービー・ブライアントのマンバ・メンタリティー。日本語では強い意志と猛烈な集中力と訳される。嶋田選手、「毎日を100%で練習することによって、1%ずつでもいいからどこかの部分で成長していけたらいい。」と言う。
昨シーズンチーム史上最高の3位。今シーズンは悲願の初優勝を掲げたチームは嶋田選手曰く、「思い描いているような状況ではない。」という。確かに第10節のクボタスピアーズ戦、26対8と18点リードしながら逆転負けが示すように自らのミスで勝ち切れない試合もある。しかし、翌週の第11節サントリーサンゴリアス戦では10対35と最大25点差を逆転勝ちした。1週間で立て直して、やられたことをやり返せるイーグルスは確実に地力を向上させている。
そこにはサントリーで優勝を知る沢木敬介監督や南アフリカ代表でワールドカップ連覇を成し遂げたファフ・デクラーク選手とジェシー・クリエル選手、さらに日本の他のチームから加入した田村優選手らが持ち込んだ厳しさがある。厳しさをチームの文化にする過程には、自らも成長を続ける生え抜きのリーダー、嶋田選手の存在があったことは言うまでもない。
オフェンスのボールキャリー、ディフェンスの最初のアタック、フランカーの運動量とプレーの質で試合が決まるとも言われるポジション。顔の傷はフランカーの勲章的なところもある。嶋田選手は沢木さんの前の監督さんに「フランカ-にしては傷のない綺麗な顔してるな」と言われたというが、「最近はちょっとずつ顔の傷、増えてきましたね。」と笑う。「怖いと思うことはあります。僕が行かずにチームに迷惑かける方が嫌なので、もう腹くくって行ってます。」そこにあるのはチームへの愛だ。
チームはリーグワンのプレーオフへ、負けられない試合が続く状況で、プレーオフ圏内4位をキープしている。「リーグ戦最終戦のパナソニック戦で勝って、引退する内田のはなむけにしたい。」と嶋田選手は言う。これが出来れば、引退するまでに見たいという一番高い所からの景色、悲願の優勝が見えてくるはずだ。
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